駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『不道徳教室』

2013年06月15日 | 観劇記/タイトルは行
 シアタートラム、2013年6月11日ソワレ。

 リラクゼーションルームでマッサージ嬢リカコ(黒川芽以)に問われて、高校の現代国語の教師だと答える山城(大森南朋)は、教え子の須佐あかね(二階堂ふみ)のことを思い出していた…
 作・演出/岩松了。全1幕。川端康成の『みずうみ』にヒントを得て描く禁断のラブストーリー。

 小さな舞台にもかかわらずすばやく転換するセット(舞台美術/伊藤雅子)が鮮やかでした。
 他は…なんとも言えない(^^;)。その『みずうみ』を未読なのですが、若い女をストーキングする老人の話、なのかな? プログラムの高橋源一郎との対談では『ベニスに死す』なんかの話も出ていますし、若く美しい者に惹かれた老人の話から、それを中年男性にして現代日本を舞台にしたところが肝なのでしょう。
 でも、結局どういうこと?という気がしてしまった、よくわからなかったのですよ。舞台の時間が行ったり来たりしているようだけれど、それを正しく捉えられなかったらしい私の方が悪いのかもしれませんが。
 リカコは仮名というか源氏名だそうですが、まさかこれがあかねってことでもないんでしょう?
 だいたい、あかねが山城にあんなふうに応えるなんてありえないとしか思えない…でも別に幻想ってことでもないんだろうし…
 あと、わざとだとは思うのですが、岩松了(俳優としてテレビドラマでは観ていましたが、作品を観るのは初めてかも)の脚本は、日常的な台詞をずっとつなげるもので、それがまた話をとてもわかりづらくしているわけです。
 実際の会話ってああですよ、尻切れトンボだったり話が跳んだりして一直線には進まないし、中身がないことも多い。それでその場の空気感を演出することはもちろんできると思います。でもずーっとそれだとストーリーが見えなくて対屈するし、イライラするし、集中力が続きません。
 結局あかねは、チャコ(趣里。ときどきやっぱりママに似て見えますね!)はどうしたの? 山城は何をしたの? リカコってなんなの? ってのが、私には全然わかりませんでした…
 大森南朋、色っぽかったけれどね。二階堂ふみは初舞台も観ていますが、いい存在感があっていいですけれどね。ただ上背がないのは役柄によっては舞台では不利かもね、今回のような少女役はいいんだろうけれど。
 親友ふたりのバランスを取ろうとする弥生役の大西礼芳もとても達者だと思いました。
 でも不完全燃焼であったよ…
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