prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ウォール・ストリート」

2012年03月29日 | 映画
前作(1987)が作られてから金融界の腐敗が手のつけられないくらいひどくなったせいか、仇役だったゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)が、「ロッキー」のアポロ的に善玉に寄ってきている。
もともと欲望に忠実なキャラクターというのは一定の魅力は持つからでもありますけれどね。

ゲッコーのモデルであるアイヴァン・ボウスキーは3年半の服役と1億ドルの罰金刑を受けたが、2年で出所し、現在も有価証券投資事業を手がけているとのこと。20年服役した映画のゲッコーよりよっぽど甘い扱いです。
ボウスキーが出所してからインサイダー取引について書いた著作『ウォール街 悪の巣窟』はピューリッツァー賞を獲得しているというあたりも、ゲッコーの著書「Greed is good」(これもボウスキーの演説の一節からとったフレーズ)がベストセラーになっている設定として取り入れられている。

ただ、マネーゲームを批判するのにモラル持ち出してきても仕方ない気はします。
すべてが経済性で計量される世界というのは一方で自己崩壊に向かうのではないかと思われ、長い目で見て効率的ではないことはかなり明らかになっていると思うけれど、かといって欲望よりモラルが優先するシステムが有効とも可能とも思えない。
(☆☆☆)

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