Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

玉肌日記

2016年10月29日 | 玉肌日記
【然別峡かんの温泉(北海道河東郡鹿追町)】
前回訪問時直後に廃業したと聞いたが、地元有志の高い志のもと、復興復活したと聞いて早速に再訪。然別峡へ行く道の果てにある駐車場と温泉施設を見た瞬間に当時の記憶が甦るも、手前に以前あったボロボロの浴場はその雰囲気を遺したまま綺麗にリニューアルされている。途中に前回にはなかった日帰り温泉用の受付や施設が新設されていたが、奥にある旅館も雰囲気は充分に遺る。早速に入浴するが、驚愕なのはその浴室の洞窟風の雰囲気。斜面に沿った構造のため、洞窟を降りていく格好になるが、その左右に浴槽がいくつもあり、それぞれ湯の色が違う。泉質自体はどれもナトリウムー塩化物・炭酸水素塩温泉で、当然ながら源泉掛け流し、加温や加水も無し。日替わりで男女のサイドが交替するが、訪問時は男性が湯処ウヌカル(5湯)、女性がイナンクル(5湯)サイドであり、男性のウヌカル=サイドの果てには、前回当方が扉をブチ破った浴室と湯船(波切の湯)がほぼそのまま遺されており、非常なる感慨に浸りながら温泉にも浸るが、ここはやや熱め。当然ながら全ての浴槽(5湯)に浸るも、一番気に入ったのは浴室上部の窓側にあるウヌカルアンノーの湯。湯の色が青色がかっており非常に綺麗なだけでなく、湯温は温めで充分に堪能できる。やはりすばらしい湯は不変で、この湯を復興させた経緯は休憩所にある冊子や写真で非常に明解に残されており、ここでも感服。廃業後も廃屋の中で湧き出る湯に浸かるために、多くの人がお忍びで来ていたというのも納得の湯。旅館サイドもリニューアルをして営業を再開しており、今後は宿泊にて堪能する機会を狙う。

フォアグラ日記

2016年10月22日 | フォアグラ日記
スープカレー屋 鴻(オオドリー)
神保町カレー屋巡り「その3」。神田の駿河台下のデルタ地帯は有名カレー店が軒を連ねる格好となり、カレー激戦区と云われる当地でも特にカレー店が集中する場所ながらも、今回はスープカレー。スープカレーなるものがこの世に登場し、認知され始めたのはここ10年程度ではないかと想像するも、印象として、スープカレーでは具が中途半端では許されないという不文律がある様子。低流動性のルーであるならば、具がなくともそれが溶解しているのだと理解してもらえるが、スープカレーではそれを求めるのはなかなかに困難であり、具無しではスープカレーではなく、カレースープとなる為、語順により、商品説明力に疑義を生ずることにもなるが、結果、具を気張る格好となる。こちらも同様にて、意外に細かく内容指定できるようになっており、食べ安さのみを考慮して骨無しチキンをオーダー。BGMは懐メロ系なのだが、今回は小坂明子「あなた」(唄い手がオジリナルかは判定し難し)。どこかで聴いた曲と思っていたが、サビのトリプレット(6/8拍子)となるお約束の展開(歌詞は”真っ赤なバラと白いパンジー、子犬の横にはあなた、あなた、あなたが居て欲しい”)でハッと気がつくも、なんだか日本風味のあるこのカレーに妙にマッチしていて印象深し。

玉肌日記

2016年10月15日 | 玉肌日記
【芽登温泉(その2)(北海道足寄郡足寄町)】
夢にまで見た外観を充分に堪能した後、早速チェックイン。失礼な話ではあるが、当初に宿泊予約を入れた後に届いたメールには「芽登温泉ホテル」なる表記があり、その「ホテル」という語感が、従来勝手に抱いていた鄙びイメージとあまりにかけ離れたものだったことから、隣の違うホテルを予約してしまったか?(でも一軒宿の筈だが…)と混乱したが、訪問してみれば、従来イメージ通りであり、館内も同様。まさにここがそれなのであった。やはり当方の宿願同様の趣向の人は多い模様で、相応の日帰り客、果ては外国人までロビーに居たのはやや驚愕だったが、部屋数は10室程度と小規模。建物にはかなり年季が入っているが、大浴場は最近整備されたばかりのよう(後に話を聞けば”かんの温泉”新浴室を設計した方と同一とのこと)で、内湯浴槽はかなり新築の様子でピカピカ。外に露天風呂があるも内湯は2槽に分かれており、54℃の源泉温度を加水せずに44℃と42°Cに熱交換器で低下させて供給しており、42°Cの浴槽は丁度良い温度。訪問は決して寒い季節ではなかったが、露天風呂はその規模が大きいこともあって、39℃程度でかなり温めでこれなら長時間の入浴ができるというもの。泉質は昭和33年作成の手書きの温泉成分表によれば硫黄泉ながらも、直近の成分表ではアルカリ性単純温泉となっており、pHは9.16とかなり高めではあるが、湯にヌルすべ感はなし。無色透明だが、僅かに硫黄臭も感じられ、非常にプレーンなる温泉。湧出量は毎分230リットルと非常に豊富で当然ながら源泉かけ流し。リニューアルされた浴室内には当時の温泉場の写真が掲示されているが、昭和初期や大正期のものもあり、こんな人里離れた辺鄙なる場所柄ながらも、湯治客で相応に盛況だったことがわかる。湯を舐めてみればアルカリ泉独特の甘露味あり、飲用不可とのことながらも、ゴクゴクと飲みたいが、浴後は意外にも発汗効果あり、汗が止まらず、さらに結構なるポカポカとした保温効果。今度はもっと肌寒い時期に数日間連泊で訪問すべしと密かに期す。

玉肌日記

2016年10月08日 | 玉肌日記
【芽登温泉(北海道足寄郡足寄町)】
芽登と書いて「めとう」と読むが、帯広の北、足寄町の山奥にある。そもそも芽登を知ったのは雑誌だったと思うが、非常にインパクトがあったのがその鄙びた外観(写真)。赤い屋根と白い建物というツートンながら、赤い屋根は積雪防止のためであろう、急傾斜になっており、そこに”オラ!これでもか!”とばかりに「芽登温泉」と白ペンキで書かれているのが、これがまさに今っぽくなく好感で、なぜかここには良い温泉が湧き出ているに違いないと強い確信を得た。その雑誌の情報によれば、それは山中の一軒宿で無色透明の硫黄泉が湧出しており、川と雪を見ながら鄙び感に浸りまくれるとの内容で、次に北海道に行く時は是非、と思ってすでにかれこれ数年が経過し、ついに今回念願叶って訪問へ。東京から北海道への訪問に1泊のみというのは非効率であり、日中の観光を含めれば、どうしても訪問エリアというのは限定されてしまい、それが観光地以外の北海道の寂れ具合となり、それが一層のネガティブ・フィードバック・ループを生むことで地域間格差が拡大すると見られるが、今回はたまたまに釧路訪問の機会があり、そのついでにこちらに一泊。それでも釧路から爆走して2時間は所要する。数年来の宿願にて訪問前に期待感は一層高まるが、さらにそれを高めるのは道程。周囲には牧草地や原野しかなく、人気(ひとけ)はなし。地図によればこの先60キロ程度はガソリンスタンドは無く、給油さえままならない環境にシビレる。また(これは珍しくはないが)鹿の飛び出し注意の看板も多く、想像や妄想により勝手に期待感が高まる。さらに街道から温泉に向けて入るとそこはダート!!数キロほどだが、砂塵を巻き上げて走行するも対向車はほとんどなく、秘境感はクライマックス、やっと到着したのがここ、芽登温泉なのであった。(つづく)

フォアグラ日記

2016年10月01日 | フォアグラ日記
インドカレーカーマ
神保町カレー屋巡り「その2」。この店、以前に訪問した記憶が非常に微かながら存在するものの、実際に食したかと云えば、閉店していたのか、満席だったかで記憶が曖昧にて、再度訪問。うまいこと開店時間を見計らって訪問するに、早々から相応な混雑ぶりでなかなかに人気高し。しかし、当方を含め、集ってくるのはカレー好きな奇異なメンツのみ。メニューにはチキンとキーマという記載があるも、キーマは15分所要するとのことで敬遠する客も多い様子で、ほとんどがチキンへと誘導される仕組み。もちろん当方はキーマの15分所要に全く迷う必要もなく、当初からチキン一本槍だったが、カレーは非常に流動性高く、敢てそのように謳っているわけではないが、スープカレー状態にて、「カレーは飲み物」(by ウガンダ=トラ)を想起させる内容。当然ライスと一緒に食するのだが、ライスは全く咀嚼されることなく、そのままカレーとともに呑み込んだ方が心地よいという、まさにドリンク状態。ドライな味で辛さもなかなかではあるが、チキンやポテトは別途味付け処理されている様子で、カレー海でのハワイ的存在となっており、これまた美味。そしてここでも奇異ナル面子と邂逅、それは店員に「ご飯は三分の一で...」とお願いしているのだが、1/3という量がこれまた微妙であることに加え、すでに上述のような飲み物状態であり、ここからさらにライスを減量することで飲み物化をさらに一層進展させようというリクエストに脱帽。この方が完食するまでの顛末を見届けることができなったが、どのように完食したのだろうか。他では激辛をオーダーする客もあったが、これだけ既成商品にオーダーを加える業態はカレー業界を置いて他にはないだろうと思料。食後には手に猛烈なるカレーの残り香。