prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「炎のメモリアル」

2005年06月07日 | 映画
ホアキン・フェニックスが救助中の事故で燃えるビルに孤立する状況から始まり、消防士としての人生がフラッシュバックされていく構成で、これラストから逆算すると人生走馬灯状態になっているのはわかるが、流れで見ていくとラストでなんかスカされたような感じもする。
消防士という人の生き死にに直接関わる職業だと場面場面が全部ドラマチックなので、かえって全体とするとドラマが組みにくい感じ。かといって作り過ぎてよくなるものではないだろうが。

CGに頼らない、役者たちが体を張ったドキュメンタリー調の火災場面は迫力十分。
音楽がアイリッシュ調だなと思っていると、聖パトリック祭が描かれてアイリッシュ色をきっちり出していた。「バックドラフト」もアイリッシュ色を出していたが、あれはシカゴが舞台で、こっちはボルチモア。場所は違っても消防士にはアイリッシュが多いということか。

待機中はバカないたずらばかりしている野郎どもが、出動のベルが鳴るとともに一転するメリハリ。その時タバコを消していくのをきっちり写していたり、現場のビルの階段を登っていくとネズミがぞろぞろ逃げ出してきているといったディテールが面白い。

「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12カ月」でもそうだが、ジャシンダ・バレットはいかにも美人という感じ。
ロバート・パトリックが鬚を生やして「ターミネーター2」の仇役とはまったく違う顔で登場。

エンドタイトルが終わってカーテンが閉まる直前に、この映画は「東京現像所」がプリントしましたと大きく出る。ユニバーサル・スタジオの広告はいやという程見せられたが、これは記憶にある限り初めて。
(☆☆☆★)



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