Side Steps' Today

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玉肌日記

2011年08月28日 | 玉肌日記
越後長野温泉(新潟県三条市)
2011年は前年年末からの稀に見る大雪で雪国の方は大変であろうと想像されるも、雪とはほぼ無縁の東京在住としては雪を見ながらの温泉、いわゆる雪見風呂が憧れで、そのために厳冬の豪雪地帯、新潟の温泉を訪問。場所は燕三条から車で30分ほど内陸に入った地。市街地燕三条付近では意外なほどに積雪がなく、道路なぞはノーマルタイヤでも十分なほどであるも、山岳地帯に入るとかなりの積雪量。道路脇に除けられている積雪は1メートル程度はあるか。そのような中目指す温泉宿は完全に積雪に埋もれており、白一色しかない世界ながら、温泉は健在。しかし当地は冷鉱泉であり、それを湧かしているようで、露天なぞは湧かす側(そば)から冷めていくという何だか徒労感ある状態ながら、温泉の雰囲気はなかなかよし。その徒労感を経済的に防止すべく、露天風呂には入浴しないときには銀色の保温シートがかけられており、それを外して入るというスタイルが何だか侘しく、さらには裸体での作業は強烈に寒いものの、省エネ的にはやむを得ずか。温泉はナトリウム-塩化物冷鉱泉でかなりの塩分濃度。完全に海水の域だが、やや茶色くも見える湯は古代に地層に封入された海水な模様で、そう思えば何だか磯の香りも。塩水なので保温効果は抜群で異様なる浴後の保温効果と睡魔。舞い降るボタ雪と山々の木々を見ながら、やや温めの湯に入って暫し現世を忘る。

フォアグラ日記

2011年08月25日 | フォアグラ日記
スヰートポーヅ(餃子/神保町)
念願の餃子専門店の同店をついに訪問。存在は以前から知るも日曜が定休ということからなかなか都合が合わず、さらに、昔にはよく出没した楽器屋街たるお茶の水にも、その楽器屋街たる機能が低下し、都内各所に分散するようになってからは訪問する動機を失していたのだが、今回は付近でのイベントに合わせて訪問。開店と同時の11時半に到着するも、4人席卓が8つ程度しかない店内は古本屋街巡りとおぼしき客にて半分は埋まっており、直に満席となるという盛況具合。メニューは潔くも餃子しかなく、定食形式等もあるも、基本は餃子のみ。定食に加えて水餃子をオーダーするが、水餃子は皮が分厚く、非常に美味。酢醤油はあらかじめ小皿に入れて供されるが、珍しいのはラー油ではなく、一味唐辛子を必要に応じて振れとのこと。確かにラー油でなくとも十分に目的は達成しうるうえに若干ではあるがヘルシーか。餃子定食には焼き餃子がついてくるが、当初見た目ではなかなか小振りなサイズにて余裕か、と思うもなかなかな分量。珍しいのは皮による包み方であって、通常であればビッチリと包んであろうものだが、こちらは誤解を恐れずにいえば春巻きタイプのように巻いて一点留めのようになっており、家庭で餃子を制作した身としてはかなり省力的な包み方であって、これで焼き上げ時に崩壊しないのであるから、なかなかに合理的。奥では姜尚中似の店員が餃子を焼く姿が見えるも、大薬缶を振り上げて水を差しながらダイナミックに作業中。店員も十分に気が利いており、なかなかの良店でリピーター客が多いのも頷ける内容。

玉肌日記

2011年08月22日 | 玉肌日記
【柴原温泉(埼玉県秩父市)】
埼玉県は秩父にある温泉。正確には冷鉱泉なのだが、秩父には秩父七湯というのがあり(というとマニアは踏破しなくてはいけなくなるのが性...)、その一つ。秩父中心街から大滝方面に140号線を20分程度行ってから小鹿野方面に入った山中にあるも、車の往来の激しい140号線からちょっと入った山中とは思えない静けさ。柴原温泉は江戸時代から栄えた温泉街ということながら、2軒程度の宿しかなく、至近にはあるものの、山中の一軒家ほどの静寂。温泉とは言っても単純硫黄冷鉱泉であり、循環式の沸かし湯。源泉温度をみれば10度程度とのことでそれでは加温をしなくては入浴は無理だが、塩素消毒臭等もなし。無色透明で循環により減じているながらも、微妙なる湯の華と微かなる硫黄臭はあるが、ほぼ単純温泉的なレベルか。phは8程度でややアルカリ性ながらもヌメリ等の典型的なアルカリ症状はなし。循環であるので湯温は適当なレベルになっているが、通常の鉱泉と云えば燃料費高騰の折、24時間いつでも入浴できるとは限らないのが通常ながら、こちらは24時間入浴可能。温泉についてはやや鉱泉ということで実運用ベースでは新鮮味に不利ながらも、静寂なる環境、都内からのアクセス、そして食事という観点からはなかなかの高評価。特に食事については、地元の料理と思しき創作系であり、信州のような地の独特な食材を使用しているという訳では決してないのだが、味や組み合わせに一工夫以上がなされており、なかなかに刮目。

玉肌日記

2011年08月18日 | 玉肌日記
【法師温泉(群馬県利根郡みなかみ町)】
フルムーン(国鉄時代で1980年程度か)で超有名なる同温泉。前回訪問時は立寄のみであったことから、今回は腰を据えて入浴ということで宿泊で訪問。というのも、女性はこちらの「混浴」露天風呂に入るにはかなりの抵抗感があると思われ、宿泊時のみにある「女性専用時間」で堪能しようという具合なのだが、宿泊してみれば、特に朝夕等は意外に混浴で入浴している夫婦と思しき方々多く、微笑まし。湯殿の照明がかなり控えめなのが宜しいのか、確かに水中に没しているご老人等がいてもしばらく発見できないであろう程度な暗さ。足下湧出であり、湯口はあるものの投入量も適度であって、特に深夜は静かなる環境での入浴で素晴らしい。温泉温度は比較的温めな部類であり、長湯が可能。昔スタイルの脱衣所併設スタイルということもあり、湯船から出て寛げるスペースは充分で、川音を聴きながらの入浴は夜であればなお一層風情あり。盛夏に訪問したが、山奥という環境もあり、朝夕は涼しく、さらに湯上がりに当たる風は心地よし。同温泉は設備も充分であるが、食事に難ありとの評を見聞きすること多かったが、それは実際には真実。料理人の舌感度によるものなのだろうが、複数いる料理人のうちの”ある料理人”が担当した皿なのだろう。特定の皿の味付けがかなり抜けており、”なにを主張したいのか全く分からない味”となっている。評判見聞はこれを不味と言っているものと容易は想像つくが、音域で云えば最も美味しい中域がすべて抜けてしまっているような不思議なバランスであり、過去の居酒屋で経験したソースをかけないで持って来てしまったサラダのような味(その後店長が慌てて振りかけていたが...)。確かにこれほど良い温泉を有している宿は超人気となること必定であり、それをセーブするために”わざと食事の質を落としている”としか(あまりにプラス思考的ではあるが)思えないほどの内容だが、これが変われば確かに予約の取れない超人気宿化か?

玉肌日記

2011年08月14日 | 玉肌日記
【小赤沢温泉(長野県下水内郡栄村)】
裏苗場にある温泉で、こちらも切明温泉のある405号線にあるも、切明が秘境的なシチュエーション系とすればこちらの小赤沢温泉は泉質系。というのも、切明が無色透明であるのに対して、こちらは自称「赤い温泉」と言われるように、赤褐色。この系統の温泉としては、奈良の入之波温泉が有名だが、まさに「東の入之波」とも言うべき内容。析出物だけでなく、その塩分も相当なもので、まるで味噌汁に入っているかのようだが、当然ながら味噌味がするわけではなく、「味噌汁-味噌」という感じか。自然湧出なのか、たまに湧出口にあるポリパイプからたまにボコボコと湯が注入される具合。表面には塩分なのか油分なのか一見油膜のように見える物質。浴後は濃塩分温泉にある強烈なる保温感とともに、これまた強烈なる鉄分臭。さらには使用したタオルもこれまた赤褐色となり、匂い噴出。ここで温泉マニアを発見!この付近の温泉をつぶしているとのことで、湯口や析出物等を念入りにデジカメで撮影。スキューバ用の防水袋にカメラを入れる等かなりの筋金入りであり、悠々自適な引退生活の年代と見たが、当方の将来の姿?か。

フォアグラ日記

2011年08月12日 | フォアグラ日記
大江戸(うなぎ/日本橋)
日本橋にある老舗鰻店、大江戸を訪問。そもそもは某ガイドブックの推奨によるものだったが、日本橋の百貨店街からは離れるものの、この日本橋なる町は当方が駆け出しの暗黒(?)時代を過ごしたところであるだけに非常に感慨深く、またそもそも町自体も趣きがあり、大人の落ち着きに満ちたところであり、懐古に散策しながら昼どきに訪問。もう付近から鰻の匂いが感じられるほどながら、かなり立派なる門を入ると正面に料亭、横には食事処とあり、当然後者へ。入ればまさに「鰻の寝床」と形容するのが相応しい奥に縦長な店舗ながらその横は調理場であり、その雑踏から隔絶するためか、暖簾をおろせば半個室になる座席はなんだか妙な感覚ながら、プライベート感あってそれは良し。老舗と思うとなんだか料金も気になるが、土曜は鰻を筏(いかだ)状に開いた、その名も「筏(いかだ)」が奉仕日ということでこれをオーダーするも3000円弱と良心的。それほど待たずに注文の品が運ばれてくるも、鰻がお重に入りきらず、尾が折れて収納されているのがご愛嬌。早速食するにさっぱりとしたタレでクドくなし。ご飯とのバランスもよろしく、美味。やや鰻だけで堪能した後に備え付けの山椒をかけて食するにかなりパンチの効いた山椒で、非常なるビリビリ感。中華料理の花椒に似たパンチ具合だが、癖になって大量散布ながらも鰻の味は死せず。短時間で完食。十分な満足感で再び日本橋を散策するも、山椒のせいなのか、鰻のせいなのか、強烈なる喉の渇きを覚えて往生。

玉肌日記

2011年08月07日 | 玉肌日記
【切明温泉(長野県下水内郡栄村)】
新潟県津南町から国道405号線を南に車で40分程度行った秘境「秋山郷」の一番奥にある温泉。ここから先は林道で志賀高原に抜けられるようだが、途中までは新潟県、南下したその先端は長野県というなんとも地理感覚が狂う場所にある。この国道405号線上にはこの切明温泉を始めとするいくつかの温泉が点在しているが、そもそも国道とは言え、この405号線はすれ違い不可能な箇所多く、一部ダートもあり、曲りくねった道を車で行くのだが、中越地震の被災地だったこともあり、インフラがまだ脆弱なる印象。切明温泉付近は河原を掘れば温泉が湧き出てくるという天然露天風呂もあるようだが、スコップにて炎天下で掘削作業をする気は毛頭なく、内湯温泉。露天風呂もあるというが、秘境の割には商売的で、内湯だけの入浴とプラス露天では料金が違うという。さらに露天への通路には大きな蜂の巣があるとのことで、遠回りして向かってくれとのことなので、もともと内湯志向な当方はこれ幸いと内湯のみ、を選択。泉質はカルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉で無色透明ながらも微かに白濁気味であり、小さな木屑のような湯の華が舞っている。源泉は54.7度ながら湯は非常に適温であり、やや温めな41℃程度。

フォアグラ日記

2011年08月03日 | フォアグラ日記
うな鐵(うなぎ/渋谷)
井の頭線ガード下にある渋谷駅付近にある鰻料理専門店。とはいっても良く通る場所ながら、その名を全く意識しなかったのはその店舗がビル一階にあるにも関わらず奥まった位置にあるから。これはあまりにも目立たないだろうと思って入店しようとするも、いきなり顔面パンチを食らってKOされそうになるのが店頭に掲げられた看板「精力絶倫」。間違った店に来ちゃった?と一瞬思うも、クラブ(語尾上がらず)系テナントが多く入居する雑居ビル一階にある同店は「精力絶倫」看板以外は普通の居酒屋風であり、意を決して入店するも、中も完全なる居酒屋(笑。奥では同店スタイルである”鰻の串焼き(しかしホルモン含む)”をモクモクと焼く雰囲気あり、奥まった囲炉裏風座席に座るも、精力絶倫を求めているのであろうか、周囲は意外なカップルの多さ。夜の時間帯に訪問ということもあり、如何にもな店に十八女(”さかり”と読む)のついた人々、そうでない単なるパワーダウン回復目的のオッサン(含む当方)等人々が混在しながら、鰻の様々な部位の串焼きを食す。単品でもオーダーできるが、一通りトライにはセットメニューがあり、品切れ分はその分を価格から割り引くというシステムで格安。鰻の頭とかホルモン系等の串焼きが出てくるが、基本的には味は鰻タレベースなので全く問題なし、美味。当然、鰻丼にも使用できる部位も出てくるが、やや固めか、とも思うが、あまりにフワフワで柔らかさのみを追求する関東風鰻には一言家な当方としては逆に野趣溢るる美味といった趣向で価格相応以上のバリュー感。オジさんには是非!の名店。