私たち夫婦は同い年で、今年はそろって還暦です。
妻は7月が誕生日で、私は9月が誕生日。そこで娘と娘の夫である婿さんが、8月に還暦のお祝いをしてくれることになりました。
「お祝いにプレゼントをしたいのですが、何が良いですか?」と訊かれて、まさか赤いちゃんちゃんこもあるまいと、実用的なものでお願いをすることにしました。
妻はレインウェアにしたのです、私の方は「そろそろ歩くときに足もとがおぼつかなくなるので、杖をお願いしようかな」ということで、杖をお願いすることにしました。
杖と言っても、ウェイディングスタッフという、釣りで渓流を歩くときに足元を確認したり体を支えたりするための杖です。
「ではそのスタッフを買いに行きましょう」ということで、良くフライショップのテムズさんへ向かいました。
目的の品を見つけて、それを買った後で店長と四方山話をしているうちに、不思議なロッドを見つけました。
断面が八角形でとても細い三本継のロッドで、ちょっと見ない感じのロッドです。
「これはフライロッドですか?不思議な形状ですね」
「これ、面白いんですよ。東京の指輪を作る会社の方で釣りが大好きな方がいて、その方が金属をコンピューター制御で細かく加工できる機械を導入して、それで金属の板を八角形に貼り合わせて作っているロッドなんです」
「ちなみに売れているんですか?」と意地悪な質問をしてみると、「それが注文してから2か月待ちなんです」
「そ、そんなに?なぜ?」
「実はこれを作る方が釣り好きなために、夏は釣りに出かけていて作るのが遅くなるんだそうです(笑)」
…とそんな話をしていたら、一緒に買い物に来た婿さんが、「その指輪づくりの会社って、もしかして"ソラ(SORA)"さんですか?」と核心を突いた質問をしました。
テムズの店長も「え~、そうなんです。ご存じなんですか?」と言うと、「ロッドの横に置いてあるパンフレットをどこかで見たことがあると思ったら、僕が今指にはめている、妻と二人の結婚指輪を頼んだのが、このソラさんなんです。お話の中で、『色の付けられる指輪』という言葉があって、もしや、と思ったんですが、やっぱりそうでしたか」という驚きの偶然が。
それにしても、指輪加工技術を金属のロッドづくりに生かすとは相当の釣り好きな方ですね。
「つい最近も朱鞠内湖とか道内の湖に行っていらしたみたいで、うちにも寄って行ってくれましたよ」とも。
どこかの釣り場で隣にいるかもしれませんね。
フライショップには、面白い情報が満載です。
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