Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

散財日記

2009年02月27日 | CD批評
「Jazz Supreme: Fender Rhodes Prayer」
楽器系コンピ。プレイヤーには圧倒的に好まれるものと思料するが、これはフェンダー=ローズを使用した曲を集めたコンピ。確かにここまでサウンド的に特徴のあるキーボードも希有だが、持ち運びのできるピアノの代替だったとは言え、その結果としてのこのサウンド(その意味ではヤマハのCPも一部ではそうかも)は、完全なる独自の世界を構築し、大概のシンセにはこのシミュレーションがデフォルトでプリセットされていると思われる。音楽を聴く人でこのサウンドを聴いたことのない人はいないだろうというほどにポピュラー(逆にこれはローズだと思って聴く人の方が圧倒的に少ないのだろうが...)。ソフトな曲は勿論のこと、ハードな曲にも、さらに歪ませて使っても(これは原始には偶然の産物=たまたま入力レベル過大で歪んでしまったものの、そのまま弾いているうちに"なかなかイケてるね..."となったものと想像)、トレモロで揺らしまくっても、かなり過激なセッティングでもすべて使用に足るサウンドになるように思われ、結果として非常に多彩なサウンド(本来、多彩である筈はないのだが)になっているように思われる。若輩者だった当方は10代~20代にはこのサウンドの良さ、この楽器の銘機さ具合の認識が著しく欠如しており、貸スタジオ等にこれがあると=冴えないスタジオという印象が非常にあったのだが、今をもってひどく反省。ローズのあるスタジオは当時としては"ひどくイケていた"のではないかと自らの知見のなさに猛省。本欄でも紹介したINO Hidefumiの「Spartacus」が収録されているのもやや眼を引く。

散財日記

2009年02月23日 | CD批評
ハジメ=ヨシザワ「Inncont Nocturne」
完全なジャケ買いなJAZZトリオ。ジャケは典型的なる、直観的には外国人向けお土産のようなチープな印象さえ与える内容ながら、セピアなトーンがまさに中身のCDにも。サウンドはややソフトフォーカス的な柔らかさがあるが、レコーディングは2008年2月のもので全曲本人のオリジナル。曲はかなり分かりやすいキャッチーな内容だが、ベースのデイブ=カーペンターの遺作(ジャケ裏には"May Mr.Dave Carpenter's soul rest in peace"とある)であると聴けば、なんだかセンチな気分でこのCDを聴くこともでき、それにもフィットする"確かに静かな秀作"と思料。レコーディングであまりにもやる気がなくて矢野顕子に恫喝されたという都市伝説?のような話のあるアースキン(ピーター=アースキン)が叩いているが、ここでは、決してやる気を喪失していないように聴こえるが、ちょっとやる気のないダルなサウンドの方が逆にフィットするかも。なかにはなかなかハードな曲もあるのだが、冷静さを欠かず、感心。寡聞ながら初めて名を聞くが、本当に自分の寡聞さを思い知る。日本人独特な、かなりキッチリした演奏ながら、ソフトなトーンや曲とのバランスが素晴らしく、つい、家で寛ぎたい「休息モードな時」には多聴。

散財日記

2009年02月18日 | CD批評
Alphonse Mouzon「VIRTUE」
初代ウェザー(もしくはウェリポ、WR、所謂ウェザーリポート)のドラマー、アルフォンソ=ムザーンのソロ。なんだか急にバカ曲、つまり、意味があろうとなかろうと、ただ只管(ひたすら=只管、この道元禅師の只管打坐から由来の言葉ながら、その「正法眼蔵」的な深遠さもバカ曲からは聴き取れるような気もしてくる、と言っては言い過ぎか)、手数や音数が多く、プレイヤー的に「ゲフ、もうお腹いっぱい....」という音を聴きたくなる時が、この齢になっても時々訪れるのだが、そんな時にご推奨な一枚。RTFのようなUREIコンプかけまくりのようなサウンドではないが、それでもロールタムのような軽いタムを回しまくり、スネアは常に16分音符のロールで埋まる、親の仇のようにシンバルは叩きまくり、さらにはドラムにもモジュレーション系エフェクト、ともなれば、もうすぐに血糖値が上昇し、満腹感となること必至。全般的には、当然ドラムが超前面に出ているのだが、曲としてはなんだか「虚無感のないソフトマシーン」。個人的には趣向であり、よくライブ中には"踏んで"しまうものの、「ベースにフェイザーかけてソロ」というのがここまでへッドフォンで聴くとエグいものとは思わず、第三者的に改めて聴いてみるとこれまでライブについて、やや反省(まあ、レゾナンス設定によるのだが)。人生、常に反省。

散財日記

2009年02月12日 | CD批評
Seamus Blake Quartet「Live in Italy」
タワレコで毎度のようにCDを物色中にNow Playingで聴こえてきたその曲は、アコースティックなカルテットのサウンドだったのだか、演奏している曲が、昔に聴いたことのある筈のそれと非常なる違和感があり。しかし原曲の良さが充分に活きており、CDを物色しながらも完全に耳はそちらに奪われていたという状況ながらも、そのCDを手に取って裏に記載されているクレジットから「その原曲が誰の曲か分からない」という苦悶、残尿感から逃れようとするも、曲名を見ても分からず、身悶えしそうになるが、老齢となって記憶の引き出しからのフィード能力も著しく衰え出している脳から出てきた答えは、「ジョンスコ」(そういえば、以前、BoAかMer...今となっては買収されてしまってどっちでも良いが、のアナリストでまさに同姓同名なジョン=スコフィールドというのを発見して大いに笑えたが)。しかも、比較的アコースティックなジョンスコでなく、デニ=チェン等とのファンキーなエレクトリック-ジョンスコが演奏していた曲(結局、曲名をみても分からなかったものの、"Dance Me Home"...ジョンスコの名盤"Loud Jazz"に入っている)と判明し、「そりゃ違和感もあるわ」と思い、実質はこの曲聴きたさのみで購入を決意するも、聴き込むだになかなか良い内容。CD屋さんで聴いていただけでは判じなかったが、ディレイやワウ等のエフェクトやEWIも駆使するような演奏で、今は亡きマイケル=ブレッカー系統か。全般的には演奏も曲も佳し。

フォアグラ日記

2009年02月10日 | フォアグラ日記
瀬川(まぐろ丼/東京築地)
3年間で7万キロ弱走行と酷使したせいか、信号待ちで水温計が急上昇→走行すると再び適正値まで低下という、「常に走っていないとオーバーヒート」というこれまた強迫走行トラブルに見舞われた愛車を修理に勝鬨(かちどき)の工場に持っていき、修理完了の同車をピックアップする前に築地で朝食を、と思って、予め目星を付けていた同店へ。さっそく地図のイメージの場所に向かうも、店らしきものなく、よく見るだに看板を発見し近寄るとそこはなんと半露天。いわゆるカウンター7席のみ、建坪としては四畳程度のお店で寒風吹き荒む中、着席。非常に市場感充分で、まるで市場での労働者な雰囲気がこれまた食欲を盛り上げるも、当然半露天なので非常に寒く、空腹を満たすべくオーダーをしようとするが、メニューは悩むほどもない3種類のみ。まぐろ丼、さらにその大盛り、そしてトロ等で構成されていると思しき限定丼の3種類だが、朝食ということもあり、ノーマルなまぐろ丼をオーダー。カウンター内では会計+給茶のお兄とまぐろ丼担当のオバさんのセットながら、なかなか大胆かつ繊細なテクニックによる給茶があり、それによって暖をとるも、出てきたマグロ丼はマグロが冷たいながらも、温かいすし飯とは非常なるマッチングで、全体が温かければそれはそれでマズかろうと容易に想像される内容。マグロは赤身だが、赤身の酸味とすし飯の酸味のマッチングもよろしく、使用されているワサビも本ワサビなる模様で、適当なる薬味も相俟って一気に食せる。非常に美味でこれまでマグロの赤身がここまで美味しいとは思わなかったが、赤身にはズケが最適と思料。1分程度で完食するが、朝食としてはこの程度が最適か。後日、急にこの味を思い出して食したくなり、また再訪を期す。

散財日記

2009年02月06日 | CD批評
Joshua Redman 「Compass」
ジョシュア=レッドマン(Sax)の新譜。これまたスピリッチュアルな内容で、バンド編成もアコースティックベース(これをアコベと呼ぶ風潮があるが、これは好ましくない)が2、ドラムも2、さらに本人(Sax;テナーとソプラノ)の5人編成と、これまた非常に変態的。ステレオ的には、LとRにそれぞれベースとドラムが音像配置されていることから、決して喧しくはないのだが、ピアノレスな中、屋外でヘッドフォン等で聴くにベースの低音域中心に聴こえなくなるのに対して、演奏はSaxとドラムだけになるも、演奏ではしっかりとしたコード感が伝わってくるのがよろしい。ベートーヴェンの「月光」とか演奏していて、ちょっとこの辺がミーハー?感はあるものの、全般的にブリブリ吹いているわけではなく、すべてにおいてスピリッチュアルで、静かなプレイ。一部には完全にフリー的な演奏もあって、この作品のジャケと音とのフィッティングもよし。(この添付映像では完全には見えないと思われるが)最初にジャケを見た時に瞑目している本人映像が??だったものの、この演奏内容ではこのジャケがマッチか。レコーディングのサウンドもよく、静かだが、各アコースティックな楽器が立体感のあるエッジの立った音で、かなりなリアリティ。ピアノレスで間にピアノがピチャピチャ弾かない分、空間の活かし方がよく、駅まで出勤のための徒歩途上、静かな街並と雰囲気があってグー。当人の作ではライブ盤ながらも、ビレッジ=ヴァンガードでのライブCDがベストと思っていたが、方向性の(一時的?)変化こそあれ、これもなかなかな内容と思料。いつもながらにフラジオのコントロールは絶品。

散財日記

2009年02月04日 | CD批評
Jan Hammer Trio 「Maliny Maliny」
あのヤン=ハマーの1968年の作品。どうしてもディメオラ=バンドのそれがイメージされてしまうのだが、これはトリオの演奏、しかもハマー自身もピアノとオルガンしか弾いていないという内容で非常なる違和感。ややファンクっぽい曲はあるものの、所謂4ビートのJazzで、あのギターをシミュレーションしたグリグリとしたシンセでの演奏とは全くの別人で、ちょっとはそれを期待して購入した身としてはかなりな意外感。バックもベースはアコースティックであるし、電気感も皆無。しかしルーツ的にはこんな感じだったのだろうな、という印象。敢えて言えば、ジャケでの「立派な"もみあげ"」が今の姿を彷彿させる程度か。しかし、このCDレーベル、日本語のオビがついているのだが、これがまた粗悪で、ヤン=ハマーが「ヤソ=ハマー」となっており、失笑。恐らく中国か台湾等での適当印刷なのだろうが、すぐに"耶蘇ハマー"という当て字が思い浮かぶも、"耶蘇ハマー"じゃあねぇ...(まあ本当にキリスト教徒である可能性はある)。余談ながらCD盤も面白く、まさに復古盤出あることからCD盤全体がレコードを意識した黒色なのだが、レーベル面が黒色であるのは良くあるパターンながらも、このCDはデータ面も黒色であり、とても異様。データ面が黒色だと単なる1枚の黒色円形プラ板でCDには見えないのだが、データ面が黒色であることは音質的には影響ないのだろうか。しかし、プレイヤーにいれて再生し、音が出た時はやや感激も。と、いろいろ考えて聴いていると、これってヤン=ハマーではなくて、本当に「ヤソ=ハマー」なのでは??と思えてきて、頭の中が混乱させられる(英語はヤンだけど)。

ライブのお知らせ

2009年02月02日 | SideSteps
皆様、厳寒の候、いかがお過ごしでしょうか。
遂に、Side Stepsの本年第一弾のライブ日程が確定しましたので、お知らせします。
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2009年5月30日(土曜日)
吉祥寺シルバーエレファント  OPEN 18:00 START 18:30
前¥2000 当¥2500  チケット予約開始 3月30日 15:00~
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4ヶ月後とはいえ、なかなかに焦ります(笑が、皆様のご来場をお待ちしております。