prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「シン・ゴジラ」

2016年08月18日 | 映画
これくらい最近論じられている映画もあまりないので、ネタを知らないでおくのは大変でした。
さっさと見ればよかったのだが、とにかくバカみたいに混んでいて、空くまで待とうかと思っていたのが一向に空かない。結局一番前の席で見ることになった。お盆は過ぎていたのに本当に満杯でしたからねえ、慶賀の至り。

で、ここで一知半解の論を展開しても始まらないので、やめておきます。他でやたらと詳しい人による話が本当にいくらてもありますので。
ただこれまったく怪獣映画なりエヴァンゲリオンなり岡本喜八なり市川崑なりをまったく知らない人が見たらどう見えるのだろう、とか、あるいは外国人が見た場合どう映るのだろうとは気になった。

とにかく日本人の自意識の塊みたいな映画で、核兵器と原発事故と両方にわたる核に対するトラウマであるとか、アメリカの属国であるという事実の認識(これ自体、ずうっと言われていることではあるけれど、共有されるようになったのは割と最近ではないか)とかいった部分など、どの程度わかるものかな、と思うけれど、意外とわかるかもしれないとも思う。

ちなみにhttp://anond.hatelabo.jp/20160816025540というサイトが面白かった。実際に中国で公開できないかどうかはまだわからないが。

最初に出てきたゴジラの姿にびっくり。その後も一種の気持ち悪さはついてまわる。
政府の関係者をはじめ中高年の出演者の顔のアップにつぐアップがかなりグロテスク。メイクをしていないのかしていないように見えるメイクなのか、顔のぶつぶつであったり老人班であったりといった普通は見せられない部分までありありと見える。
一種のなまなましい生物感みたいなもものが出ていて、ゴジラと対応しているようでもあり、なんだかパゾリーニみたいだとも思った。
その中で石原さとみだけがきれいにメイクした顔で出てくるのが、かえって違和感があったりする。

ゴジラが東京の街を焼き払うあたりで巨神兵みたいだ、と思ったら、第一・第二形態のぐちょぐちょした感じができかけの巨神兵に似ていたことに気付いた。

自衛隊の攻撃で、ゴジラに命中していない弾、ひとつもなかったのではないか。めちゃくちゃせ精強で錬度高し。実際あれくらいいくのではないかという気もする。

東京の街の相当な広さとその中でも見えるゴジラの姿を組み合わせた画の壮大さ。
ただの会議の場面もびしっと物が詰まったような画にしていて、ちょっと黒澤明の望遠ショット風でもある。

レジェンダリー版のゴジラもだけれど、平成ガメラの影響はずいぶん大きいとも思った。
(☆☆☆★★★)
シン・ゴジラ 公式ホームページ



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8月17日(水)のつぶやき

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