prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「炎と女」

2005年06月25日 | 映画
人工受精による子供を実の子供として認識できるか、といったモチーフは、製作当時(1967)としては普通の社会劇としても作れたのだろうが、何しろ吉田喜重監督(脚本は山田信夫と田村孟と共同)だから、おそろしく抽象的で観念的で高尚な作り。
その分、人工受精など珍しくもない現代になってもあまり古びていない。

子供(カメラ)に向かって親たちがえんえんとおよそ情緒を排した、論理的倫理的に親であるとはどういうことかという思弁を繰り返す。子供のかわいらしさをフォローしようなどとは薬にしたくもしていない(勝手にかわいく写ってますけどね)。

およそとっつきやすくないが、媚びないのは偉いとは思う。あるいはその逆に、偉いとは思うが、面白くはないとも言える。
(☆☆☆)



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