Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

散在日記

2011年09月30日 | CD批評
Lee Ritenour& Gentle Thoughts「Gentle Thoughts Take2」

ややフュージョンなる音楽がやや復調しつつあるような気がする今日この頃、興味深げな一枚をゲット。本盤、ジャケをみれば判るLee Ritenour& Gentle Thoughts「Gentle Thoughts」なのだが、その「Take2」がCD化されたもの。すでにCD化されているのはTake1ながら、本盤は切り貼りなし、ダイレクトカッティング(直接マスター盤に書き込む)=レコーディングにて、レコードでいうA面B面を曲間を含めて一気に演奏して録音するという”無茶”盤で有名だが、そのTake2ともなれば当然演奏やアプローチも違っており、早速購入。こういう制作費をかけずにCDが出来るというのは最近のメディア界をも含めた傾向ながら、停滞経済下ではやむを得ないか(さらにターゲットはそれでも比較的購買力のある35-45歳レンジの青春回帰心理を狙っているので完璧だが...)。そもそもビクター盤なのでK2HDマスタリングのせいか、音良し。あまりパフォーマンスのよくないパーカッションが目立つのが演奏の当人にはイタいであろう程。当然従来のTake1と比較して聴いてしまうのだが、商業上の理由からTake2を支持しなくてはならぬのも判らないではないが、2は演奏面でどうしても劣後。メンバーの出来不出来も明確だが、2で冴えないのは、まずリトナー(苦笑。ソロのアイデアが全般に集中力拡散傾向。また我がアンソニーも演奏にキレなし。また前述のスティーブももう少し頑張りたい。一方、Take1では残念にも冴えなかったハービー=メイスンはこちらの方が圧倒的に良し。1が採用されたのはリトナーのリーダー盤ということで、「ハービーには泣いてもらおう、アンソニーもスティーブも今イチだしね」ということになったのは明らかだが、1、2ともに圧倒的な安定感を見せるのはアーニー=ワッツ。しかし、やり直しの利かないダイレクトカッティングながら、結構リズム的にヘタっている中でのチャレンジングなスリップ系トライはその勇気に賞賛。他メンバーの食らい付きも意外によく、なかばヤケクソ感もあるが、どれも着地は80点以上で合格点。

玉肌日記

2011年09月25日 | 玉肌日記
俵山温泉(山口県長門市)
長門湯本からさらに一山入った古い温泉郷。ここは湯量の関係もあってか、ほぼすべての宿が温泉街の中にある2つの共同湯を使用するため、宿独自の内湯を持たないというスタイル。このせいもあって、小さな古風なる温泉宿が車一台やっと通れる道の両側にあるというまさに湯治場の雰囲気を十分に残している。湯量が豊富で、どの宿も内湯を持つということもなれば、大きな近代的鉄筋旅館宿等の進出もあり、この風情は残っていなかったことと容易に想像。一部には廃業をしている宿も見受けられるが、この温泉以外はなにも無いと言っていい温泉場が現代まで続いているということは相応のニーズがあるということなのだろうが、そのニーズはご老人にあるようで、年配比率が異様に高い。町の共同湯は「町の湯」と「白猿の湯」の2つなのだが、後者は近代的な温浴施設でかなり興ざめなるも、「町の湯」は地元・湯治客を多く集めて活況。その中でも今夜の宿に選択したのはこの俵山温泉で唯一源泉内湯を持つ旅館。これがまた素晴らしいパフォーマンスなのだが、この湯に入れば町の湯さえ必要ないとのことで専らこちらに入浴。源泉温度(37.7℃)が低いことから加温しているようだが、この湯屋の対岸に源泉があるとのことで鮮度は十分。アルカリ性単純硫黄泉。

フォアグラ日記

2011年09月21日 | フォアグラ日記
チョンギワ(青瓦)(韓国料理/赤坂)
冷麺を食しに都内有数のコリアタウン赤坂へ。いつも通勤途上の街ながらあまり縁のなかった同駅に降りるも、かなりディープな雰囲気に圧倒されるも、同店を発見して入店。メニューを一見すると焼肉屋ではなく、韓国宮廷料理系でなんとなく品の良さを感じるも、店員さん等は韓国の方の模様。お目当ては冷麺であって、平壌式の「水冷麺(ムルレンミョン)」をオーダー。他サラダやチヂミもオーダーして待つも、きたのがコレ。液体辛子と酢が併せて用意されるも、これはお好みで入れよとのご指示。水冷麺が配されると、おもむろに店員はハサミを取り出して器に突っ込み、球状になっている麺の固まりに対して十文字に切れ込みをいれるも、切れ具合にかなりのザクザク感があり、バリ堅麺マニアとしては嫌が上にも期待値が上昇するが、この状態で「どうぞ」となる。早速食するに麺はシャープペン(0.5mm)程度の均一な細さであって、かなり微細な麺だが、コシは驚異的で噛み切り難いがなかなかの薄味で美味。スープは澄んだコンソメ様で韓国料理には禁じ手ながら、作法を知らない日本人を演じて器を手にして試飲してみるに、なかなかしっかりした味。かなり冷たいが一部ではまだシャーベット状になっており、凍ったスープを使用して全体を冷却している模様。具はシンプルでスープの味を堪能できるようになっているが、刻んだ白菜にはキムチ味がしみ込んでおり、なかなか考え尽くされたシンプルさ。店主を思しき方もご機嫌よろしく、会計後にはやや韓国的日本語、かつ大声で「美味しかったですかっ!」(アントニオ猪木風)とのご下問あり。確かに美味。

玉肌日記

2011年09月17日 | 玉肌日記
長門湯本温泉(山口県長門市)
長門市から南方の奥座敷的にある温泉街。やや近代的温泉ホテルと昔ながらの温泉街が同居しているような奇妙な状態ながらも、後者は徐々に前者に押されて徐々に廃業の道を歩んでいる模様で、共同湯付近の旅館の多くは廃業しているような状況。その中でひときわ異彩を放つのが、ここの共同湯「恩湯」。奥には礼湯なる共同湯もあり、こちらの方が開祖のようだが、かなり近代的に改装され、味が無くなってしまった礼湯対比で、かなりレトロかついい風情を醸し出しているのが、この恩湯。訪問が夕方であったので、上記看板の電気はまだ投入されていない状態(恩湯の方に「何時になったら電気が点くのか?」と質問をして、不思議がられたが、18時半程度とのこと)だったが、赤く光る上部電光看板とこの建築様式はあまりに雰囲気が有りまくるものの、入浴内容もこれまたすばらしい。浴室もかなり年季が入っており、浴槽の石組みもこれまた年代物だが、入るに地元のご老人なのかかなりな人数。湯は左右に分かれており、それぞれの中央部から湯が投入されているが、かなり温めで39℃程度か(正確には源泉温度39.2℃、使用位置で38.9℃と記述あり)。湯口からは硫黄臭がするもそれ以外は無色透明無臭でアルカリ単純泉でpH9.59にて、ややヌルヌル感あり。その後に礼湯にも入ったが、こちらは加温をしている模様で42℃程度と熱い。地元の方はこちらの礼湯に多く来ている模様だが、こちらは綺麗で洗い場も整備されている。

玉肌日記

2011年09月14日 | 玉肌日記
湯免温泉(山口県長門市)
長門市から萩方面にやや行ったところにある温泉。湯免とかいて「ゆめん」と読むが、もともとは夢(ゆめ)のお告げで発見された(まったくに有り勝ちな展開ながら、弘法大師の夢のお告げで発見)ものが、そのまま湯免という表示になった模様。温泉数軒で構成されている温泉郷ではあるが、立派なる温浴施設の前にある、やや小さめな大衆浴場なる施設に訪問。まずは駐車場にて車を停めようとするも、目の前にいきなり本物の男性の全身裸体が!しかも摺りガラス越しで微妙にモザイクが掛かっているように見えるのがこれまた淫靡(苦笑)なのだが、先方はまったくこちらに丸見えである事実には気がつかず。こちらはこちらでいきなり駐車場にてこの新手のお出迎えに衝撃を受けるも、実は後に判明するに、男性浴室の窓の前が駐車場なのであり、たしかに湯気で濛々としている浴室では窓のひとつでも開けてみたくもなるのだった。早速料金を払って入浴するに、結構なる熱めな温泉でアルカリ性単純泉、いわゆるアル単(pHは9.06)。湯量は豊富なようで、惜しげもなくドバドバと投入。源泉は29.4℃との表示があり、明らかに加温しているが、成分表にはラドンの表示もあり。こちらも放射線系か(そう考えれば山陰中国地方にはかなりの放射線泉があるということになる)。外の看板には「昔からラジウム含有量が通常の4倍」との表示もあり。施設や浴槽はあまりに近代的であってあまり風情はなし。

フォアグラ日記

2011年09月10日 | フォアグラ日記
本田(うなぎ/飯山市)
新潟から赤倉へと向かう道中、昼時を過ぎてまだ街道を走るも、これまで外見から瞬間的判断でスルーしてきた蕎麦屋、飲食店は数多くありながらも、最終的には赤倉でなにか食べれば...と諦めたところで看板によって同店を偶然に発見。偶々右折するタイミングだったことから、同店を探して右折するも、看板から容易に発見。やや昼時を過ぎており、1時半程度ながらも店の前にはかなりの駐車、さらには鰻を焼く香り。「うなぎ専門店」という一徹感があるのが評価のポイントながら、早速入店するも、意外に店内は空いており、丁度ランチの客が出たタイミングか。これまでのやや飽食、過食な生活を改めようと思っており、「一切れ丼」などというメニューを発見するも、結局はレギュラーのうな丼+お吸い物をオーダー。店内はなかなか奇麗であって新築した模様だが、「備長炭使用」と品書きに書いてあったことについて、最近読める本にて某老舗ご主人曰くの「備長炭使用などとわざわざ明記すべきでない」との記述あり、やや不安をツレと議論するも、出てきた鰻はなかなか。山椒がテーブルにおいていないのはここの流儀だそうだが、表面は炭火でかなり強く焼いていて香ばしいながらも、関東風なかなりの柔らかい鰻。さらに関東風以上に甘くない辛口のタレでなかなかに美味。お吸い物の肝も焼いているのが独特ながら、あっという間に完食。ちなみにお隣の男性が食していた大盛り丼はかなり良心的な価格ながら暴力的な量で、ご飯大盛りで鰻が溢(こぼ)れんばかりになんとかご飯に乗っているシロモノながら、その方も容易に完食。只、なにより素晴らしいのは一緒に供される漬け物。時期で違うようながら、当方訪問時(5月上旬)では白菜の漬け物で塩分控えめながらサラダ感覚でバリバリ食せるものであって、これまた結構良心的な量が盛られてくるも、こちらも鰻とのマッチング良く、完食。辛目な鰻のタレを考慮してこの程度の薄味にしているのであろうが、非常に良心的で良し。北信では有名なる店のようだが、このような店を偶々見つけられるという嗅覚には自ら驚嘆。

玉肌日記

2011年09月08日 | 玉肌日記
湯の峠温泉(山口県山陽小野田市)
美祢線の湯の峠駅から至近にある温泉、といっても美祢線は非電化単線な模様でかなりなローカル線であって、当然のごとく、湯の峠駅に駅員は居らず、まったくの無人な様子。その近くにこの温泉があるが、なにしろ建物が年季が入っていることに加え、外見からは営業している気配がまったくなく、駐車場に車がまったくないことを見ると「今日、休み?」とも思うが、入ってみればなんと営業中であり、しかも日帰り入浴にかなり特化しているのか、左手にはすぐに券売機、さらに脱衣場口があるという構成で、玄関横に温泉入り口があるというのも奇異ながら、入ってみれば浴室はなかなかなレトロ感十分。源泉かけ流しと聞くが、投入されている湯量はチョボチョボであって、湯面にはなにやら油膜のようなものが張っており、「人の脂?」とも一瞬思うが、それほどに活況なる温泉地とも思えず、そのまま気にせず入浴。湯温は温めで非常に心地よいが、湯は無色透明無臭で、やや湯の華成分と思しき、かなり細かい木屑のような浮遊物あり。情報によればこちらも単純放射線泉とのこと。なにを放射しているのかまったく不明であるのは、こちらには温泉に関する情報、いわゆる温泉成分表の掲示が全くなく、どういう温泉なのか、はたまた、そもそも温泉なのか、と多いに疑問。しかし塩素臭等もなく、温泉自体に不満はなし

玉肌日記

2011年09月04日 | 玉肌日記
宮浜温泉(広島県廿日市市)
山陰踏破旅行の初日、東京を深夜2時に出発し、ひたすら高速道路を東名、名神と西へ走行。ラップで京都を7時に通過、広島に正午着と880キロを順調にして到着した初日はここ宮浜温泉に投宿。対岸には安芸の宮島が見えるロケーションで、広島や岩国にも至近の瀬戸内海側の海近くに温泉、という意外感があるも、湧出量はあまり多くない模様で、単純放射線泉とのこと。無色透明無臭で、源泉温度も27℃程度ということで滅菌と加温済み。温泉としてはこれといった特徴はなく、(客室からは一望なものの)露天風呂から宮島や瀬戸内海の島々が見えるわけでもなく、露天風呂は特段に昔懐かしプールの香りでガックリなのだが、こちらにきて、この単純放射線泉という名を初めて目に。なにが放射されているか(一般的にはラドン泉か)わからない状況で、しかもガイガーカウンター持参で入浴しているわけでもないことから、「放射線が出ているんです」と言われれば確認のしようの無いまま、「そうですか」という状態なのがなんとも不可解。しかし、なにはともあれ、客室だけでなく、旅館のある高台から見える瀬戸内海の風景がすばらしい。尾道も似たような感じながら、尾道は通行する船の数も多く、よって海上標識や橋桁も華やかなのだが、こちらは牡蠣等の養殖場があるからか船の通行も少ないながら、宮島だけでなく、その付近や奥の四国まで見える環境はすばらしく、逆に温泉に多くを求めるのは酷かとオトナの納得。

フォアグラ日記

2011年09月01日 | フォアグラ日記
櫻屋(うなぎ/静岡県三島)
静岡県三島は鰻にて有名と聞き及び、たまたま箱根への用事にかこつけて経路的に抉るようにやや遠回りをして訪問。付近には有名店や老舗等が集まっている界隈があるが、昼時に訪問するも、閉め切った車内にもすでに外から鰻を焼いてタレが焦げる匂いが侵入してきて驚愕。さらには交通整理とおぼしき警備員も出動する状況ながら、付近では一番有名とおぼしき店にまずは水準感を得るために入店。昔ながらの民家ながら、増築をしているようでかなりの人数にも対応可能ながら、昼時も中盤になるとほぼ満席という活況具合。失礼ながら三島には特段に観光すべき箇所があるという季節ではなかったが、これだけの客が集中するのはそれほどに鰻が有名であるためか。待たせずにすぐに出てくる大量生産な店と思っていたが、なかなかに待たせて30分程度してから食するも、関東風でなかなかに良し。なんでも「柔らかい」というのが美味しい必要条件とは思わないが、かなり柔らかめながら、やや小骨があり、その小骨が喉奥に刺さり、数日は違和感あり。他有名店や無名店でも美味なるところがあるポテンシャルを感じるが、個人的にはもう少し足を延ばして、関西風の鰻蒲焼きが恋しくなる。