駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

牧阿佐美バレエ団『白鳥の湖』

2009年12月08日 | 観劇記/タイトルは行
 神奈川県民ホール、2003年6月15日マチネ。
 今日はジークフリード王子の21歳の誕生日。友人たちや村の者たちがお祝いに集まっている。祝宴の最中、王子の母である王妃が現れ、王子に花嫁を選ぶ年齢だと告げるが…作曲/P・I・チャイコフスキー、演出・振付/テリー・ウエストモーランド(プティパ/イワノフ版による)、管弦楽/ロイヤルメトロポリタン管弦楽団。オデット・オディール/上野水香、ジークフリード/森田健太郎。
 ミナトヨコハマで優雅なフレンチランチのあと、クラシックな全幕ものを観るという、極上の休日を久々にすごしてしまいました。
 いやあ、上野水香、すげえ! あらら、言葉が下品で申し訳ない。しかし率直な感想なのです。
 初めて生で観ましたが、なんなんだあの手足の長さ! 特に脛! あのしなり方!! そして甲!!!
 槙村さとるの漫画だったか、バレエを始めようとするまだ幼いヒロインを見たバレエ教師が「gifted legs!」と思わず言うシーンを思い出しました。まさにそれですよ~。いやもちろん、天性のものに加えて日々の努力や訓練があるのはもちろんなのですが。
 モダンな持ち味の人なのかと思っていたので、黒鳥の方がはまるのかなと思っていましたが、本人は白鳥の方がやり易いとコメントしていて、私も2幕のアダージョが実は一番好きでした。硬質で清潔で繊細で、ものすごく細くてはかなげで、とにかくとにかく美しい…
 王子と離れて白鳥たちの間に立ったときには意外と強くきっぱりして見えて、およよ、と思いました。黒鳥も明るくノリ良くよかったですが、妖艶さとか油っ気といったものはなかったですね。でも、そういう作りなんでしょうし、いいと思います。見せ場の32回転もやや早終いに見えましたが、安心して楽しく観られたし。
 王子もよかった。「まっすぐ育てられたいいお坊ちゃん」という感じで。こちらも憂鬱な色気とかはなかったかもしれないけれど、プリマの雰囲気とよくつりあっていたと思います。
 しかしいつも思うのだけれど、3幕目から4幕目はノンストップでいくわけにはいかないのでしょうか。1・2幕のいい感じからするとぶつ切れに感じてしまうんですよね。4幕は単独だと短いし。姫君たちと白鳥の総入れ替えだから大変なのはわかるのですが…しくしく。いつも不満。演出によっては構成がちがうものもあるのかな?
 見苦しかったのが大きい白鳥とスペインの踊りを踊ったふたりが、まったく合わせる気がない感じだったこと。ふたりとも独自の癖というかスタイルがある感じで…ううむ、もうちょっとだけ寄り添ってくれたらなあ。好きな踊りだけに残念でした。あ、あとナポリの踊りがチャーミングでよかったです。
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