Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

フォアグラ日記

2019年09月28日 | フォアグラ日記
ポンガラカレー (カレー/大阪梅田)
スパイスカレーとして急激に注目度アップの大阪カレーだが、こちらにかぎらずもう一つの特徴は複数種類のカレーが配される「あいがけ」というシステム。いろいろな味を楽しみたいという欲張りな内容と思いきや、楽しむのはいろいろな味ではなく、それが混じり合った「カオス」。ついてはお行儀とか言っている場合でなく、 皿に盛られた複数のカレーをぐちゃぐちゃと混ぜ合わせるのが流儀の模様。幼き頃から、カレーとご飯は混ぜ合わせるべからず、食べる分だけ都度混ぜ合わせるべし、という作法を植え付けられた身としては、混ぜ合わせることになんとも抵抗感が拭えないがそれは単種カレーとご飯の場合のみであって、複数カレーとご飯との場合は親の仇がごとくに掻き混ぜて可、しかも抵抗感なし、というのはどういう具合なのか。「スリランカ」という、皿にダイレクトにカレーが盛られたタイプが好みであり、混ぜ合わせることを前提としている潔さもあって爽快感もあいまって美味。

白山地下伏流水 白山比咩神社境内(石川県白山市)

2019年09月21日 | 玉肌日記

白山信仰、そして白山自体を御神体とする白山比咩(しらやまひめ)神社境内にある湯。この神社、白山を御神体としているものの、その白山自体はここからさらに50キロ程度奥に入り込まなければならないが、その途上にも未踏の魅惑的な温泉地が点在している。こちらは金沢市内まで車で30分程度なので周囲は宅地化が進んでいるが、白山比咩神社の表参道の雰囲気は森林に囲まれて静謐で雰囲気もよし。第六感で得るのはその雰囲気、空気感のシャープさであり、普段は信心など全く存在しない穢れた自らでさえも、その場に立たされるとなんだか少しは浄化されたような気分にもなろうものです。その神社の境内に立地するのがこちらだが、湯自体は地下伏流水を加熱したものなので厳密な意味では温泉ではないものの、神社境内にあるという立地のためか、その御神水からなる湯はなんだか心理的に非常にありがたく、かつ、いろいろな意味で効きそうな湯というイメージそのままで、まさに温泉のプラジーボ効果抜群。湯屋も清潔に保たれているのは神社と同様で、相応に手が掛かっていると思われるが、これも有難い雰囲気の一助となっている。翻って汚穢な身辺を省みるに、普段の掃除も禊(みぞぎ)なのだと改めて感じ入る(泣。


フォアグラ日記

2019年09月14日 | フォアグラ日記
自由軒 (カレー/大阪なんば)
見た目のインパクトから一度は食す価値あり、と訪問。難波に本店があるが、そこは周囲とは明らかに異質なレトロな雰囲気。その独特の見た目からドライカレー志向の内容を想像していたが、それに反して「ウェットなカレーまぶしご飯」という様相でご飯粒の一粒一粒にカレーがフル・コーティング。味はオーソドックスかつトラッドながら、こちらではこれにソースをかけて食べるのが推奨されており、目前にソース瓶が置かれているのだが、当方にはこのままで充分なる濃さであってどうしてもソースをかけるには至らず。これにさらにソースをかけるというのは味の変化こそあれど、さらに味が一層濃くなること必至で、恐るべし大阪の味の濃さ。また、この濃さを中和させるべくの役割としての生タマゴなのだろうが、これをさらに濃い方向に中和させるべく更にソースをかけるというのはコレ如何に。完食後、同じく千日前にあるレトロな喫茶店にて、これまたトラッドなミックスジュースを飲んでやっとのこと濃いカレーが中和さる。

ボイラー沸かし湯 民宿ふらっと(石川県鳳珠郡能登町)

2019年09月07日 | 玉肌日記

再訪。意外にも訪問頻度の多い能登半島、十数年前に訪問した民宿が今は代替わりをしてイタリア料理を出す宿になっていると聞いて早速訪問。能登半島自体に(特に自噴系)温泉は少ないが、もともと山と海の食材に恵まれた土地柄もあって食が充実しているだけでなく、いしり(イカ内蔵ベースの魚醤)等独自の食文化が残っている。ちなみに「いしり」はイカ内蔵を原料として富山湾内でつくられ、一方の「いしる」は鯖や鰯が原料で日本海側(輪島等)と言葉の活用が違うとのこと(をイタリア系オーストラリア人シェフに教えてもらう…)。前回はこちらで「いしり」体験をし、輪島で「いしる」を購入してよく料理に使用していたが、結果別物だったということか。「いしり」の方が匂いが強烈でワイルドな風味で旨味も強い。肝心のお風呂だが、前回訪問時に手作りと聞いた露天風呂は未だ健在で様子は前回と不変(前回カランやシャワーはおそらく無かったと記憶)。湯はボイラーの沸かし湯で温泉自体の効能は全くないが、富山湾を見ながらの入浴という自体で効能がありそう。訪問時は季節外れの猛暑だったが、日当たりは酷くとも日陰では風が吹けば涼しいぐらいで湯に浸かったのちは畳でゴロリと至極最上の気分。当初書いたように意外に訪問頻度の多い能登半島だが、毎回必ず天候に恵まれず雨というのが定番で、ある時は半島周遊道路が通行止めだったり、違う時には航空機がタッチアンドゴー(着陸やり直し)したりと豪雨の印象が強いのだが、今回は輝く能登を満喫。