Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

九州全線阿房列車(23)

2023年02月25日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(23)
前回、伊万里では鍋島藩窯公園に来た記憶があるが、駅前付近には焼き物の街感とぼしく、あえて焼き物感があるのは商店街入り口の焼き物像と駅名表示版のみ。1621発(唐津ゆき)で佐賀を目指すが、途中の1702山本駅で乗り換えが必要となるも、往きの記憶では乗り換え設備のあるような駅だったか疑問でキチンと乗り換えられるのか大変不安だったが、1704発(佐賀ゆき)にうまく接続。降りたホームで待つというごくフツーの乗り換えだったが、JR九州の運行時刻の正確さを改めて痛感。伊万里ゆきがあまりに乗客閑散だったのとは対照的に1704発(佐賀ゆき)は帰宅する学生で大混雑。今時の学生は全員が携帯電話を所持しており全員がそれに見入っているのも異様なのだが、逆に景色をみているオジさん(=当方)の方が黄昏ていてもっと異様という状況。1803佐賀着。佐賀駅前は改装工事中なるもこれまで何度か鉄道以外できたことがあるため駅自体に見覚えはある。ここで40分ほど乗換待ちのためディナー・チャンスなのだが、目ぼしい店皆無。佐賀と言えば佐賀牛ステーキなどがよろしいが、駅までの往復を考慮して30分強でステーキが食せるかという切実な問題もあり、駅前でなんだか人の入りが良いラーメン店(またラーメン…)へ。と、入った瞬間に強烈なとんこつ臭! マスク越しにも明らかに強烈な匂いに直感的に名店と判断してラーメンを注文。よく見れば吸い寄せられるかのごとく、とんこつスープの寸胴鍋前に着席していた…。店内表示には「佐賀ラーメン」とある。供されたのは白濁のとんこつラーメンだが、細麺の茹で具合があまりに絶妙で驚嘆。食す時には当然マスクを外すが、マスク越しにあれほど強烈だったとんこつ臭は意外と感じず、マスクで一層助長するとんこつ臭とは?と甚だ疑問。食後にまたマスクを着用すると強烈なとんこつ臭で、ノーマスクで匂わなかったのは決して鼻が麻痺したために非ず。
【写真】強烈なとんこつ臭の佐賀ラーメン。匂いはキツいが美味しいというなかなかレアな体験。

九州全線阿房列車(22)

2023年02月18日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(22)
すぐの折り返しがあるかと思ったが時刻表を見間違えており、次は1419発(佐賀ゆき)しかない…。愕然とするが40分も所在なく佇むのもイマイチなため、1分間だけ迷った挙句、途中にある早稲田佐賀を見てみようと徒歩で唐津に戻ることを決心。Googleマップ上では2.5キロ30分所要とのことだが、この後は唐津からは1426発(伊万里ゆき)に絶対に乗らねばならぬ。気が焦るが徒歩で唐津駅を目指す。ここにきて陽気よろしく、しかも焦りから自ずと早歩きになってすぐに汗ダク。15分ほど歩いてまるで病院のような早稲田佐賀の寮の前をスルーして1410唐津駅に到着。駅ホームで風にあたってクールダウンするとちょうど1426(伊万里ゆき)が入線。これを逃すと2時間後まで伊万里ゆきがないので徒歩も必死だった。伊万里ゆきは需要がないのか1両編成で乗客は他に1人のみ。途中の山本駅から支線に入って1517伊万里着。伊万里での待ち時間は1時間と余裕があるために駅周辺を散策するが、なんといっても駅が異様。今回は乗車しないものの、ここで松浦鉄道に接続していて佐世保近いのだが、JR伊万里駅と松浦鉄道伊万里駅の間に伊万里大通りなる道が通っており、両駅間は空中通路で繋がっている。地上で道を横断しようにも横断歩道は遠くにしかなく、わざわざ敢えて不便に造られているような構造。この後に入った喫茶店主は「お役所が決めて伊万里で鉄道を分断させた」旨言っていたが、JRと松浦鉄道を再び一気通貫にはさせない、という強い分断の意思を感ずる。「かつては一気通貫に佐世保まで特急が走っていたが、今の伊万里は支線に成り下がって本線は有田に取られてしまった」とは喫茶店主の言だが、焼き物の街としての伊万里と有田の強い対抗意識を感じる。
【写真】伊万里駅前。写真中央の道路が駅を分断。左がJR、右が松浦鉄道ともに伊万里駅。

Spleeter

2023年02月11日 | 機材マニアック
ついに練習環境にもAI(人工知能)の波が…。太古から練習・コピーは音源に合わせて、というのが定石でしたが、その際にベースが入っているオリジナル音源に合わせて練習するとどうしてもいろいろ甘さが出てしまうため、Myマイナスワン音源を作成してよく練習しておりました。以前のマイナスワンはEQを使ってベースの中心音域たる100~300Hz付近を削って作るも、DAWの時代になってもどうしてもドラムを中心に位相問題が生じて音的にイマイチ。常にドラムにフェイザーがかかっており、コブハムと演奏している雰囲気は味わえましたが…。そして歳月が流れて世の中は進歩。突如Spleeterなるものが登場したため早速使ってみると、あら意外にイケるじゃないですか。Spleeterは音源を投入してPC処理すると、プレイヤー毎にトラックが分離されるというものです。音源を投入して処理するとドラム・ベース・キーボード・ボーカル等とステレオトラックにそれぞれ分離できる、つまり、ボーカルを分離するとそのトラックにはボーカルしか入っていないという状態になります。これであればマイナスワン音源(カラオケ)の作成は簡単。すべて音源を分離し、抜きたい音以外をマルチトラックでリミックスすれば良いだけです。それぞれの単体トラックを聞くと「う~む…」という内容ですが、リミックスすると意外に使える。ポイントは、インスト曲であってもボーカルを分離した場合になにも入っていないはずのボーカルトラックも同じバランス(フェーダー位置が同じ)でミックスすることです(倍音や位相に影響する微弱音が入っている)。これでベースのマイナスワンを作成するとどうなるか。ベースのハイフレットフレーズは「ベースでない」と判定され、ギター等のトラックに飛び込んでくる誤認はあります(だってAIなんだもの…相田みつを風)が、ベースはほぼキレイに抜けます。ベースの場合は音域が低く、定位がセンターであることからAI的には学習しやすいのか?とも。 ドラムやパーカッションはディケイ(Decay)するので分離しやすそうですが、逆にギターとキーボードトラックを分離できるかはなかなか困難な模様。ちなみに世の中には無償のマルチトラック(DAW)もあるので音源さえあれば無償で作成できます。音源はmp3でも分離可能(出力はステレオチャンネルのwav)、分離にはPCのスペックを求められるようなディスクレーマーもありますが、当方の6年前のPCで4トラック(ドラム・ベース・その他・ボーカル)の分離で所要2~3分です。
※著作権問題には充分ご留意を。

掃苔日記

2023年02月04日 | 畸観綺譚
尾崎秀実(10-1-13-5)
ゾルゲ、とくれば尾崎秀実(ほつみ)。ジャーナリストで近衛文麿の政策ブレーンだった秀実も事件に連座して刑死、ゾルゲと仲良く多磨霊園に眠る。さすがに真隣ではないがゾルゲ17区、秀実10区と比較的近い。TVで芸人・若林正恭をみるたびに尾崎秀実の顔を思い出すが、ゾルゲ事件の中心的な協力者というよりは獄中通信『愛情はふる星のごとく』の印象が圧倒的。なぜか昔Side Stepsが南武線沿線(稲田堤だったか)のスタジオで練習した時期に、全く乗り慣れない南武線車内で降り間違えないようにビクビクしながら読んだ記憶がある。妻と娘への獄中からの手紙だが、スパイ活動のみならず主義者であることさえ妻に秘匿していたため「やられたとき、そいつが心配」(尾崎)に対するべく手紙で慰撫、非常に細やかな生活指示(インフレ対策や投信活用などまで)をしている。3年間で250通ほど。死刑確定を境にした記述の変化に加え、刑死のパターンとはいえ「僕も勇を鼓して更に寒気と闘うつもりでいます。」という葉書の一文が絶筆、その後に呼び出されて処刑になるというのが衝撃的(弁護士宛の遺書はある)。その尾崎秀実の墓だが、妻・英子と一緒。見れば、ロシア大使館員が(ゾルゲのついでに?)参拝したのだろうか散ったバラの残骸に加えて右下にはウオッカ。一気にソ連参拝感が増したがニッカのウェルキンソン(1000円ほど)とは、あまりにゾルゲとの扱いに差がありやしないか? 墓石も他と比べて細長いため、ひっそりとしていて目立つことなく静かに…といった雰囲気十分。