冒頭、ピントをわざと外してボカした画面作り(フィンチャー「セブン」そっくりのピストルの銃口にピントが合っていて顔はボケているカットあり)は冴えていて、つかみはOK。
ただこの時登場する「プロ」の正体が話が進んでも一向にはっきりせず、ターミネーターかと思うような不死身ぶりを見せるもので、金属の骨組みが見えるのではないかと半ば本気で思った。
タイで賭けボクシングをやっている貧しい母子家庭の青年のもとに急に弁護士が来て、実は韓国に父親がいて病気で動けないので連れてきてくれと依頼を受けたと言う。
青年が韓国に着いてからいきなり二つの勢力の間で翻弄され、これにどちらにも属さない「用心棒」の三船敏郎的立ち位置の「プロ」が割り込んでくる。
正体を明かすのに気をもたせ過ぎで、個々のアクションシーンは迫力あるのだがどうも落ち着かない。
青年をなぜ連れてきたかというネタは納得いくのだが。