Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

散財日記

2009年03月24日 | CD批評
Tower Of Power「Great American Soul Book」
TOPの新作。タイトルから見ても分かるようにカバー集とのことながら、あまりこの手のスタンダードについて詳しくない当方については、カバーであることさえ分からない(苦笑)が、JB等なんだか確かに聴いたことのあるような曲が並んでいる。このTOPで毎回堪らないのは、ドラムのガリバルディのグルーブ。グルーブマスターと言われるドラマーは結構多いが、基本的にはスティーブ=フェローン、スティーブ=ジョーダン、そしてこのデイビット=ガルバルディが鼎壁(?)、三傑だというのが個人的見解ながら、この作品でもそのグルーブは健在。勿論、歯切れのよいホーンセクションもこれをサポートしているが、このバンドの要諦はドラムにあり。TOPはベース(ロッコ)も巧いと言われているが個人的にはよく分からず。確かに細かい16分音符をゴーストのように入れて弾くスタイルは参考になるものの、どのCDもベースのレベルが低くて、細かい演奏具合は判明せず。結成40年(!)記念というが、その安定した演奏は素晴らしい限りで本当に安心して聴くことができる。一度は東京BU等でナマ演奏を見たいと思っていたが、その発狂的なチケットの高価さ、そして観覧の環境の悪さを想像すると毎回断念。

散財日記

2009年03月20日 | CD批評
Smooth Reunion「Cleaning Up the Business」
最近はまたAORや頽廃系プログレにハマっているが、前者での秀作なのががこれ。これもCD屋(愛顧なのは渋谷タワーレコード)のジャズコーナーにあったものからゲット。ちなみにタワーはなかなかチョイスがよろしく、そりゃハズレを掴まされることもあるが、アタリもそれなりに多く、セレクトバイヤーとしてはなかなかのセンスと思われ、なかなかに重宝。このユニットに関する情報はあまりに持ち合わせていないが、ざっと流して聴いた印象は、捨て曲が少なく、どの曲にもハッと思わせるようなフレーズやコード進行、そしてテンションがあり、良い意味でも悪い意味でも「ながら聴き」が出来ない作品。しかも一回聴いて「次にはこういうコード進行」と分かるような状態になっても、その新鮮みは減ずることなし。なかなかに音楽の美味しい部分、特にジャズ的要素を含んだテンション感が非常に適度で、心地よい刺激が継続で、とても賢明なプレイヤーとの印象。歌を含むが、インストなものもあり、これもその賢明感からいえば、スティーリー=ダン的と範疇されるのかもしれないが、そのものを超える部分もあり。グルーブ感はやや乏しいながらも、リズムを聴くというよりは、コードや上モノを聴くという感じか。なかなかに刺激的なのだが、それを難しそうにやっていないところがこれまた好感。Samuel Purdey「Musically Adrift (Remastered) 」とともに、最近のヘビーローテーションかつ、アタリ物。


フォアグラ日記

2009年03月16日 | フォアグラ日記
東北菜館(渋谷/中華)
駒場東大前、松見坂にある中華料理店。外見は何でもない普通の”街の中華屋”なるも、看板にわざわざ「水餃子」と謳っていることから、その売れ筋がそれであるとは容易に想像がつくが、「水餃子の美味しい店がある」ということで徒歩にて訪問。ちょうど夕食時だったのだが、店内は数名程度が座れるカウンターとその奥には4人テーブルが2つなんとか入るという小上がりだが、瞬く間に満員。しかし、それが中華料理の利点でもあるのだが、異様に出てくるのが早く、素晴らしいタイミングでの(女主人と思しき叔母様の)給仕もあり、客の回転は見ていて小気味よいほど。水餃子と焼き餃子はどうやら必須との事前リサーチから、両方をオーダーしようとするも、「焼き餃子は”焼き”担当者がお休みなので今日はNG」とのことで、なんだか理由が良く分からないが、それを聞くと”焼き専門職人でもいるほどなのか...”と異様なる有り難味さえあり、これまた再訪必須とも思うが、水餃子と数品をオーダー。水餃子自体はなかなか家庭的な味でボリュームもあって良心的、かつ価格もリーズナブル。客が多いのも容易に理解できるが、秀逸なのは同時にオーダーしたスープ系。最後のラーメンも含めて、やや白濁気味なスープのベースが素晴らしく、これにノックアウト。料理によっては魚系のややクセのある後味の残る食材を加えているようだが、絶妙なるトロミのあるスープベースにこの店の真価はあるのではないか、と刮目。焼き餃子を狙って再訪を期すが、他メニューにも絶品が含まれる可能性もあり、しばらく楽しめるか。

散財日記

2009年03月12日 | CD批評
Samuel Purdey 「Musically Adrift (Remastered) 」
90年代中期の遠い記憶として、ジャミロクワイなんていうバンドが流行っていたことをこのCDを手に取って思い出したのだが、そのジャミロクワイの元メンバーの作品とのことで、CD屋さんのジャズコーナーにて発見。なんたか今となっては妙に今っぽい感じもあるそのジャケをみるなり、直観的に購入決定。決してジャミロクワイが好きだったわけではないが、1曲目を為念試聴してみると、なかなかインテリっぽいイントロがよろしく、その後段になかなか名曲が含まれていたことにも全く気が付かず、持ち帰ってから聴き込むにシビれる。ジャミロというよりは、これまたスティリー=ダンに近いのではないか、とも思うが、それはバックの演奏がなかなかに素晴らしく、これは敏腕スタジオミュージシャンを擁しているからではないか、と思われるからなのだが、特段にギターとドラムが秀逸。特に「なんだかメロトロン?」と錯覚してしまうようなストリングスから始まる3曲目の「Lucky Radio」は、一瞬「あら?椎名林檎?」とも思えるコード感ながら、97年のヒットチャートだった模様だが、今回が初見でありながらも、ドラムがややローファイながらも10年前のサウンドとは思えないほど、上モノはとても今っぽいサウンド。コーラスもなかなかに重厚でAOR感も充分だが、コード進行的にはファンクっぽくて単純であってストレート、そして、あまりメロウな感はなし。「ちょっともうボコーダーはいいよ...」という満腹感もあるが、なかなかに上質で、あまりCD付録の日本語解説は読まないだが、読めば日本でしか発売当時は売れなかった模様で、日本人の感度もなかなかのものと思料。

散財日記

2009年03月10日 | CD批評
Talc 「Sit Down Think」
「XXX風」というオビの書かれた、それがオーソリティたる先人の雰囲気や流れを汲んだ内容、さらには明らかなる影響を受けている作品というものを多く耳にするが、それが意外にも、そのオリジナル以上に良いということもかなりの確率で存在し、逆にオリジナルに遡って聞いてみたところ、オリジナルの方が陳腐化して聴こえるという逆転現象の方が多いような気がするのだが、このTalcなるものも、その「XXX風」たるや「スティーリー=ダン風」ということだったが、聴いてみるになかなかの内容。あまりにその「スティーリー=ダン風」という形容のカバレッジが広すぎる(なんだかちょっとノブルっぽい2人組ユニットで歌詞に社会的なメッセージ性があれば、もうそれでスティーリー=ダン風?)という証左かも知れないが、かなり過去の作品のリイッシュと思って購入するも、それは比較的最近の作品であり、アナログシンセやボコーダーを使用したサウンド、さらにはジャケ内側にあるアナログシンセと戯れる画像から錯覚となったか。なかなか楽曲もよく、一聴した印象ではなんだか陳腐な感じもしたが、聴き込むだにハマるという展開。AORというのか、ジャンルは不明ながら、CD店のJazzコーナーに置かれているのを見て購入した次第だが、ネット販売が盛んな現在、当方もそれを結構利用しているながらも、店頭での情報量は膨大で、ネット販売のみであれば決して出逢うことのなかった一枚か、と思料。

玉肌日記

2009年03月07日 | 玉肌日記
【元箱根温泉(神奈川県箱根町)】
いつも行けると思うと全く関心がなくなり、灯台下暗しともなるのが通例で、まずは”なかなか行けないところを”というところから攻略するのは、レアなCDから優先的に購入する習慣がついており、意外な名盤を見逃す落とし穴でもあるのだが、箱根の温泉といえば、小学生時代の修学旅行と大学時代のゼミ合宿のみの訪問ということでまったく受動的訪問しか無し。しかも当時は温泉など全く関心なく、今から思い起こせば芦之湯温泉など、紀伊国屋旅館も松坂屋旅館もともに制覇していたという具合なのだが、白濁の湯に加え、普段と違う寝具のためか、首を寝違えて温泉を当てまくったら逆に症状が悪化して大変なことになった(結局は病院行きとなり、首筋に筋に沿って注射を打たれまくった...)という記憶しか無く、改めて、初めて温泉を楽しみに訪問。しかし、日頃の激務の影響か睡眠欲が優って、そのまま他の温泉にも寄らずに投宿。湖尻にある宿だが、温泉を併設しているも、温泉優先な宿ではないことから、かなりに施設は人工的。泉質も循環かつ消毒しており、選択と集中という観点からはやむを得ないものの、やや茶緑に濁った温泉はそれなりに温泉っぽいが、一歩間違えると単なる汚い湯?という程度であまりに有り難味なし(マグネシウム-カルシウム-ナトリウム硝酸塩-炭酸水素塩泉とはなっているが...)。この温泉自体は特段興味を惹くものではなかったが、周囲にはなかなか個性的なる温泉が多く、泉質も数種類ある模様であることから再訪を期するが、都心から至近であることから人もそれなりに多く、喧噪をいかに避けるか、がポイントながら、喧噪を避けるとなるとウィークデーなのだがウィークデーにわざわざ”いつでも行ける”箱根?ということでついに行けないという悪循環。