九州全線阿房列車(17)
引き続き小雨混じりの曇天の中、車窓右手に見える山々には低い雲が混じってグレーな水墨画の世界。1300夜明(よあけ)着。なんだかとても雰囲気のある駅名だが、本来であればここから日田彦山線が分岐しているはずが、こちらも平成29年(2017年)7月九州北部豪雨によって被災。その結果、夜明~添田間が不通になっているのだが、反対側の添田には明日小倉経由で到達する予定にしている。そのまま乗り続けて1318日田(ひた)着。途中で降りる人多く、ここ日田まで到達したのはあれだけ乗っていたのになんと2人のみ。ここで1417発(由布院ゆき)に乗継ぐが1時間ほどあるために期待のランチへ。このあたりでは日田焼きそばが有名らしく予め目をつけた駅近くの「大学軒」へ行って焼きそば(卵付き)をオーダー。決め手はこのビジュアルだったのだが予想に違わぬ味。ソースまみれのようだが決して辛くはなく、五香粉の香りを微かに感ずる。玉子はソースにマイルドさを加えるが、焼きそばなので麺は焼かれており一部パリパリなのが香ばしい。そのせいかオープンキッチン風の調理場からジャーという炒める大音響。意外なのはサービスされたスープ。やや面を食らいつつも飲んでみれば明らかにとんこつラーメンのスープでこれも美味、こちらではチャーハンをオーダーしてもこんなスープが出てくるのだろうか。架線橋を渡って駅に戻るが、日田駅もなかなかにスタイリッシュ。頻繁にくる特急列車をみようと親子連れが多くきているが、駅舎も木を基調にした洒落たデザインになっていてなかなかお金が掛かっている。1417発(由布院ゆき)に乗るが、途中に天ヶ瀬等の温泉地をぬけて1523由布院着。天ヶ瀬温泉では一部デフォルトした廃屋のような旅館も。
【写真】大学軒の日田焼きそば。ニラ・もやし中心でシブいのだが、店舗も実にシブい。