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映画『Carmine Street Guitars(カーマイン・ストリート・ギター)』

2022年01月15日 | CD批評
映画『Carmine Street Guitars(カーマイン・ストリート・ギター)』
木造建物の廃材を再利用して作るNYのカスタム・ギター・ショップのドキュメンタリー。そのギター制作や客との交流の日々が淡々と流れ、ドラマチックな展開等は一切ないがその淡々さが和む。Googleマップで所在地を調べるとニューヨーク大学やワシントンスクエア公園等「どこかでみたような…」というデジャブ感あり、もしかして、と調べるにBlue Note Jazz Clubの至近であった。Blue NoteでFourPlayを観たのち、ミッドタウンまでタクシーを拾おうと6th Aveまで出たが拾えず、やむを得ず地下鉄に乗ってボナを見に行った記憶があるが、タクシー待ちの場から100mくらいの場所にそのギターショップはあった(次のNY訪問時には行ってみたいが1830で営業終了と早い←映画中の情報)。木造建物の廃材は200年もシーズニングされていて材が鳴りやすく、「木材は成分が結晶化して、すると繊維の筒が広がり、音がより共鳴するんだ」というが、個人的な感覚としては本来鳴りやすい材より、鳴りにくい材を鳴らそうとしている方が良いと思う一方、材自体の品質が次第かつ確実に落ちてきているようでこれを見ると新造機を買い入れる気が全く失せる。カーマインはギター中心で映像を見る限りベースは非常に少なく、店頭には修理品のような明らかに他社製と思われるものもあり、オリジナル・カスタムはないのかも知れないが、ギターのデザインは当方の好みでは無し。廃材のキズ等もそのまま残してデザインとしているが、ちょっと廃材アッピールが過ぎるようにも。弟子が一人いるが、デザインばかりでなくもっとギター本体の製作しろよ、とも。単板材を使うので圧倒的にテレキャスターが多く、製作者も「1PUで充分」(実際には2PUだが)という言いぶりなのでユーザーにもカントリーやブルース、フォーク系が多い。登場する客はいずれも有名なようだが、音楽性が偏向している当方が知るのはビル・フリゼール(Bill Frisell)だけだった…。皆、試奏しながらミュージシャンが色々語るのだが、試奏しない(できない)派の当方にとっては「登場するミュージシャンで試奏した後に実際に購入した人はどれだけいたのだろうか」という事が尾籠ながら非常に気になる。なお、本編中で価格への言及は一切なし。機会があれば是非行ってみたいが、ベースがあったとしてもあの店主ガン見の中で試奏するのは小心なる当方には絶対に無理…。
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