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駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇星組『スカーレットピンパーネル』

2010年03月15日 | 観劇記/タイトルさ行
 東京宝塚劇場、2008年9月4日ソワレ、9日ソワレ。

 18世紀末のフランス。パリには革命の嵐が吹き荒れていた。革命政府の恐怖政治に反感を抱くイギリス貴族パーシー・ブレイクニー(安蘭けい)は、誰にも正体を知られることなく、無実の罪でギロチンにかけられようという貴族たちを助け出し、フランス国外へ逃がすという大胆な行動を起こしていた。公安委員ショーヴラン(柚希礼音)は、その「スカーレットピンパーネル」と名乗る男の正体を突き止めようと躍起になっていた。一方、コメディ・フランセーズ劇場の花形女優マルグリット・サン・ジュスト(遠野あすか)は、パーシーと結婚してイギリスに旅発つ前の最後の公演を行っていた…原作/バロネス・オルツィ、脚本/ナン・ナイトン、作曲/フランク・ワイルドホーン、潤色・演出/小池修一郎。1997年にブロードウェイで初演されたミュージカルに新曲を追加しての改訂版。

 安蘭けいがどうもぴんとこなくて久しく観ていなかった組でしたが、みんな歌えて驚きました。
 その歌唱力に支えられた歌は、メロディが良く訳詞がよく、すばらしい。
 ストーリーとしても、展開が早く、冒険活劇としてもメロドラマとしても実に良くできていて、近年出色の作品となったのではないでしょうか。この水準のものがオリジナルでなかなか作られるに至らないのが本当に本当に悔しい限りです。

 敵役に萌えのツボがあるのはいつものことで、貧しい育ちから公安委員会のエリートに登りつめ、貴族退治に血道をあげているショーヴランがもうそれはそれは素敵でした。かつては革命の同志として恋人だったこともあるマルグリットに、あっさり「若かったからよ、気の迷いよ、愛したことなんかなかったわ」と言われてしまうのは哀れでしたが…せめて「昔のことよ、すぎたことよ」と認めてやれよマルグリット、と思いましたね私は。
 歌も低い声のセリフもショーのダンスもすばらしかったです。

 マルグリットもマダム然とした美しさと押し出しで好演。

 そして主役は、軽妙な演技もアドリブも効いてなんでもできる好役者だったんですねえ。上背がないことだけが、男役としてはつらいところではありました。

 デュハーストとフォークスにまわった三・四番手の立樹遥と涼紫央は、恋人との歌などのシーンも作ってはもらっていましたが、意外にしどころのないポジションで、今回は損な役回り。
 代わって儲け役だったのがマルグリットの弟アルマンを演じた和涼華で、二番手娘役の夢咲ねね演じるマリーに操縦される勢いの坊ちゃん役でしたが、目立っていましたねー。

 ニ幕もののお芝居だったため最低限のショーがつく形となりましたが、ロケットのお衣装がイギリスっぽくて可愛らしかったです。男役がサーベルを持って踊るナンバーも素敵でした。大満足。

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