prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「アニーよ銃をとれ」

2009年03月12日 | 映画
アニーよ銃をとれ 特別版 [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ

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「政治的に正しい」見方っていうのは味気ないものだが、いったん知ると無視するのは難しい。つまり、バッファロー・ビル率いるインディアンを「飼っている」西部劇ショーの射撃の名人の女がヒロイン、というあたりで人種差別・ジェンダー・銃が作った国、といった今ぐらついているアメリカ的価値観のカードが並ぶわけで、いちいちそれに対する反発を頭ではねのけながら見ても楽しくないのだね。(もっとも、ロバート・アルトマンの「ビッグ・アメリカン」みたいに頭から皮肉に描いてもやはり案外面白くならないのだが)。
満員の客席の前で、実弾使った射的撃ちやるのですよ、的に当たったって、その後弾丸がどうなるのか心配になる。

ミュージカルなのだから、いちいち理屈をこねずに素直に見ればいいと思う一方で、歌と踊りの魅力がそれを無視できるほど大きいかというと、考えてみるとドサまわり一座の話ですからね、なんだか泥臭い。昔のミュージカルのヴォードヴィル芸を見ているとそんなことはいちいち感じないのに。
舞台で見れば別かもしれないが(余談ながら、日本では桜田淳子主演の舞台っていうのがあった)、大がかりな割りに芝居の額縁にいつもはまっているみたいで、案外のれない。


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