prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ディズニー映画の名曲を作った兄弟 シャーマン・ブラザース」

2014年09月08日 | 映画
原題はThe Boys: The Sherman Brothers' Story

ディズニーの「メリー・ポピンズ」「ベッドかざりとほうき」、ディズニーではないが「チキ・チキ・バン・バン」などの音楽を共作し続けたロバートとリチャードのシャーマン兄弟を扱ったドキュメンタリー。

兄弟の祖父はキエフ出身のユダヤ系。ジョン・ウィリアムスがインタビューに答えてアーロン・コープランド アル・シャーマン(兄弟の父) ジョージ・ガーシュインといった最もアメリカ的と思われた作曲家たちがみんなロシア系ユダヤ人なのは興味深いと語る。ウィリアムス自身もユダヤ系のはず。

「メリー・ポピンズ」のラストで家族の和解を凧揚げで表現しているのは、父がよく凧揚げをして息子たちと遊んでいた思い出からきていたことがわかる。

兄弟が性格がずいぶん違い、仲が良かったわけではないことがこのドキュメンタリーの一つの軸になっている。
ふたりはビートルズのレノンとマッカートニーみたいに、兄は内向的、弟は外交的と対照的な性格で、仕事以外ではあまり会わず、ふたりの息子たち(つまり従兄弟同士)が「メリー・ポピンズ」の舞台版の初日で再会するのに40年くらい会っていないという。

また、ふたりが映画に特別出演した時、兄はどうだったと聞かれて自分の出番はまあまあだが、一番いいのは弟の出番がカットされたことだ、とジョークも入っているのかもしれないが、ずいぶんな答えをする。

そういう性格の違いは生来のものもあるだろうが、兄は戦争に行っているが弟は行っていないという違いにも求められそうだ。歳は二つ違いなのだが、戦争をやっている時の若い男の歳のひとつふたつの違いは大きい。
兄はロバートはダッハウに入った最初のアメリカ人兵士たちのひとりで、虐殺の後の現場を見てからますます内にこもるようになり、時間があるとひきこもって絵を描いていた。その絵が何枚も出てくるが、ずいぶんと普通の町並みの絵だ。

ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアが「山の子守唄」を唄うという珍しい映像が見られる。
ジュリー・アンドリュースやディック・ヴァン・ダイクも、もちろんインタビューに登場。

それにしても、ロバートの愛称がボブというのもよくわからないが、なんでリチャードがディックになるのだろう。全然似ていないではないか。

The Boys: The Sherman Brothers' Story



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9月7日(日)のつぶやき

2014年09月08日 | Weblog