prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「シドニー」

2023年03月08日 | 映画
アカデミー主演男優賞を初めて受賞し、アフリカ系俳優の地位に決定的な一歩を加えたシドニー・ポワチエに関するドキュメンタリー。

娘が殺される警備員の役を蹴るなど、家庭への影響を配慮し続けるなど、良くも悪くも優等生的で、それが公民権運動以降は微温的なものとして批判されることになる。

判事が黒人の生徒が通う「腐敗した」学校から白人の親は通わせるべきでないと「判事が」言うあたりの人種差別の根深さ。

「手錠のままの脱獄」でユダヤ人のトニー・カーティスと共演したわけだが、白人の中で差別されている立場のユダヤ人とアフリカ系との共演は、非ユダヤ人との共演より危険かもしれないらしいらしい。

俳優業が一段落してから監督に進出し、「スター・クレイジー」は一億ドルを超す大ヒットになったという。先日の「エンパイア・オブ・ライト」での登場はそれを踏まえての引用かもしれない。
その後も「ハンキー・パンキー」など主にコメディの監督として一定の成功を収めたわけだが、今だとあまり見られるのは少ない。

夫人のジョアンナ・シムカスが登場。ずいぶん久しぶりでしょう。