ピンネシリ温泉(北海道枝幸郡中頓別町)
ピンネシリ岳の登山口にある温泉。ピンネシリは「敏音知」と書くが、アイヌ語で「男の山」の意。その意が一般的であることから北海道には同じ名前の山がいくつかある。アイヌの語感、音の響きがなんとも良いが、実際にここへ向けて国道275号を進むと頂上部分が冠雪したなかなか佇まいの良い山が見えてくる。一方でこの275号、日中なのに同行車・対向車ともにほとんどなくて国道感は皆無。この先に中頓別・浜頓別とあり、かつては天北線なる鉄道(音威子府ー南稚内)が運行されていたが1989年に廃止されている。その際にはここにも敏音知駅があり、列車が停車していた…。そんなうら寂しさ満点の環境ながら、温泉施設の前には結構な数の駐車があり、どうみても温泉施設しか行き場のない状況から推察するに、温泉はかなりの盛況が予想されたが実際に入ってみると入浴者は数人。あとの人はどこに行ったのか? この手の不思議な感覚は北海道には常にある…。施設は温泉以外は営業中なのかどうなのか不明なかなり寂しい状態だが、温泉部分は絶賛営業中。非常に印象的である湯の色は薄い赤茶。おそらく温度調整されており、入浴温度は非常に適温状態で管理されている。温泉自体は飲泉には適さず、循環使用しているように思われるほど、ある意味で管理が効いている。温泉中に湧出物はみあたらず、また、浴室自体にも析出物たるものは一切なし。温泉浴槽以外にもサウナや水風呂さらにはサラ湯浴槽(温泉ではない沸かし湯)もあり、地元民にはサウナが好評なる様子で、浴室内では温泉浴槽人口よりもサウナ人口の方が多い。泉質はナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩・塩化物泉で無味無臭。その色の赤茶色のわりにはほとんどクセを感じさせない湯で、長距離爆走ドライブのあとには非常に快適。