Side Steps' Today

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『一本の鉛筆』

2021年08月06日 | CD批評
今日は8月6日。この曲を初めて聴いたのは地下鉄の乗車中。ちょうど電車が永田町に着いた時、その地下鉄ホームの情景が曲とともに強く記憶に残る。当方の場合、特に音楽は聴いたその場の情景と強く結びついて、いつも記憶に定着している。永田町はかつて陸軍参謀本部があった場所。大量の聴かなければならない音源が詰まったいつものiPodを消化試合のように会社帰りに聴いていたが、そこにハッとする曲が…。それは『Kimiko sings HIBARI ~ 伊藤君子、美空ひばりを歌う』に収録されている『一本の鉛筆』。ピアノと歌唱のみだが、ピアノは小曽根真ではなく宮本貴奈。あまり歌詞を聴かず、意味も詮索せず、歌詞を反芻することのない当方にも歌詞中の「戦争」や「8月6日の朝」でヒロシマの原爆投下を歌ったものと一聴でわかるが、美空ひばりが1974年の広島平和音楽祭で歌った曲とは知らず、帰宅後に検索して初めて判明(アルバムタイトルみれば判ろうものだが、いつもそんな程度に大量に音楽を聴いているのでスミマセン)。松山善三・作詞、佐藤勝・作曲というのも衝撃だったが、美空ひばりのオリジナルを聞いてみればアレンジがヤケクソに明るいのがなんともメタファーなのだが、この伊藤君子の作品のアレンジと静けさの方が素晴らしい。ちなみに、永田町の駅でこの曲に衝撃を受け、慌ててiPodで曲名と歌手を確認しようとジャケットを見るに、「ん?小室哲也?」(女声ボーカルなのに!)と頭が大混乱(小室哲哉も金髪か白髪にしていた記憶があり、失礼)。「子供が欲しい」のは、夫たる人を亡くしたからか、それとも被爆により産めない体になったからか、聴く度に考える。
※ちなみに、「小室哲哉は先輩でしょ?」と良く言われるがTKは「実業」であり、正確な意味での先輩ではありません。
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