駒子の備忘録

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宝塚歌劇宙組『Never Say Goodbye』

2010年01月15日 | 観劇記/タイトルな行
 東京宝塚劇場、2006年6月6日マチネ。

 1936年、ハリウッド。セレブが集まるクラブ「ココナッツ・グルーヴ」で、新作映画『スペインの嵐』の制作発表会が開かれていた。だがパーティーに乱入した原作者のキャサリン・マクレガー(花総まり)は映画化の中止を叫ぶ。大騒ぎとなった会場に突然フラッシュが焚かれる。パリの風俗を撮影した写真集で一世を風靡したカメラマン、ジョルジュ・マルロー(和央ようか)だった…作・演出/小池修一郎、作曲/フランク・ワイルドボーン、全2幕。

 せっかくのタカコ&ハナちゃん退団公演なのに…抽選で5列目センターやや下手よりという席が当たったというのに…宝塚初見の知人を連れていったというのに…芝居一本立てで、ロバート・キャパだのリリアン・ヘルマンだのスペイン内戦だのがモチーフ、と聞いただけで感じた悪感が当たってしまいました。つ、つまらん…
 しかも外国人作曲家なのでいつもより難しい歌が多く、健闘して歌詞は聴き取れた方だったんだけど耳なじみが悪く、どうにも乗りきれなかった気がしました…

 敵役のアギラール(遼河はるひ。すばらしかったのだがしかし、本来は二番手である大和悠河にやらせるべき役ではないのか? というかタニはいつまで今回のヴィンセントみたいな、主人公の親友と言えば聞こえはいいがどうでもいい役をやり続けるつもりなのか? てかこの組の次のトップは誰なんだ???)がキャサリンに執着し出してからちょっと萌えたように、要するに宝塚歌劇に求められているものってロマンス、それもズバリ三角関係のメロドラマだと思うんですよね。
 反戦を主張したいならそれをクリアしてからやってくれ。
 さらに言えば宝塚歌劇の観客であるような女性にとっては反戦というか戦争反対というのは自明のことなので、今さら中学生が書いたような生硬な反戦論をわざわざ展開してくれんでいいぞー。
 ホント、最近の宝塚歌劇団の座付き作者はアタマが悪すぎです。

 戦争の悲劇を描いているつもりでも、実はそういう境遇に立つ自分を想像して酔っているのが見え見えなんですよね。そういうのって女にとって最も愚かな男の部分です。そんなものを男役にやらせんでくれ。ああ、辟易した。

 「ザッツ・ミュージカル」の呼び声も高い和音美桜のラ・パッショナリアの歌声が聴けたことだけが収穫。

 しかしここのトップコンビは本当に久々に「ゴールデンコンビ」の名がふさわしい美男美女でした…幸多かれ。
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