駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

ふらり、ひっそり、ひとり。旅 その10/石川県

2024年02月24日 | 日記
 元日の能登半島地震に関し、何かできることはないかな、と思って金沢に出かけてきました。このあたりは地震の被害がほぼなく、けれど観光客が減っていて大変、と聞いていたので。破格の不支持率を誇る今の政府がやろうとしている旅行支援みたいなのはすぐにでも止めて、すべて直接、被災地支援に回してくれ、と思っています。私みたいなのは勝手にさっと出かけてお金落としてさっと去るんですから…個人的に寄付みたいなものになんとはなしに抵抗があり、私ができることといったらまず自分が楽しむことなのでした。すみません…が、せめて復興のお邪魔にならないようお伺いできれば…と、出かけてきたのでした。
 例によって会社の福利厚生システムみたいなものでおひとりさまプランがあるお宿をテキトーに選んだら、辰口温泉なるところでした。金沢には何度も行ったことがありますが、こちらは初めて。なので楽しみに、いそいそと出かけてきました。

 日曜日、上野駅から北陸新幹線「かがやき」に乗車。朝ごはん代わりに博多座土産のクロッカンなど囓りつつ、2時間半ほどで金沢駅に到着。乗車率は、私のいた車輌は半分くらい? そしてその半分くらいが外国人旅行客グループでした。彼らは地震がどうとかは関係なく、どこにでも行ってくれるのかしらん…
 金沢駅ではコインロッカー三箇所にフラれて、四箇所目にやっと空きを見つけました。まあ改札に近いところから埋まるよね…しかしごく一部しかICカード対応がされていなくて、それこそ外国人観光客にも優しくないのでは、とムムムとなりました。
 ともあれまずはランチだ、と駅ビルの回転寿司へ。とはいえ感染対策かいたずら対策か、タッチパネル注文で個別に提供されるようになっていて、レーンは回っていませんでした。ちょうどお昼時でしたが、十分ほど待ってカウンターに座れました。
 季節3種盛り、富山湾3種、金沢3種などいろいろパクパクいただき、加賀のお酒も一合瓶をぺろり。意外とお高くて豪遊してしまいましたが、百円のシメサバが一番好みでした(笑)。光りものが好きなんです…!
 満腹満足して、東口のバスターミナルへ。経路によるのか、またもICカード非対応のバスでムムム…三十分ほどで終点の石川県立図書館へ。てか途中眺められた建物がみんな四角くてモダンなガラス張りデザインのものが多くて、みんな21世紀美術館みたいなんだな…?と思いました(まあ21世紀美術館は四角くないけど)。図書館の向かいの大学もそんな感じでしたね。
 さて、石川県立図書館は、それはそれは素敵でした。あの円形のすり鉢状になった書架の写真を見たことがある方も多いでしょう。それを実際に見たくて行ったわけですが、まず車寄せとか駐車場とかが広々としていて気持ち良く、四角い敷地に丸い建物が立っているので四隅が空くわけですがそこはそれぞれ公園になっているようで、ベンチも多く居心地が良さそう。周りをぐるりと散策してから中に入りました。
 建物の中は写真で見ていたとおりでしたが、フロアとしては3階建てになっているようで、円形なのでぐるぐる歩き回れますし、真ん中を渡り廊下がつないでいて、半2階、半3階もありました。映えるけど図書館として使いにくくないのかな、とか勝手に心配していたのですが、床が円形だろうと長方形だろうと、分類された本が順に並んでいることには違いなく、問題なさそうでした。
 そして本当にあちこちに椅子、ソファ、テーブル、デスクがあり、ちょっと奥まったブースや小さな会議室みたいなものも多く、どこででもくつろぎながら本が読める、調べものが出来る、勉強やミーティングが出来る感じでした。実際、日曜なのにたくさんの学生さんが勉強していました。これはお気に入りの場所を作って籠もりたくなるよね…!とときめきました。
 ガラス窓も大きく、明るくて日差しがよく入っているのですが、本が焼けちゃうこともないよう工夫されているようでした。本当に気持ちのいい図書館でした。
 私も学校の図書室や学童保育で通っていた児童会館の図書室かもの足りなくなると、市の図書館に通うようになり、中一で引っ越すまで本当にお世話になったものでしたが、その図書館を思い出しました。こんなに素敵なところでは全然なく、古めかしいフツーの図書館でしたが、要するに「図書館」としての機能は同じで、本の愛好家にはたまらない場所だということです。ここで働いている人、ここで本を借りている人、楽しいだろうなあ…てかそもそもここの設計、楽しかったろうなあぁ…
 併設のカフェで自家製プリンなどいただいて、バスで金沢駅まで戻りました。コインロッカーからキャリーバッグを出して、北陸本線でちょいと移動して、お宿の最寄り駅へ。ひとり相手でもきちんと送迎してくれました、ありがたや。
 三十分ほど送迎バスに揺られて、お宿に到着。車寄せからお宿のエントランスまで、大きな池に渡された橋を渡っていく、とても素敵なお宿でした。てか棋聖戦とかをやるようなところだったようです…あわわわわ。確かに代金がちょっとお高いな、とは思っていたんですよね。でも食事がいいのかな、とか思っていたのですが…公式サイトも確認しましたが、こーいうのってよくわからないから…
 担当の仲居さんがついてくれたりして、厚遇っぷりにおたおたしつつもの慣れたふうを装って、お部屋に案内していただきました。前室のついた十二畳ほどの和室で、もうお布団が敷かれていて、大きなテーブルと椅子も出ていて部屋食も万全という感じ。なんとお部屋のお風呂も温泉で、広縁と並んでお庭の池が眺められる窓側にあって、循環加熱ですが檜風呂で24時間入れるということで、私はもう小躍りしてしまいました。
 お茶と羊羹をいただきつつ宿帳に記入などして、早速屋上露天風呂へ…伊香保に続いてまたも貸切状態でした。17時を回ってもまだまだ空は明るく、風は適度に冷たく、いやぁ極楽でした…!
 浸かるだけ浸かって部屋に戻り、夜ごはん。仲居さんがタイミングを見て甲斐甲斐しく給仕してくださり、満足、満腹。
『光る君へ』をリアタイしてわーきゃーし、腹ごなしに今度は大浴場へ。こちらにはおひとり先客がいました。が、こちらにもあるはずの露天風呂は今は中止なのかお湯が抜かれていたので、再び屋上露天風呂へ。やはり貸切状態で、月と星を眺めながらまたまたぐうたら浸かりまくりました。
 部屋に戻って、部屋のお風呂で洗髪し、せっかくなので檜風呂にも浸かって、タオルドライなどしつつ『アストリッドとラファエル』をリアタイして、持ち込んだ缶サワー呑んで、歯磨きして寝ました。布団の下のベッドマットみたいなのがとても良くて、腰が痛くならない寝具でした。

 翌朝は7時過ぎに起きて朝風呂へ。屋上露天風呂は男女が入れ替わって昨日とは違うところでしたが、またまた貸切状態…みんなどこで何をしているの? 空はやや雲っていましたが、気持ち良く浸かりまくりました。
 朝ごはんは8時から。温泉旅館って朝ごはんも豪華なので、朝もお品書きが欲しいくらいですよね…柔らかめに炊かれたご飯が美味でした。『ブギウギ』リアタイ。
 のんびり食休み、のち身支度と荷造りして、10時チェックアウト。カップル二組と男性客ひとりとともに送迎バスで最寄り駅まで運んでいただき、再び金沢駅へ移動しました。
 今日はICカード対応のコインロッカーに入れられました…! そしてバスもICカード対応のものに乗りました。周遊バスは運転手不足で左回りが運休中で、右回りのみとのこと。とりあえずバス停五つほど乗って、ひがし茶屋町へ。芋洗いでもなく閑散としていることもなく、適度な人出でよかったです。いつもはもっともみくちゃなのかなあ…? 可愛らしい小間物屋さんや小洒落たカフェなどたくさんあり、ゆっくり見られてとてもよかったです。昼酒になかなか心そそられましたが、全然お腹が空いていないので、なるべくたくさん歩き回って消化しよう、と裏道もけっこうぐるぐる歩きまくりました。
 そのあとはまたバスで金沢城公園か兼六園にも行こうかな、と思っていたのですが、地図を見るとバス停三つほどみたいだし歩くか、とスタスタ出ました。地図があればどこへでも歩いて行く女Sなのです…お城の石垣など眺めつつガシガシ歩き、しかしどうも道を間違えたか公園入り口みたいなものに出会わなかったので、まあ以前も行ったことがあるはずだしいいか、とそのままスルーして、しいのき迎賓館を眺めて、21世紀美術館へ行きました。
 ここは地震の被害があって一部閉館しているようでしたし、何より今日は休館日だったんですけれど、無料ゾーンには入れました。トイレを借りて、以前来たときもぼーっとしたダレルの部屋でひと息ついて、庭をぐるっと歩いて、見つけたカレー屋さんで豆カレーと赤ワインのランチにしました。
 その後、また周遊バスを待つのもかったるかったのでショートカットして香林坊まで歩き、路線バスで金沢駅へ戻りました。お宿の仲居さんが薦めてくれたホテル日航金沢のティールームに行ってカクテルなぞいただき、ベーカリーでパンなど買い込んで、再び駅に戻ってキャリーを出したら、帰りの新幹線の時間でした。
 新幹線内では爆睡…都内はどんより曇って路面も濡れていましたが、私が家の最寄り駅を出たときには雨が降っておらず、金沢駅のトイレで捨てられているのを見つけて拾ってきたビニール傘が無駄になりました(笑)。ともあれ帰宅して荷解きして、石川県の旅というにはあまりにピンポイントな旅行でしたが、無事終了。ホテルの売店で見つけた九谷焼の『ブラック・ジャック』の絵皿が自分土産となりました。うっとり…

 県知事は大阪万博の方を向いていたり、どうもしょーもないことにしかなっていなくて、復興も遅々として進んでいないようですが、ホテルで見たNHKの番組は未だL字で地震情報が出ていて、まだまだ元どおりの生活になっていないところがたくさんあるのだ、と思い知らされました。この棄民っぷりは本当に異常だし、阪神・淡路からも東日本震災からも何も学んでいなくて、対策が全然進んでいないことに絶望すら感じます。せめて自分の備えはきちんとして、人に頼らずなんとかできるようにしようとは思いますが、ホント国って政府ってなんのためにあるの…?と悲しくなることしきりです。
 被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興をお祈りしています。そして選挙に行こう、みんな。納税義務を果たしていないような奴らにこれ以上ピンハネされたくないよ、きちんと納めた私たちの税金は正しく使われてほしいよ…今の政府には任せておけません。自分たちの暮らしを、未来を守るために、みんなちょっとでいいからよく考えてみてください。
 私は怖い。このままでは本当に駄目です。
 私がこんなのんきな旅行を続けていけるためにも、どこかで今の政府に引導を渡さなくては…沈む船からは逃げ出したい気満々だけれど、これは私たちの船なのです。追い出すべきは国会で寝てばかりいる脱税議員たちの方でしょう。
 はー、ホント確定申告したくない…でも取られすぎているものは返してもらわなきゃならないから、やります。私には還付金をもらう権利があるのです、裏金を還付金と呼んでいるおっさんたちとは違って…
 プンスコしながら、来月も出かけたいと思っています。

〈旅のお小遣い帳〉
宿泊費(一泊二食) 39,600円
新幹線(えきねっと) 25,140円
クリームパン 238円
バス代(4回分) 940円
コインロッカー代(2回分) 800円
ランチのお寿司代 4,510円
プリン 480円
部屋飲み用缶サワーその他コンビニ買い物 1,277円
入湯税 150円
北陸本線乗車賃(往復) 400円
夕食の冷酒(黒帯悠々デカンタ) 2,200円
自分土産(九谷焼絵皿、金箔珈琲、金箔梅昆布茶) 3,595円
豆カレー&グラス赤ワイン 1,750円
カクテル&ペイストリー 1,620円



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