Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

玉肌日記

2018年03月31日 | 玉肌日記
【姥子温泉(神奈川県足柄下郡箱根町)】
霊気漂うと噂の温泉へ。非常に年季のいった宿泊営業終了の宿を改装し、今は日帰り(正解には”通い湯治”)温泉施設としているが、4時間まで個室、浴衣とタオル付きにてその間にひたすら入浴とゴロ寝をするという素晴らしい営業スタイル。さらに調子よろしいのは夕刻までこちらで湯治した後、付近にあるレストランで食事をして帰京するというものでこれなら宿泊しなくても十分に堪能でき、この付近に宿泊する以上に楽しめるし、所要金額も圧倒的に廉価。なかなかこの手のスタイルの温泉は珍しく多用できないのが難点だが、こちら姥子の湯は当方無神論である故か霊気こそ感じなかったが、湯の新鮮さとキレの良さはなかなか素晴らしい。この廃業旅館と湯を引き継ぐための労苦は雑誌『温泉批評』でも取り上げられていたが、後世に継承すべき内容であることに納得。pH3.3程度の単純泉で、奥の岩盤から直接に自然湧水しているが、その部分への直接入浴は不可であり、目を洗うために湯を汲みあげることのみ可(これは明礬を成分に含むことによる)。自然湧出なので気象条件で湯の温度が変わるが、現在は熱量交換器で調整された湯になっており、適宜のタイミングで湯守の方が湯温計測に来る。浴槽は2槽あるも当方入浴時は右が41度、左が44度程度で皆が温い方に長時間浸かっていた。なお、単純泉とはいうが近くに大涌谷があるためか湯上がり後には仄かな硫黄臭も。

玉肌日記

2018年03月24日 | 玉肌日記
【たんげ温泉(群馬県群馬県吾妻郡中之条町)】
激しいリピートぶりに自ら呆れる他ないが、いろいろな意味でバランスのとれた素晴らしい温泉。温泉の良さはこれまで何度もふれたので繰り返さないが、最近とみに感ずるのは夕食に優る宿は希少であるということ。そもそも、なぜ日本旅館の夕食はあれほどに量が多いのだろうか。過去に最高で9食連泊で旅館食だった経験があるが、途中早くも4泊目で胃がギブアップ。フェリー乗船直前の高松市内で胃腸薬を購入、それを飲みながらその後も旅館食を取り続けたが、それも完全に本末転倒な話ではある…。また、ある時は夕食を全品キレイに食したところ、仲居さんに「キレイに全部食べていただいて...」と完食を驚かれたこともあるが、そのトーンからは「完食は前提でない(=通常は食べ残す)」というニュアンスたっぷり。完食を前提としない量をあえて意識的に提供するのは、これで儲けるか、もしくは純粋に食べきれない量=オモテナシのやや歪んだ表現形態か。さらにはダメ押しで夕食後の「夜食」を供するところもあり、ここまでくると殺意を感ずることも。食べきれない量が廃棄されれば勿体ない話で、それならそのぶん宿泊価格を下げて欲しいとも思うが利益率が高いためか、または満腹量の標準が相当な大食い、もしくは最大量(そうすればコンサバであるから)に設定されているように見え、全くもって不可思議な世界。暴力的な量として個人的にトラウマ化しているのはこちらの温泉だったが、「坊ちゃんカボチャ」なる小規模のかぼちゃを一個食べたあとは本当に満腹で動けず、大阪でいう「食い倒れ」ってこういう状態なのだ…と痛感。しかし本当に動けず、布団に横たわったまま、時間の過ぎ行くままにただ天井を見つめる。

玉肌日記

2018年03月17日 | 玉肌日記
【湯河原温泉(神奈川県足柄下郡湯河原町)】
都会な都府県にある僻地(失礼!)といえば、東京に檜原村や奥多摩、埼玉に秩父が、神奈川には湯河原があるも、前二者と湯河原が違うのはそのアクセスの良さ。湯河原には東海道本線が通じており、近年では上野一東京ライン開通により熱海一宇都宮・高崎といった長距離普通列車があるようだからアクセス至便この上ない。が、そのためなのか、東海道新幹線の随道の合間にチラ見できる範囲の湯河原温泉にはやや魅力逓減のきらいも。湯河原温泉のさらに山側には奥湯河原温泉があるが、こちらの方が圧倒的に雰囲気よろしく、観光地然としていないところに陰翳礼讃の趣あり、マイ・フェイバリットな温泉地の一つである。今回の訪問は”奥”ではなくて普通の湯河原温泉だったのだが、温泉には毎度のごとく露天風呂もあるものの、ビルの屋上に作られたそれはかなりの無理があること否めず。景色にしても海には遠く、山にも遠く、近くの旅館施設が見えるという内容。さらに脱衣場も露天であり冬場では今流行のヒートショック発症に絶好な環境だが、さすが幸か不幸か裏側が救急病院であり、よく考慮されている設計や運営だと感心。温泉は混合泉ながら、なかなか鮮度よくキレも悪くはないが、なぜか気になったのは「害虫駆除」の掲示。露天風呂には虫が湯に入ることも通常当然あるが、一般的なパターンでは捕虫網が置いてあり「虫は捕虫網ですくって逃してあげてください」といった自然との共生感を前面に打ち出した掲示があるのが通常だが、ここ湯河原では害虫スプレー缶とともに、「害虫は徹底的に駆逐すべし」的な人間を頂点としたヒエラルヒーを圧倒的に全面に出して殺生を薦める掲示がなされており、これまた食傷感充分。自然との共生感のない露天風呂というのも自家撞着感は満載であり、なんとも不可解。

フォアグラ日記

2018年03月03日 | フォアグラ日記
喜楽(ラーメン/渋谷区)
渋谷随一のラーメンといえばココ喜楽。個人的には渋谷のラーメンではこの喜楽とチャリーハウスが双璧だったのだが、後者は閉店してしまい、残るは喜楽のみ。かなり久々の訪問だったが、ラーメンへの衝動を抑えきれずに開店30分前に急に思いつき、慌てて道を急ぐも到着は営業開始の5分後。到着してみれば店外へ数人待ちの状態であり、開店早々にして全席満席という賑わい。10分程度列で待つに店内へ案内され、店内でも待つがそこでオーダーを受け、着席とほぼ同時に供されるというスピーディーさで人気店にしてはなかなかのホスピタリティ。あの客さばき専門のお婆ちゃん直伝なのだろうが、聞けばお婆ちゃんはまだご健在とのこと(当方ツレ曰く東横店でよく見かける、と)。周囲のオーダー状況を聞くに、凡そ大半が「もやしそば」を基本とすると思われるが、なかにはそれにワンタンをトッピング的に組み合わせる方も。中にはチャーハンというのもあってかなり意外感(とは言っても過去に食した経験あり)はあるものの、ここ最近の訪問では完全に「もやし」に収斂する。「ここ最近」と書いたが思えば5年前が直近の訪問であるのだが、店内の雰囲気や活況さは全く変わらず、敢えて変わったといえば、店員さんで明らかに外国籍と思しき人がいる程度か。早速食するに、焦がしネギ油系醤油ラーメンの味は不変ながらも、毎回ポイントと思うのはその麺の美味しさ。麺自体の美味しさというよりも、麺それ自体の食感とスープとの相性という具合になるのだろうか。並での良心的な結構な盛りの良さであるが、一気に完食。そこらの新興勢にはない異様なる安定感。