半年以上前に見た告知…それをスケジューラーにメモってついに今日が来た!ペダル(型のエフェクタ)だけの展示会という非常に魅惑なイベント、しかも入場無料!と勇んで、かつての五反田の簡易保険ホールへ。午後に予定があるため初日の開場11時を狙って向かうも意外な混雑具合。キャッチは「世界一熱いエフェクターイベントがTOKYOにて開催!」だがマジで熱い。というのも体育館1/2程度の広さの会場でブースがビッチリ。ブースといっても仕切りはほぼなく、宣伝幕と机上にエフェクター並べてるだけ、しかも各ブースで試奏可というカオスな状態。そこにかなりな集客、さらにギターを背負う者、なかにはなぜか巨大なエフェクトボードを転がしている者もあり通行困難な状態で異常な熱気。10分もいるとすでに汗ダクだが、ギターの試奏音さらに説明の声等の雑踏音も凄まじく、無料の意味を理解するも残念なのは当然ながらほとんどはギター向け、いわゆる歪み系のエフェクトが大半。開発にカネもかからず、比較的単純な構造ながら独自色を強く打ち出せ、しかも利益率もイイとすると自ずと歪みモノに帰結するのだろう。国産だけでなく舶来ペダルもあり、その説明で来日した外人も結構いてますますカオス。閉所恐怖症の身としてはよく見たいけど早く脱したいと葛藤。目的はこんなの見たことない!というペダルの発見だが、そのほとんどは見知ったものばかり。ただWebと実物とでは意外にデカ(小さ)かったというサイズ感での驚きはある。オヤイデのブースで捕まるが、ソルダーレスのケーブルはあるがDCケーブルはないのか(DCの取り回しは意外に面倒)との問いには「(エフェクトの多くは)センターマイナスだから、ホットをシールド側で落とすのはケーブル屋としてはナンセンス」との回答。結果、30分の滞在で退散。帰りの山手線車内、恵比寿が近づくにつれて近くの幼稚園男子が「恵比寿じゃない、恵比寿じゃない」と気弱そうに連呼。よほど人生のトラウマが恵比寿にあるのだろうか。最後まで「恵比寿じゃない、恵比寿じゃない…」と最後は独り言のようになったままお父さんに手を引かれて降りていく後ろ姿が大変印象的だったが、恵比寿に一体何があるのか…。
「こんなのあったらイイな~」と妄想してたら、運命的に楽器屋で遭遇したダダリオのネジ留めチューナー(PW-CT-21 NS Micro Clip Free Tuner)。クリップ型チューナーの類型であるものの、非常に画期的なのはネジ止めであること。どこにネジ止めするかといえば、それはヘッドのペグを固定しているネジ。このチューナーに付属している長いネジに交換し、そこに挟み込んで留めるのだが、まさにこれが欲しかった!と感涙。従来のクリップ型チューナーはヘッドに洗濯バサミのように留めるのがイマイチで、スタイリッシュなワタクシとしては(笑、ステージでは使いたくなかったのだが、これならクリップもなくヘッド裏に隠れる格好となって演奏者にしか見えないスグレモノである。気になるのはサイズだが、ボタン電池(CR2032)を使用するものの実物をみるとほぼその電池サイズの大きさで驚異的な小ささ。そのわりには視認性もよろしくさらには3000円程度とお財布にもやさしいことから購買欲はピークに達するも、いったん冷静になってHPでまずはスペック確認。すると「おや?」と思うことが一つ。スペックにチューニング精度の表示がない。同社の英語サイトもその表示がなく、いろいろ情報を探すが本当に情報がない…。疑心暗鬼派のワタクシには「隠蔽臭」しか感じられず、これをキッカケにさらに購入者のインプレッション等を見ていくと「ギターの6弦を拾わない、もしくは拾いにくい」というコメント多数。ギターの6弦が拾えないのならベースのE弦、いやB弦なんか「いわんやをや」。これはクリップ型でもよくある症状で急速に購買欲が萎む…。そもそもチューニングできないチューナーはチューナーではない! しかしこの発想は素晴らしく、このタイプできちんとチューニングできるピーターソン精度のストロボチューナーが出たら絶対に購入して全てのベース(といっても2本だけですが…)に取り付けるのだが。今後の技術発展に期待。
それでもなお残尿感はあり、なんとかベース専門店はないかとGoogleマップを血眼で探すに、ついに発見!それは「20Hz Bass Shop」という。なんて素敵なネーミング…。おそらく人間の可聴域(聴こえる周波数範囲)の最低音ということでそのネーミングとなったと想像するが、完全に名店の予感。場所は市政府駅から徒歩10分ほど。場所は住宅街の中にある感じだが、店舗の看板には「Flower」の文字が…。「なんだ、間違った。花屋か」と思うが、横には「20Hz Bass Shop」と看板があり勇んで入店する。が!いきなり黒い犬に襲われる!どうやらこちらの飼い犬のようだが、台湾では一般的にリードをつけないので店内の移動は自由自在。スタンドに立てたベースなんかブッ倒しそうな勢いで突進してくるが、決して倒すことはなくなかなか賢い。ちなみに楽器屋に入ってファーストコンタクトが犬というのは人生初。ベースはフェンダーやSadowsky、さらにはDINGWALLやMTD等あってなかなかの品揃えだが、ヘッドに「七」と書かれたジャズベが…。これはなにか、と店主に尋ねるにオリジナルのベースでここで作っている、と。たしかに右奥にはベース工房のような工作台が鎮座。ベースの部材がいろいろ置いてある。エフェクトもベース専門店だけにベース用しかないが、刮目したのはKEELYの「Bassist ーLow Frequency Optimizer」なるペダル。こんなの見たことない…と思いながら「コンプか?」と店主に聞くに「いや、リミッターだ」と。KEELEYのLimiting Amplifierのモデルチェンジかもしれない。安ければ…と思って値段を聞くに9,000元(4.5万円)と、とてもお高い。おそらくモデルチェンジ品であれば日本ではその半額程度と思ってパス。工房と楽器屋を兼ねたスタイルだが、最後に良店を発見してハッピーエンド。
奇想楽器にガックリきて、無理やりもう1店舗トライ。今度は忠誠敦化駅から徒歩10分ほどの育典楽器UD MUSIC CENTERへ。駅間として1駅程度あるが、歩いた方が早いと判断して炎天下のなか徒歩。こちらは地下に店舗があり、地上には一見すると見落としそうな看板があるのみ。周囲はオシャレな店と寂れた店が混在する微妙な地域だが、店内はなかなか面白い。ベースはフェンダー等のトラッド系が多いが、ここで「折りたたみ式エレキギター」を発見して衝撃!このベース版があったら欲しい…(下写真)。15f付近でポッキリとネックがボディ裏側に折れてコンパクトになる仕組みになっている、しかも弦を張ったまま!こっちの方がよっぽどオレが渇望していた「奇想楽器」そのものなのだが…。値段も書いておらず、プロトタイプなのかもしれないが、周囲にはアイバニーズのEHBやStrandberg (アイバニーズQシリーズかも)のようなコンパクトタイプが並んでいたので、店主の好みなのかもしれない。なお、こちらはエフェクトペダルも結構あるが、やはり日本製(BOSS)は少なくて全体の5%程度。店内では明らかに外国人と思われる方が弦を購入していたが、写真を撮っていいかと店主に聞くと快諾。皆、なかなか心が広い。ちなみに育典楽器とは「教育の模範となる楽器」という意味ながら、ちょうど奇想楽器と店名を交換すればマッチするのだが。
【折りたたみ式エレキギター】
毎度の海鮮中華でのランチ+杏仁豆腐専門店でデザート摂取後、つぎは「奇想楽器 台北吉他専門店」へ。場所は忠孝復興駅から徒歩5分程度。忠孝復興駅には日本ではすでにデフォルトしたSOGOがある。この楽器屋、「奇想楽器」というネーミングで完全にノックアウトなのだが、日本語感覚的にはかなり奇想奇抜な楽器店のように見えて勢いこんで訪問するも、こちらも客は一人もなし。店員がチョー暇そうにしているが、店の看板には英語で「FANTASY MUSIC」とある…。FANTASY (空想)=奇想と、かなりニュアンスが違うので嫌な予感しかなかったが、看板自体はなかなか洒落ていてセンス良さげでもある。しかし!なんと中を見てみればそこにあるのはアコギ(アコースティックギター)のみ…。地下とかあるのでは?という淡い期待から、店員氏に「ここはアコギのみ?エレキベースとかないんですか?」(英語)と聞くに「ない。アコギのみ」と返事。店内の写真を撮っていいかと聞く気さえ起きず、脱力。肩を落としたまま店を出るが、店名を改めてよくみれば「奇想楽器 台北吉他専門店」とある。「吉他」って、もしかして「きった」=ギターのこと?ギターって後ろにアクセントくるんじゃなかったか?とも思いながら、店員にしてみれば「ギター専門店にきながら、”ベースはないのか”はねーだろ」と思われたに違いない。ベースだってベース「ギター」だろ!とも思うが。店構え的にはなかなかオシャレで金螞蟻楽器とは全然違う(失礼)が、台湾では感覚的にエレキというよりアコースティックの方がオシャレでオーガニックな印象なのかもしれない。かつての日本の「エレキは不良がやるもの」というほどではないけれど。
ニューヨークの楽器屋事情に続いて台湾・台北編。ニューヨークでは東京のお茶の水とは規模こそ違えど、それとなく楽器屋街があったが台北ではみごとに分散。最初の訪問は金螞蟻楽器、日本語訳は「金のアリ楽器店」。「金のアリ」が店名になるほどバリューがあるのか日本的には全くわからないが、台湾のアキバたる忠孝新生駅から徒歩10分程度。外見は田舎の楽器屋(失礼)だが、中のベースコーナーを見て驚愕。かなりのベースが在庫されており、しかも多弦が多い。メーカーは韓国メーカーCort (コルト)が多いが、19,000(9.5万円)~36,000元(18万円)と結構なお値段。圧倒的な在庫はCortだが、衝撃なのはSadowskyとFodera。前者SadowskyはMertolineの5弦で115,300元(57.6万円)、Fodera(美国製=米国製)に至ってはなんと6弦と5弦が常備。6弦が23.1万元(116万円)、5弦で21万元(105万円)でともに「超低特価」とあるが、確かにちょっと安いかもしれない。6弦と5弦の価格スプレッドが11万円しかないのも意外だが、全般的に購買力を失っている円換算ではお安いという感覚は総じて全くなし。他にはWarwickやSpector、MusicManあたりが舶来品ベースで並んでいるが、エフェクタ関連は品数が少ない。BOSSとか日本製のペダルが多いと想像したが、なんと日本製は一つもなし。日本製を買うのなら日本に飛んで買うのかもしれない。小さい、かつなんでも置いてある楽器店のわりには内容が充実している。入店時に他の客はおらず、帳場台にいる店主と目が合うと「你好」と挨拶あり、こちらも返すと同胞と思った(思いの外、你好の発音がよかった?)のか、ベースを見ていると「ベースをお探しなんですね、こちらでよければ試奏してください」(想像での意訳)と中国語で言われ、風呂場によくある高さ20cmほどの小椅子を差し出される。これに座って弾くのか…?と衝撃を受けるも、その後に「店内の写真を撮っていいですか?」と英語で確認すると「あ、コイツ同胞やないんや」という目で「OK」と快諾。
↓店内のベースコーナーはこんな感じ。さらに奥にCort大量陳列コーナーも。
ベラ・フレック(BÉLA FLECK)のライブ@ブルーノート東京をYouTubeで見てから、どうしても脳裏から離れないのが、このイカしたチューナー。正直にいえばネットで検索しまっているが、どうしてもこのチューナーを発見できないので、「おそらくチューナー」というのが正しいが、演奏中に不定期にバックライトが灯いたり消えたりしているので、おそらくクリップチューナーと思われる。なんともイカしているのはステージ映えするその赤いハート型…とても欲しい…。もっとも革新的かつ技巧的なバンジョープレイヤー、とWikiにもあるが、その横にあるなにげない写真もまさに革新的で、このバンジョー、フツーのギターやベースのようなツノ(角)がある…。しかもそこをよく見てみれば、下のツノにはエレキ用のコントロール系、さらに上のツノにはギターシンセ(ローランドGR)と思しきコントローラーが見え、ピッキングしている手元にはエレキ用ハムバッカーそしてGR用のピックアップのようなものが見える!コレってエレキ・シンセバンジョー?もうスゴすぎて失禁しそうだが、これらってバンジョーという楽器が旧態かつそれが活躍する音楽も旧態な一方でテクノロジーは最新というギャップから来るのであろう。そして今回のこのチューナーも、いい年(66歳)したオッサン(失礼)がカワイイのをさりげなく(←コレ重要)付けていることによるのだろう。ちなみに片方の女性(アビゲイル・ウオッシュバーン)でベラの奥様。ここではバンジョーだが、他動画ではタップダンスをしながら歌っていて実に多彩なのだが、「歌ってタップして息切れるだろ、フツー」と思って年齢を見ると46歳…。ベラとは20歳の歳の差夫婦なのであった。いろいろ世の中、衝撃的なことが多すぎて、その情報量についていけません。で、肝心のチューナーですが、SWIFF(スウェウ)というメーカーからかなりポップなのが出ているのですが、なんだか精度悪そう…しかし見た目重視なのでだいたいのチューニングで良しとする!
【エレキ・シンセバンジョー?】
「興味や関心に基づくおすすめ」によりネットニュースで勝手にピックアップされてきたこの商品、なかなか画期的。使い方はいろいろあるようながら、当方がメリットを感ずるのは「座って練習する時と(本番等で)立って演奏する時の楽器のポジション(位置)の違い」を解消してくれるというもの。普段、家では座って練習をしていますが、それに慣れると立って弾く時にポジション感覚が狂うのが困ります。たとえば12ftが座ると手前に感ずるが立ってひくとヘッド側にズレたように感ずる、結果、音を間違える(もしくは間違えないように神経を使う)というものです。写真のような変形ギターであればなおさらでしょう(ただそんなトリッキーなギターを選んだアナタの自業自得も否めません)。当方、大昔にスタインバーガー(STEINBERGER)を弾いていたのですが、あれも座って弾くのと立って弾くのとではポジション感覚が大いに異なります。当然、練習の時から全て立って練習すればそんな問題は生じませんが、立って練習するのは疲れる…。座ってストラップという方法もありますが、それも長時間では肩や背骨にきます。それ以上に恐怖かつ恥辱なのは家族に影練(かげれん=かげでコソコソ練習すること)が見られること。ただでさえ練習時はヘッドホンを被って練習しているので、背後にある人の気配も全くわからないのですが、音楽に没入しているのを見られるのは非常に恥ずかしいのはワタクシだけ?しかも立って鳩の首運動しながら弾いていたらなおさらです。練習時にふと気配を感じて後ろを振り返ると愚息が無言でジッと練習をみていたことがあり、思わず「ヒッ」と声を上げてしまったのがトラウマであり父親の威厳失墜ですが、これ以降、部屋の電気を消して真っ暗にして練習をするように。譜面も見えないので強制的に暗譜できる副次効果はありますが、そんな時にこのギアがあれば尚更スバラしいと思ったのですが、価格を見て愕然…。36,300円(税込)…。フィギュア(桁)が違っていないか再度見直したほどですが、人為的な超円安とは言えどもちょっとお高く過ぎでないですか? もうゼロが1個少ない価格を想定していたのでショックのあまり導入断念。しかし着眼点はなかなか素晴らしい商品と思料。
浮気しすぎだろ!とお叱りの声が聞こえてきそうな第6弾…。かなり前から気になっていた上物をウェブで発見し、たまたまの外出ついでに立ち寄って確認。FenderのマスタービルダーであるJason Davisが独立して立ち上げたDavis Custom Guitarのベースの中古が2本。ここ十数年で片手ほどしか見たことのない非常に市場流通量の少ない楽器なので、ここぞとばかりに早速試奏。際立った特徴としてJM(Jazz Master)スタイルでレリック(使い古し)加工バリバリなこと。ペグも黄色はパドルペグ。全般的に木材の鳴りをかなり意識した造りになっていて、ボディはカーブが少なく板をできるだけ残した構造。さらにネックにはナローで低いフレットが打たれておりナットは牛骨、指板はブラリジアンローズウッドにクリア塗装がテラテラでRキツめ。例に漏れず基本的に弦高は高めで、黄色はまだ下がるがサンバーストはほとんど下がらない状態にある。楽器屋で「弦高はこれ以上下がらないですね…」というと、これも例に漏れず商品知識が豊富と思しき店員氏は楽器コンディションが悪いと暗に言われたと思うようで「高くしてよく鳴らす想定の楽器」と反論するが、弦高はシムでもかませばいくらでも上げられる一方で下げるのはなかなか難しく、またベースに限らず楽器は体育会系が如く強くブンブン弾けば鳴るというわけでもなく楽器の柔軟性の問題であるから、知識や経験が露呈するだけだから言わない方が良いのに…と意地悪オジさんは嘆息。弾いて感じるのは5弦(B線)のテンションバランスがとても悪く、思わずハーモニクスでチューニングを確認してしまうほどデロデロ。またPUもフロント単体では使えないほどブーミー。一方でコントロールに特徴があって、バランサーが後ろ、トーンが手前の構成になっていることに加え、2連の下のトーン・リングがとてもスムースに調整できるのが良く、コントロール周りはプレイヤビリティーがよく考慮されている。PUはパッシブでノイズもなく、トーンをフルにすると意外にアクティブとは違った感じだが良いトレブルも出る。ヘッドが4-1で小さい構造のためかバランス良く、ヘッド落ちもなし。ただ弾いているとA線の10ft付近にデッドポイントを感ずる。価格は税込A十万円で衝撃的に十分お高いが、この試奏直後にサンバースト、そして数日後に黄色が売却された様子。たしかに投資としては良いかもしれないが…世の中にはお金持ちが多いことを痛感、そして嘆息。
【過去の浮気遍歴リスト】
第1弾 ROSCOE 6strings
ヘッドホンで音楽を聴く時、当方は圧倒的な「小音量派」。そもそも小音量派の場合、小音量派であることの自覚の機会は少ないものです。大音量派であれば、たとえば電車内でシャカシャカとヘッドホンからの音漏れがあり、それを第三者に注意されたりすることで自覚する機会はあろうものですが、小音量派の場合、他人から「聞いてみなよ」と言われて他人使用のヘッドフォンを渡され、それを聞いてみた時に「なんて音がデカいんだ」と感じる程度。しかし、その所有者自身が大音量派である可能性もあり、自覚の機会はなかなかやってきません。当方もそのような他人のヘッドホン(衛生的にカナル型イヤホンはちょっと遠慮したい…)を聞いた経験上、自分より小音量でモニタリングしている人が皆無という状態となって初めて小音量派を自覚した次第です。大音量では難聴等の支障がありますが、あまりに小音量過ぎてもいろいろと支障があるものです。実際にどのくらいの小音量なのか、例えば携帯音楽プレイヤーでは普段はボリューム1(いち)です。使用しているヘッドホン効率の差はあれど、数種類のヘッドホンでいずれも1なので効率の問題ではなさそうです。さらにはミックスやマスタリングによっては1でもデカい時があるので、無意識に下げようとするのですが、するとゼロになって無音になるという悲しさ…。本来であればゼロ→1の間が無段階で調整できればよいのですが、そんな気の利いたプレイヤーはなくて困ります。希望をいえばボリュームカーブもN字型であれば好ましいのですが、大体がリニア(直線)で小音量時の微調整は全く効きません。さらに困るのがソース(音楽)が小音量になった際のノイズ。mp3で特に顕著ですが、ソース自体が(曲の最後部分のサスティン等で)微音量になった際に、FMマルチパスノイズ(擬音が困難ながらジュルジュルというノイズ)+ノイズゲートが音のサスティン部分に乗っかってきて、良い音楽も台無しです。音量を上げればSNの関係からノイズは目立たないのですが、その音量で聴くには耳が耐えられないので、ノイズを甘受して最低音量にするしかありません。ヘッドフォン端子にパッシブの外部スピーカーを繋いでもある程度鳴らせるように出力自体が大きく設定されているのかもしれません。今のボリュームはデジタルボリュームですが、昔のアナログボリュームでも小音量派ならではの困難がありました。アナログの場合、音量をゼロ近くまで絞って聴くと、ステレオソースの左右の音量が変わる機器が多く、ある程度の音量に上げないと完全なステレオにならないことも結構ありました。将来、難聴じいちゃんにはならないかもしれません(いや、爆音バンドが多かったので決して安心はできない…)が、小音量派にも密やかな困難があるものです。
最近、フラフラとネットを見ていて見つけた画像。これはサドウスキー(Sadowsky)のセミ・ホロウ・ボディ(Semi-Hollow Body)、またはチェンバー・ボディー(Chamber Body)の構造とのこと。奥に見えるのはプレベのボディですが、遠近感からわかりませんが、手前もサイズ的にはベースでしょうか。カッタウェイ形状を見ているとギターのような気もします。自分の楽器もこんな風にくり抜いているのか…?と思いますが、この状態は最終ではなく、さらにピックアップが収まる穴、ネックのジョイント、ボリュームやトーンといったコントロール部分が収まるスペースが加わるので、実際にはさらにスカスカになる筈です。このさらに上に一枚トップ材がプライされるため、この穴たちは最終的には表面上からまったく見えない具合になります。エルボーコンター(エルボーカット→手前の楽器の画像左上の部分)部分のR(曲率)がキツいのでこの部分はトップ材が厚くなるのだろうと想像しますが、いずれにせよ結構な容積の穴が空いている印象で、これがサドウスキーの特徴のようです。確かにサドウスキーはどれも楽器自体が非常に軽い印象。使用材はアッシュが多いようながら、アッシュといってもスワンプ(軽い)→ホワイト(重い)まであるので、材の名前だけでは判断できず、ましてや代用材や最悪偽装のリスクもあるので個人的にはあまり気にならないし、こだわりもないのですが、それにしても軽いのは魅力です。同じソリッドなアルダー材と同じかそれ以上に軽い印象です。よって運搬・演奏時はラクなのですがサウンドもその分マイルドで、ベースの場合ソリッドな単板のホワイトアッシュのようなガツンというアタックがどうしても出にくい印象です。また画像で最も驚いたのはブリッジ付近の穴(図左部分)。ベースの場合、ここにはブリッジが載ってその真下に穴がくる具合ですが、サスティンに大きく影響するでしょう。当方のベースにはリプレイス・パーツであるバダスⅡブリッジが載っているのですが、ブリッジの質量をいくら増やしてサスティンを稼ごうとしても、このホールの上では効果がかなり減ってしまうように思います。結局、自分の楽器もこのような構造になっているのか、材は何なのか、レントゲン撮影やDNA解析しないと解らないのですが、楽器の内部構造はなんだか神秘的でとても気になります。
PC関連の備忘録。当方Win10とMacの併用環境ですが、年末からWin10に外付け(USB経由)SSDのプチフリ症状に襲われておりました。データはすべてSSDに置いてある状態ですが、音楽(wav)や映像(mp4)の書き込み中に突然接続が寸断(=プチフリ=プチ・フリーズ)されてSSDが強制排出される結果、データ書き込み中でもまったく遠慮も容赦もなく切断され、当然にデータ書き込みエラーになる、という発狂状態に襲われておりました。その後、ケーブルを差し直して再起動すると接続が回復するのですが、またしばらくするとデータ書き込みをやり直し→またプチプリ…となるするので本当に発狂です。ネットでいろいろ調べた結果、以下の問題と各ソリューションがある様子にて、全てをトライしたものの症状は改善せず…。
①「JMF602」コントローラー問題
②「LPM(Link Power Management)」設定問題
③ USBファームウェア問題
④「SysMain(Superfetch)」問題
⑤ SSDファームウェア問題
残るは物理的な問題しかないと思い、USBケーブルを高級(笑)なものと交換すると完全解決!あの1.5ヶ月の発狂と苦悩は何だったのか…。それまではSSDケースに付属してきた安物ケーブルでした。ちなみに高級といっても1500円程度の充電性能を十分に謳っている有名メーカー製です。想像では、従来の貧相なUSBケーブルではSSDが要求する電力を供給しきれずに切断となったのではないか、と。USBケーブルはとくにType-Cになってから規格が乱立していて全くワケがわかりませんが、従来「(楽器の)ケーブルなんて所詮プラセボで、安くてストレスなく使えればOK!音なんて変わらん」との主義主張でしたが、USBケーブルで反証を喰らうとは…。
ノブ萌え(燃え)収まらず、ついに暗紺色の小型ノブを入手!前回のような大型のノブでは小さいエフェクトだと隣のノブと干渉するので小さいノブを探していたが、ネットの画像検索にて発見して購入しようとするもそのサイトはAliExpress…。中華系サイトと思われるが、超ニッチなパーツを購入するのは最適。今回のノブをはじめとして恐ろしいほどのニッチなパーツでも取扱があり、さらに激安!製品だとその信頼性に懸念があって購入は躊躇するが、一次製品に近いものであればそのリスクも低く、自作・修理派の当方としては非常に重宝。カード情報の流出リスク等はあるが、様々な方法でヘッジすれば全く問題ない。というわけで今回購入したのがコレ。10個で500円弱(配送無料)だったが、いつもはゆっくりな配送なのに今回は予想外に早く到着。AliExpressでよろしいのは荷物がどこにあるのか追跡できることで、ちょっとした旅行気分。前回にスキャナ部品を取り寄せた時はタジキスタンからやってきたが、今回は定番の中華人民共和国。さらに東莞市鳳崗鎮とあって、どこ?という感じだがマップで見てみればなかなかに趣ある街並みで感慨深し。パーツ程度の大きさだと国際郵便で送られてくるが、パッケージが超怪しくて家人からは不評。予め「怪しい郵送が届くが気にするな」と言っておかないと。毎度ちょっとした騒ぎに…。「開けたり、受け取った時点で法外な支払義務が生ずるような新手の詐欺?」とドキドキする(怒、というが、それも首肯できる怪しいパッケージで到着する。国際郵便なので怪しいパッケージのわりにはガッチリ封入されているので尚更怪しいのだが、中身はただのノブ…。今回のノブだが、ポイントはその色。明るい青色のノブは数多存在するが、これは灰色がかった青でなかなかにシック。英語の色表示はDark-Blueとなっており、ニーヴ(Neve)についているノブのコピーで作りは少々雑だが使用には全く問題なし。AliExpressをはじめECサイトでは一度購入や閲覧するとオススメが次々と表示され、魅力的なものが多く、このままだとノブ屋を開店する勢いで購入しそうでコワイ。
高校時代から愛用していたブロック文字のDyna Comp。CA3080(いわゆる缶IC)搭載のヴィンテージで、CTS製ポットの刻印から判別するに80年製と思われます。大学時代には不埒にもdbxに走ってしまったので暫くお蔵入りでしたが、YouTubeで「MXRコンプ歴代弾き比べ」動画を見て俄かに興奮(普段は柴犬動画しか見ないのですが)。持っているコンプを弾き比べようとゴロゴロと在庫のコンプを持ち出すも、ほとんどのコンプはDCイン付きで問題なし。しかし9Vバッテリー駆動のみ、オンオフのインディケーターさえ無しのDyna Compは電池しか受け付けないので電池を入れようと裏蓋をドライバーで開けようとするも、なぜか開かない…。隙間にヘラを差し込んで無理やりこじ開けるとワラワラとシットリとした茶色い粉が!「ひっ!」と心の声が思わず漏れるが、また出た!加水分解…。Mooradianの次はDyna Compか…と衝撃を受けるもMooradian以上に酷い状態。サラサラなら除去しやすいが、これはなんだかシットリ感あり、基盤にもシットリと付着しています。電気系なのに…。そのシットリ影響なのかトリムには緑青(ろくしょう)も。確かにかつてはプリント基盤がウレタンで巻かれていましたが、それが完全に加水分解で崩壊しています。まずは廃・歯ブラシでプリント基盤上のウレタンを丁寧に除去。抵抗やコンデンサー等もシットリ感によって脆くなっている可能性があるため、丁寧に粉を落とします。落とし終わってもなんだか粉粉感否めず、プリント基盤を持ち上げると…そこには加水分解したウレタンがギッシリ。2度目に「ひっ!」となるも、こちらも丁寧にブラシで落とします。茶色くこびり着いているものを落とそうとするとプリント基盤上の配線もろとも剥がれてしまいそうで注意深く必死に作業。10分程で97%は除去したと思いますが、致命傷を負う可能性のある部分はそのままにして、まずは生存チェック。電池を繋いで弾いてみますが…音が出る!さすがMXR!頑強! ノイズやハムもなく、なんとなくレンジの狭いあの懐かしいコンプ感もそのままです。絶縁性の目的でウレタンでカバーしたようですが、経年劣化で加水分解ともなると何のための絶縁性? 他にもウレタン内蔵の機器がないかと異様に不安になるというウレタン恐怖症に罹患しました。
※トップの写真は蓋を開けた直後。下はプリント基盤を持ち上げた時…。
ついに練習環境にもAI(人工知能)の波が…。太古から練習・コピーは音源に合わせて、というのが定石でしたが、その際にベースが入っているオリジナル音源に合わせて練習するとどうしてもいろいろ甘さが出てしまうため、Myマイナスワン音源を作成してよく練習しておりました。以前のマイナスワンはEQを使ってベースの中心音域たる100~300Hz付近を削って作るも、DAWの時代になってもどうしてもドラムを中心に位相問題が生じて音的にイマイチ。常にドラムにフェイザーがかかっており、コブハムと演奏している雰囲気は味わえましたが…。そして歳月が流れて世の中は進歩。突如Spleeterなるものが登場したため早速使ってみると、あら意外にイケるじゃないですか。Spleeterは音源を投入してPC処理すると、プレイヤー毎にトラックが分離されるというものです。音源を投入して処理するとドラム・ベース・キーボード・ボーカル等とステレオトラックにそれぞれ分離できる、つまり、ボーカルを分離するとそのトラックにはボーカルしか入っていないという状態になります。これであればマイナスワン音源(カラオケ)の作成は簡単。すべて音源を分離し、抜きたい音以外をマルチトラックでリミックスすれば良いだけです。それぞれの単体トラックを聞くと「う~む…」という内容ですが、リミックスすると意外に使える。ポイントは、インスト曲であってもボーカルを分離した場合になにも入っていないはずのボーカルトラックも同じバランス(フェーダー位置が同じ)でミックスすることです(倍音や位相に影響する微弱音が入っている)。これでベースのマイナスワンを作成するとどうなるか。ベースのハイフレットフレーズは「ベースでない」と判定され、ギター等のトラックに飛び込んでくる誤認はあります(だってAIなんだもの…相田みつを風)が、ベースはほぼキレイに抜けます。ベースの場合は音域が低く、定位がセンターであることからAI的には学習しやすいのか?とも。 ドラムやパーカッションはディケイ(Decay)するので分離しやすそうですが、逆にギターとキーボードトラックを分離できるかはなかなか困難な模様。ちなみに世の中には無償のマルチトラック(DAW)もあるので音源さえあれば無償で作成できます。音源はmp3でも分離可能(出力はステレオチャンネルのwav)、分離にはPCのスペックを求められるようなディスクレーマーもありますが、当方の6年前のPCで4トラック(ドラム・ベース・その他・ボーカル)の分離で所要2~3分です。
※著作権問題には充分ご留意を。