現金輸送車の警備員たちが車ごと現金を奪おうとして、思わぬ手違いからどんどんドツボにはまっていく話。
マット・ディロン、ローレンス・フィッシュバーン、ジャン・レノといった豪華な顔ぶれなのだが、こういう知名度のある役者の方がより悪い奴の役をやっていて、あまりなじみのない役者がいい奴という割り振りはちょっとおもしろい。
「プリズン・ブレイク」のスクレことアマウリー・ノラスコも出ていて、「トランスフォーマー」一作目ではすでに「プリズン…」に出てたのに劇場用映画ではまったくの脇役扱いだったのに比べるとぐっと出番が増えた。とはいえ、役者としてはこういう格付けなのかという感じはあります。劇場用新作は「ダイ・ハード5」(仮)。
タイトルになっているアーマード(装甲車両)から警備員たちが逆に締め出されて金庫破りよろしく自分の勤め場に押し入らなくてはいけなくなる状況が皮肉。さらに中に立てこもった善玉(といえるのか)が中が見えないように紙幣で窓を目張りしてまるで金を見せ付けているみたいになる画がこれまた皮肉。ただし演出はそういうアイロニーをあまり際立たせていない。本格的にストーリーが動き出すのも遅いし、結末も弱い。
一味が隠れるのが広大な鉄工場の廃墟。銃をぶっぱなしても誰にも聞こえないくらい広い。アメリカの(あるいは日本の)製造業の末路のようで、それ自体なにやら空恐ろしい眺め。
(☆☆☆)