最近でもイタリア製映画化「ほんとうのピノッキオ」とかロバート・ゼメキス版とか何度となく映像化されているピノッキオだが、今回はファシズムが吹き荒れるイタリアを舞台にしているのが異色。
というか、考えてみるとピノッキオの原作本は知ってるつもりで実は読んでいないのでした。読んでみないと。
つまり「パンズ・ラビリンス」や「シェイプ・オブ・ウォーター」の異形のキャラクターとしれを圧殺しようとするファシズムや軍国主義との対立が再生されることになる。
ピノッキオは木でできた人形に命を吹き込んたものなので人形アニメで表現するにはぴったりとも言えるし、
人形の時は魅力があっても人間の子供になるとつまらなくなるのだけれど、そのあたりをうまくかわしている。
人形だから何度も死ぬのだけれど、その命を失ってモノになるのがもともと命のないモノを動かしていたことによってあからさまになる。
ピノッキオに命を吹き込むのが朝は四本足、昼は二本足、夕に三本足は何?という有名な謎をかけるキャラクターのスフィンクスを思わせるデザインで、答えは人間なわけだが、その命がもともと始まりと終わりがあるものとして示される象徴にもなっている。
キャラクターが空中を跳んだりするのはどうやっていたのかと思ったら、メイキングを見るとなんのことはない、緑色に塗った棒で支えて後でその部分は合成で埋めたのだな。
最近はクライマックスに出てくる巨大な怪魚がクジラと特定されないようになってるみたい。
聖書のヨナにちなんでいると思ったのだが、特定の宗教の色をつくのを避ける意図でもあるか。