prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「おろち」

2008年09月24日 | 映画
原作は読んでいたので、あのラストのままだと実写でこのキャスティングだと明らかにおかしなことになる、どうするのだろうと思っていたらそのままなので驚いた。強引な。

洋館のセットの作り物っぽさとキッチェ感は狙いだろうけれど、いきなり見せられるとちょっと引くところあり。DLP上映だったのだが、その分フィルム上映よりますますリアリズムから離れた感じ。

「何がジェーンに起こったか」調の姉妹の取っ組み合いを含めた骨肉の争いの迫力はなかなか。
美女が醜く変貌する様子を直接にはあまり見せないで、主に試写室で上映される木村佳乃のアップのフィルムが熱で融けるので暗示しているのは、映画的な工夫。

歳をとらず、百年に一度長い眠りについたりするおろちというかなりわかりにくいキャラクターを下手に変えずに通したのは大胆。あれは何なのか、いろいろ考えたくなる。

流しで歌われる「新宿鴉」なんて歌、もっともらしいけれどそんな曲あったっけと思うと映画オリジナル。
大阪万博のポスターがちらっと見えたりするが、時代色を出すというより、時代性そのものが嘘だと見せているよう。
(☆☆☆)


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おろち - goo 映画


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