prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「影の私刑(リンチ)」

2021年05月18日 | 映画

エリート士官学校に巣食うリンチ集団“テン”がアフリカ系初の新入生を追い出すべくリンチするのを、赴任してきた上級生デヴィッド⋅キースが阻止するというストーリー。

1983年製作とあって、主人公がリンチの対象である新入生ではなく、取ってつけたように設定した白人ヒーローでなければいけなかったであろうことが、今見ると何かと建て付けが良くない。

士官学校のリンチ、いじめ、日本の帝国陸軍でいう内務班的暴力の陰険さは「フルメタル⋅ジャケット」を先取りした感じだが、それ以前にまず実在したものなのだろう。

いじめの内容、手口は「フルメタル」と共通するが、描写タッチは普通で(監督は「さらば青春の光」のフランク⋅ロッダム)、キューブリックみたいに渇ききっていない分、見ていて生理的に不快。

テンのトップをやっているのが、マイケル⋅ビーン。
デヴィッド⋅キースはこのちょっと前の「愛と青春の旅立ち」でリチャード·ギアの自殺する友人をやっていた人。
角ばった顔に制服が似合う堂々たる体躯が軍人役に合う。

テンというのは、たとえばブッシュ大統領父子も属していたイェール大学のスカル·アンド·ボーンズのような秘密結社的な匂いがする。

マスコミに流すぞという脅しか成立した時代の話、という印象は強い。





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