駒子の備忘録

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トラファン東宝千秋楽雑感

2010年08月11日 | 日記
 宝塚歌劇宙組『TRAFALGAR/ファンキー・サンシャイン』
 東京宝塚劇場、2010年7月9日ソワレ(初日)、19日ソワレ、21日マチネ、27日ソワレ、28日マチネ、8月1日ソワレ、3日ソワレ、8日ソワレ(千秋楽)。


 作品としての感想は、大劇場版と変わらず…

 で、先日、東宝でも無事千秋楽を迎えました。

 なんだかんだつっこみつつも好きで通ってしまった公演なので、幕が下りるのはさびしいものです。
 もう二度と、生では再現されることはないのだから…
 映像に残ったとしても、それはすべてではないから…
 だから、目に、心に、焼き付けるしかない。そういう記憶もまた長い年月の間には変化してしまう…
 はかない。だからこそ美しく、尊い。
 舞台ファンとは因果なものですね。
 DVDはこれから観ますが、今から観ると、大劇場公演前半の演技なんてあっさりして見えるかもなあ…


 さて、大劇場との演出変更点は以下のとおり。

 まず、大使館パーティーのあとの銀橋で、カロリーナ妃と侍女の登場が上手からになりました。
 これは特に意味のない変更に感じましたが…

 一部で異様に盛り上がったのは(^^;)、リュシアンとオーレリーに接点ができた点。
 ナポレオンがジュゼッピーナにロンドンでのスパイ活動を命じ、合わせてオーレリーを呼び寄せる際に、リュシアンがオーレリーに何事かを耳打ちする芝居が加わりました。
 このシーンは舞台写真にも残り、セレクトはちーちゃんだったそうですが(^^;)、飛ぶように売れて売り切れの事態を何度か引き起こしていましたね。
 実は私は東宝初日には見落としていました…だって下手ソデ近くで一瞬行われてるだけなんだもん~…

 ぐっとドラマチックになったのは、ホレイショがジョサイアをかばって右腕を負傷するシーン。切りつけた兵士と三人してセリ下がりになりました。
 合わせて、ナポレオンとリュシアンたちの会話のくだりが上手花道に変更。
 「ウイ」が客席に近くなりました(^^)。

 それからホレイショ落命シーン。
 ホレイショの帽子が落ちて、それをジョサイアが拾って、最後は胸に抱きしめて泣く…という演出になりました。
 私はハーディーの腕の中で息絶えるホレイショの写真を眺めすぎていたので、帽子はかぶったままだったはずと覚えていて、撃たれたときに帽子を落としたのには「アクシデント!?」とハッとしたものでした。
 しかしそんな素敵な演出変更に結実しようとは…ジョサイアがまた泣かせました。

 そして最後に、ホレイショがホレイシアやエマと幻想の中で再会するラストシーン。ホレイショの腕は両方ともあります(^^)。
 そうだよね、幻想なんだから、なんだってアリなんだから、五体満足な姿の方がいいよね。
 大空氏も単純にその方が動きやすいので、いい変更だったとお茶会で言っていました。
「良くするために変更するんですけれどね」
 とも。

 …それで言うと、『ファンキー・サンシャイン』で東宝後半から、太陽の戦士の場面でまゆたんがユウヒを背中に乗っける振りと、三組デュエダンでトップコンビ以外のリフトがなくなったのは、怪我とまではいかないまでも、次のコンサートのお稽古を始めたまゆたんの体を気遣ってのものだと思われ…
 もともと私はリフト至上主義ではないので、トップコンビのみ千秋楽までリフトは続けていましたが、セットでなくしてしまってもよかったんじゃないかと思っているくらいです。
 大劇場千秋楽のアドリブであった、アリスのお姫様抱っこも東宝千秋楽では見送りでしたしね…
 大事ないといいのですが。

 千秋楽アドリブは、大使館パーティーのシーンで、いつもはナポリ王子を泣かせてしまっているハーディーが、もうひとりの王子と三人そろってお遊戯ダンス…みたいなことになっていました。
 客席ではけっこうクスクス笑いがわいていて、中央のお芝居がしづらかったのではないかしらん…
 それからパレルモで、キャドガン夫人のカードの相手をする若いツバメが増員されました(^^)。
 ホレイショの死後、ファニーのひっこみには万雷の拍手。卒業を惜しんでのものでしたね。

 ショーの方のアドリブはもっとたくさんあって…
 プロローグ、まゆたんが登場して投げキスしたのをくらっちがジャンピング・キャッチ!とか。
 YUZOのラブレターは大劇場千秋楽よりさらに大きくなっていて、ルイ王のすっしーさんも扱いかねていたり。YURIKOに着けられたウェディングベールはあゆみ姉さんの手作りだったとか。
 ひまわりバカップルの暴走には磨きがかかって、大空氏はスミカのおでこをつつき返すし、
「捕まえた!」「ハイ。幸せ!」「離さないよっ!」
 なんてもう、もう、もう…! 観ていてにまにましっぱなしでした。トップコンビかくあるべし!!
 中詰め、みーちーは背中に隠し持っていた「8」の字のプレートをアリスに渡して、「88」になるようにしていました。アリスは泣き顔になっちゃって、最後のフレーズが歌えていませんでしたね。
 その前にはまゆたんがくらっちに熱烈キスをしていたそうですが、私は見逃しました…
 プラズマダンサーでは各ソロに、ソデからまゆたんが
「ともえ!」「えつ!」「WE LOVE くらっち!!」
 の声。大好きだったくらっちのグランジュテも見納めかと思うと泣けました。

 ご挨拶は四人とも本当に立派で、大空氏も珍しく噛みもせず、すばらしかったです。
 カーテンコールではスタンディング・オベーションでした。

 出も参加したのですが、運良く楽屋口正面に陣取れまして、各生徒さんに拍手が送れてとてもよかったです。
 映画館の客が奇異な目で見たり、冷笑したりしている気もしましたが…いいの、私たちはあなたたちの知らない感動を知っているのよ!ってなものです。
 てかきりりと緑の袴を着て、お花持って歩いていく姿は、宝塚ファンでない人が見ても胸打たれると思うのよね…
 私服陣も(^^;)りくくん&愛くんとか「若手コンビ誕生!?」みたいな感じで初々しくてさわやかでよかったし、すっしーさんはホントにいつもダンディだし、ちーちゃんはホントに少年のようだし、みーちゃんはしっかりしていて大ちゃんはキザで(^^;)、ともちんはいいヒトっぽくてまさこさまはゆったり気品にあふれていて。
 あとせーこがすっごいニコニコでテレテレで可愛かった!
 ひまわり色というかひよこ色というかなすとんとしたワンピース姿のスミカも激可愛かった!!
 そしてゆひとむセットで出てこられた日には…入りはボーッとしていたのに、ナニそのニコニコ顔! 朝はサングラスだったのが黒縁メガネに変わるサービスもなんなの! うれしいじゃないの!ってなもんでメロメロでした。

 総じて、お芝居の方はやはり四角関係メロドラマ部分をもっとどうにかしないとやっぱりすっきり観られないと思うし、ショーの楽しかったけれど個人的好みでいえばカッコイイ系の方が好きなので、また次に期待…というところでしょうか。
 『誰がために鐘は鳴る』の制作発表もされたようで、ポスターがとても素敵。
 ロバートは金髪でいくのね、ってもうれしいし、少年のようなベリーショートのスミカが可愛い。マリアはキスの仕方も知らないような、体は成長していても(だってアレだもんねえ)まだまだ子供のようなところのある女性の役なので、スミカにはいいんじゃないかなあ。
 もちろん彼女が演技派なのは知っているし、だからこそ再演とはいえ次の小夏も問題ないと思っているし、イルザとかも素敵だったと思っているのだけれど、でもまずいろいろな役をやらせてあげたいし、絶世の美女、大人の女ってばっかりでもねえ…と思うのですよ。あとは変に子供っぽくし過ぎないよう、がんばってほしいです。
 大空氏のダンディぶりについては問題あるまい…男臭くもしてくるかな。楽しみ、楽しみ。

 ファンって結局甘いよね…と言われても仕方がない、ぐだぐだした感想ですみません…
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