デラシネの貴公子シグモンドと、実験心理学者ベネディクトとの長き因縁…謎が美しく織りなす精微な迷宮、欧州浪漫ミステリ。第2回アガサ・クリスティー賞受賞作。
広義のミステリーではあると思いますし、もちろんエンターテインメント作品でしたが、奇想小説というか幻想小説、というくくりの方がジャンルとしてはわかりやすいかな?
でもクライマックスは冒険小説のようでもある、なんとも言いがたい作品でした。
おもしろかったけれど、読みにくくは感じましたし、問題がないとも言いきれないとも思いました。地の文で「シグ」と表現したりするのは私は嫌だなー。わざとなのだろうと思うけれど、ときどき変に現代的というか下世話な表現があるのも美しくなくて嫌。
でも、それを補ってあまりある魅力があるとも感じました。
個人的に一番いいなと思ったのは、それが読みづらさの一番の要因でもあるのだけれど、結果的に誰が主人公とも言いきれない感じ、誰が視点人物だとも言えず誰が一番正常でスタンダードだとも言えず読者が感情移入しやすいキャラクターがいないところ、かな。その突き放し方、とりとめのなさこそこの作品の真骨頂かなと思えたので。
著者は日本SF新人賞も受賞しているようなので、そういうセンス・オブ・ワンダーが個性の作家さんなのかな。他の作品も出会えたら読んでみたいと思います。
広義のミステリーではあると思いますし、もちろんエンターテインメント作品でしたが、奇想小説というか幻想小説、というくくりの方がジャンルとしてはわかりやすいかな?
でもクライマックスは冒険小説のようでもある、なんとも言いがたい作品でした。
おもしろかったけれど、読みにくくは感じましたし、問題がないとも言いきれないとも思いました。地の文で「シグ」と表現したりするのは私は嫌だなー。わざとなのだろうと思うけれど、ときどき変に現代的というか下世話な表現があるのも美しくなくて嫌。
でも、それを補ってあまりある魅力があるとも感じました。
個人的に一番いいなと思ったのは、それが読みづらさの一番の要因でもあるのだけれど、結果的に誰が主人公とも言いきれない感じ、誰が視点人物だとも言えず誰が一番正常でスタンダードだとも言えず読者が感情移入しやすいキャラクターがいないところ、かな。その突き放し方、とりとめのなさこそこの作品の真骨頂かなと思えたので。
著者は日本SF新人賞も受賞しているようなので、そういうセンス・オブ・ワンダーが個性の作家さんなのかな。他の作品も出会えたら読んでみたいと思います。
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