prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「バタフライ・エフェクト」

2005年06月03日 | 映画
コリン・ウィルソンの「賢者の石」ばりの意識の拡大による時間旅行もので、SF的なガジェットを使った時間旅行と違って多少強引なことをしても許される感じ。

よかれと思って過去をいじると、こっちを立てればあちらが立たずという感じで思わぬところに悪影響が出てしまう。そのモグラ叩きみたいな繰り返しで、主人公の掌に聖痕が現われるあたりからも、逆説的に神ならぬ身の人間には運命を決めることはできない、とでもいった思想がうかがえる。
「デッドコースター」の脚本チームの監督作だというが、あれも人の運命は変えられない話だった。

ほとんど知らない役者ばかりだが、次々と変わる境遇に合わせてメイクを変え扮装を変えて演じ分けるあたり、みな腕をふるっている。一人だけ知っていたエリック・ストルツがまた、なんという役どころ。そういえば、彼は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の主演にキャスティングされて途中で降ろされたのでしたね。
性的暴力を含めて子供(それから動物)に暴力がふるわれる、あるいは子供が暴力をふるうのを描くのはアメリカのメジャー映画ではタブーだったのだが、かなりの程度踏み越えていて、ぎょっとさせられる。
(☆☆☆★)



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