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ロシア子供アンケート結果報告2

2007-09-02 | ヴァルシェブニキ・ドヴァラ
ロシアの底力は、子供のうちから育まれる!
「ロシア子供アンケート」結果報告つづき

●「将来の夢」
アンケート対象の子供たちは、音楽スタジオで歌やダンスのレッスンを受け、たびたびコンサートを開いたり、CDを出したりもしている、いわばタレント予備軍である。なので「将来、何になって何をしたいですか?」と尋ね、〝野望〟を語ってもらおうと思ったのだが、またしても意外な答えが返ってきた!
「歌手・女優・振付師になりたい」といった期待どおりの回答をくれたのは、全13人の半数に満たない6人。「先のことはまだわかりません」と子供らしい率直な答えをくれたのが2人。その他は「カメラマン」「法律家」「大学を出て英語とジャーナリズムにかかわりたい」「当面はダンスのキャリアを積んで、そのあと自分で起業したい(!)」などと実に堅実。さらに極めつけ、スタジオのトップシンガー、ヴラッドくんのお答えに至っては、「いい教育を受けたい」である。さすがオール5の優等生!

●取組み力とプレゼンテーション
アンケートを回収して最初に驚いたのは、きれいな字でしっかり書いてる子が多いこと。当初は、その場でちゃちゃっと書いてくれるもの思っていたのだが、多くの子がアンケート用紙を持ち帰り、自宅で記入してきてくれた。それも、ボールペンで一気に書いているところを見ると、下書きをしてから清書にのぞんだらしい。うち3人は、クリアケースに入れての提出。おそらくいつもそうやって宿題を提出しているんだろう。アンケートといえど、作文の宿題か何かのように真剣に書いてくれたのだ。
これらをロシア人教師に見せたところ、「文字もきれいだし、文法も正しく、文章も素晴らしい!」と大絶賛。やはりこの子たちは、「ふつうのロシアの子供」ではなく「できる子」たちなのか!?

●オールマイティは人の基礎!?
日本ではスポーツや芸術など一芸に秀でていれば、ほかの勉強はできなくても擁護される風潮があるけれど、このロシアの子供たちを見ていると、それは甘やかしなのではないかと思えてしまう。ひとつのことに打ち込める子は、得手不得手はあったとしても、何をやらせてもそれなりにできるのだ。なぜなら、「与えられた課題を与えられた期間内でやり遂げる」という能力が身についているから。努力して課題をクリアしたときの達成感を知っている子は、反復や継続が苦にならないばかりか、対象にくらいつくことを楽しくさえ思う。だから音楽活動も、算数のドリルも、アンケートの回答さえも、同じように楽しみながら真剣に取り組むのだろう。
軍隊式の詰め込み教育でもなく、節穴だらけのゆとり教育でもない。「学ぶ」ことの楽しさを教える教育、ひとわたりの基本を自分のものにするための教育の必要性を、図らずも痛感させられた調査結果でありました。