Side Steps' Today

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玉肌日記

2015年07月18日 | 玉肌日記
【川渡温泉(宮城県大崎市)】
川渡=かわたび、と読むが、鳴子温泉郷を構成する温泉地域の一つ。鳴子温泉は東北では有数の強力かつ個性的な温泉が集まっている地域であることは云うまでもないが、源泉によって泉種や泉質が大きく異なっており、地域別に語ることは困難な程。ただ、東鳴子温泉からココの川渡温泉にかけては黒~褐色、日によっては黄色にも見える温泉が多く、その中でも川渡は比較的マイルドな印象。東鳴子のような強烈なるオイル臭というのもなく、非常にナチュラルな印象。温泉表記のみをみれば「アルカリ単純泉」であり、鳴子では当然なのだろうが源泉掛け流し。最大の特徴は温めな湯温であり、38.5度。鳴子の他の温泉は熱い、もしくは劇熱という印象であって、そのために体力を奪われるためか湯後には非常に疲れる+眠くなるという消耗する温泉が多いのだが、季節柄もあろうが最近は”ぬる湯”を嗜好していることもあり、ここはゆっくりと充分に入って堪能することができる。他の温泉が個性的なあまりに食傷気味にもなるが、ここだけはホッとする内容であり、多数が存在する鳴子の各温泉を踏破するにはココに拠点を置いて周囲を攻略するのが最上。

玉肌日記

2015年07月11日 | 玉肌日記
【越後大湯温泉(新潟県魚沼市)】
これまでこの温泉街の前を何度かスルーしたが、いずれも、前近代的な大規模旅館が林立するも時代の変化で廃れ、かと云って整理も費用がかかるために儘ならず、結果、廃墟感の拭えない温泉街という印象にあり、そのためにわざわざ訪問の価値もなし、としていたのだが、その温泉街の中になかなか秀逸なる温泉宿があると聞いて初訪問。周辺を車で走っている分にはあまり感じない内部の寂れ感は、その温泉街に入ると一層に感じられ、デフォルトしたであろう旅館だけでなく、温泉街につきもののスナックや土産物店ながらに営業をしているのかどうなのか外見からも全く不明な店舗が多く、ちょっと異様な雰囲気。そんな環境を抜けて行くとお目当ての温泉があるが、一見では不可能な、事前に場所を調査していかないと判らない場所。川沿いのかなり低めな位置に温泉があり、雪解けで川の水嵩が増量すると風呂が水没してしまうとのことながら、なかなかに雰囲気の良い開放感のある湯屋。この付近には栃尾又温泉駒の湯温泉といった名湯があるが、ここにも無色透明の単純泉が湧いており、ぬる湯。目の前には佐梨川があり、恐らく栃尾又や駒の湯から流れてくるのであろうが、なかなかに良い環境。思い返せば、温泉をウリにかつて発展した温泉街が現在は寂れているだけであって、温泉が良いのは自明。ちなみにこの宿、施設は相当に古いが必要な手を入れており、不快感全くなし。料理も秀逸で、この温泉とお値段、そして料理で目敏い客を集めており、なかなかに繁盛。復活を期する温泉街や温泉宿のモデルケースのひとつとも云えるか。