prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「エクソダス:神と王」

2015年02月07日 | 映画
「十戒」と同じ話なのは元が聖書の出エジプト記だから当たり前なのだが、ある意味ぬけぬけと神が味方についたユダヤ民族が正義でエジプトの王が悪という図式で通した旧作と違い、今みたいにイスラエルがパレスチナに軍事侵攻して対立している状態がずっと続いているのがあちこちから批判されているとなると色々と配慮も必要になってくる。

たとえば、モーゼは直接神の声を聴くわけではなく子供の姿をした神の使いを介して間接的に神の言葉を預かるわけで、なんだかまわりくどいし預言者というには迫力不足の感。
あと、王のそばにもモーゼのそばにも憎まれ役を設定して(エドワード・G・ロビンソンの憎たらしかったこと!)、悪い方に人心を煽っていたのがドラマ的なメリハリをつけていたのだが、それが今回はいないからなんだかシマらない。

がっかりしたのは、紅海が真っ二つに割れる最大の見せ場が漠然と水が引いて通れるようになるという中途半端な描写になっていることで、海が割れるなんて神の御業の表現としてもあまりに荒唐無稽には違いないが、スペクタクルとしてここを外すという法があるだろうか、せっかく映像技術は往年とは比較にならないくらい発達したので、いくらでも説得力のある画にできた筈が、変にリアリズム風(リアリズムになりようがないのに)に逃げてしまっている。

カエルやイナゴの大群は今のCG技術と3D効果を生かした見もの。紅海周囲でも鳥がしきりと飛び交っていて、小さな物と大画面とのコントラストが生きている。

しかし、そういった奇跡をモーゼが起こすのはエジプト王に神の力を知らしめユダヤ人を解放するため、という具合に目的と手段が「十戒」でははっきり結びついているのだが、ここではそういったいわば暴力をふるうのにモーゼが及び腰なもので、神が勝手に理不尽に祟りを起こしているように見えてしまう。
もともと聖書で一番理不尽に人を殺しまくっているのは神なのだが、そういう事実がかなりあからさまに見えてしまうのはちょっと困るだろう。

崖っぷちの道を戦車軍団が暴走したため路肩が崩れ、なだれをうって軍団が崖下に転落するスペクタクルは新工夫で良かった。
(☆☆☆)


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エクソダス:神と王@ぴあ映画生活

映画『エクソダス:神と王』 - シネマトゥデイ

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