prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「クラッシュ」

2006年03月21日 | 映画
クラッシュ、という題名は、バラバラになった人間関係を表すだけでなく、時折降る雪のようにそれぞれのキャラクターが多面的にきらきら光っている様子も表しているかのよう。

人種差別の問題が頑として横たわっているのはもちろんなのだが、すでに警察の上司や検事など差別されている側とはいえないアフリカ系もいる一方、新しく(?)敵視されているアラブ系と間違えられたペルシャ人や、中国人なども視野に納めている。
日本だって、本当は多民族間のドラマを作れる状況にあるはずだが。

差別者=悪・差別意識のない人=善という図式を免れて、多彩なキャラクターがそれぞれ善悪の間を揺れ動き、それぞれの意思を超えた意外な展開や結びつきを見せる。シナリオのエネルギーはかなりのもの。こういうのは、役者がノるだろうなと思わせる。
ささやかながら、クリスマスに合わせた奇跡を描いた映画の系譜にも入る。

銃が出てくると<落ち着いて考える>余裕がなくなってしまうな、と改めて思う。
(☆☆☆★★)

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