「BUG/バグ」「氷の処刑人」などの主演で知る人ぞ知るといった感じの演技派、マイケル・シャノン主演。奥さん役がジェシカ・チャスティン。
アメリカの田舎町の妻と娘と暮らすブルーカラーの男が、嵐が来る気配をしきりと感じるようになる。黄色い雨が降ったり、青空なのに雷鳴だけ聞こえたり、鳥の群れが不自然に舞っていたりと、異様な出来事が続いて、しかも他の人間にはそれが見えないし聞こえない、となると、幻覚・幻聴ではないかと思えてくる。
実際、母親が統合失調症で入院しているのであって、息子も発症したのかと思わせる一方、精神病患者の妄想をただ再現してみせるのではなく、聖痴愚というのかその妄想の中に何か普通の人間にはまだわからない滅亡のようなものの予感をこめているあたり、タルコフスキーの「ノスタルジア」のドメニコを思わせたりする。
ドメニコは七年にもわたって妻子を幽閉していたわけだが、この映画の主人公もシェルターを新築して妻子を守ろうとする。
娘が聾唖者という設定も、「サクリファイス」の子供が手術を受けた直後で口をきけないのと通底しているように思える。
一方で、生活のはしばしにかかってくる具体的・経済的圧力を細かく描いていて、眠れなくて医者に薬を処方してもらうと2,3日分で60ドル以上とられるし、会社を辞めたら途端に保険が使えなくなるのだから大変で、アメリカの健康保険制度のおかしさも細かく掬い上げている。
シャノンは「レボリューショナリー・ロード」でも何かを見通しているような精神病患者をやっていたり(アカデミー助演賞ノミネート)、「BUG」でも他人に伝染していまうくらい強烈な妄想に憑かれた男をやっていたりと、一種狂的な迫力が持ち味だが、ここでも強い吸引力を発揮し、全体に静かなタッチで進むがまずは飽きさせない。
(☆☆☆★★)
![](https://www.geocities.co.jp/Hollywood-Theater/1109/img3338.gif)
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映画『テイク・シェルター』 - シネマトゥデイ
テイク・シェルター@ぴあ映画生活
アメリカの田舎町の妻と娘と暮らすブルーカラーの男が、嵐が来る気配をしきりと感じるようになる。黄色い雨が降ったり、青空なのに雷鳴だけ聞こえたり、鳥の群れが不自然に舞っていたりと、異様な出来事が続いて、しかも他の人間にはそれが見えないし聞こえない、となると、幻覚・幻聴ではないかと思えてくる。
実際、母親が統合失調症で入院しているのであって、息子も発症したのかと思わせる一方、精神病患者の妄想をただ再現してみせるのではなく、聖痴愚というのかその妄想の中に何か普通の人間にはまだわからない滅亡のようなものの予感をこめているあたり、タルコフスキーの「ノスタルジア」のドメニコを思わせたりする。
ドメニコは七年にもわたって妻子を幽閉していたわけだが、この映画の主人公もシェルターを新築して妻子を守ろうとする。
娘が聾唖者という設定も、「サクリファイス」の子供が手術を受けた直後で口をきけないのと通底しているように思える。
一方で、生活のはしばしにかかってくる具体的・経済的圧力を細かく描いていて、眠れなくて医者に薬を処方してもらうと2,3日分で60ドル以上とられるし、会社を辞めたら途端に保険が使えなくなるのだから大変で、アメリカの健康保険制度のおかしさも細かく掬い上げている。
シャノンは「レボリューショナリー・ロード」でも何かを見通しているような精神病患者をやっていたり(アカデミー助演賞ノミネート)、「BUG」でも他人に伝染していまうくらい強烈な妄想に憑かれた男をやっていたりと、一種狂的な迫力が持ち味だが、ここでも強い吸引力を発揮し、全体に静かなタッチで進むがまずは飽きさせない。
(☆☆☆★★)
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