Side Steps' Today

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玉肌日記

2008年10月30日 | 玉肌日記
【地獄谷温泉(長野県下高井郡山ノ内町)】
渋温泉の奥にある温泉。道の果ての駐車場から15分程度徒歩しかアセセスの無い温泉で、さらにその温泉宿を抜けた先には地獄谷猿公苑なる猿観賞施設があることから、宿に荷物を置いて、早速猿公苑へ。途中には源泉が高く吹き出る温泉噴があるが、もうその付近から野生の猿がうろちょろしている。奥に入って公苑内には完全なる放し飼い状態の猿が右往左往しており、温泉と思しき池には猿が入浴している姿も。完全に水にはなじんでいる模様で、中には水中を潜っているのも。餌と思しき大豆を撒くときは圧巻で、合図の笛でどこにいたのか、という多くの猿が飼育員に付近にやってきては、地面に落ちた餌を必死に拾っては口にしているのだが、この姿にはなんだか浅ましい人間の姿を見ているようで、深く考えさせれる...。さて、地獄谷温泉だが、このような公苑の中にあることから、猿アトラクションに事欠かず、宿泊棟の屋根に登っている猿がいたり、屋根から猿が飛び降りて来たり。究極は露天風呂に猿が入っていることもある(Times誌に写真入りで紹介されたこともある模様で、宿泊者にも外人が異様に多し)ようだが、部屋の窓を開けていたら完全に猿が侵入して部屋の中を荒らされるとのこと。で、肝心の温泉だが、この猿アトラクションに完全に押されている感はあるものの、意外によろしく、微かな硫黄の匂いがする良質なる温泉。源泉が熱いので、これまた加水しているのだが、加水バランスが絶妙でいつ入浴しても素晴らしい適温。源泉掛け流し状態で、中には蟹の剥き身状の湯の華が舞っている。猿も来るという外の露天は混浴、かつ観光客からも丸見えであることから、宿泊して朝の入浴が最適ながらも、露天以上に内湯がよろしい。そういって温泉に入ってのんびりとしていて、朝テレビをつけてみると、リーマンが破綻していた...。慌てて帰京。

玉肌日記

2008年10月29日 | 玉肌日記
【渋温泉(長野県下高井郡山ノ内町)】
渋温泉はこの付近にある湯田中温泉と一緒にかなり有名なる温泉地であり、「千と千尋の神隠し」なる映画でその湯宿のモデルとなった金具屋なるレトロな温泉宿が有名なるも、その前にある渋温泉大湯へ。ここは9カ所の外湯があるが、すべて鍵がかかっており、地元の人と宿泊者しか利用できなかったのだが、この大湯だけは外来者にも開放しているとのことで、早速訪問。付近には、なかなか雰囲気のある温泉街が形成されており、車一台がやっと通れる道を挟んで温泉旅館や土産物屋が並んでいることから、なかなかに静寂。地元と宿泊者だけにしか開放しないというのも、やや狭量なる印象も受けるが、かなりアナーキーになって、これを抑え込もうと逆に民生委員が目を光らせ、結果として窮屈となっている野沢温泉等と比較すれば、これまた見識だろう。券を購入して付近のお店の人に見せると、その人が鍵を開けてくれるという仕組みなのだが、なかなかに混雑しているが、常識をわきまえた温泉好きが多い様子。他の湯は透明なるものもあるようだが、ここは赤錆色で鉄分を多く含んでいる模様。早速に着替えて入ろうとするも、脱衣所からして換気が悪く、かなりなるサウナ状態。湯に入ろうとするも、これまたかなり熱く、あまり長湯はできず。別にサウナ(蒸風呂)もあるのだが、それを必要としないほどながら、確かに湯の質は良さそうながらも、他の8つにも連続して入浴するともなればこれまた苦行かも知れない。サウナ状態の脱衣場で吹き出る汗を拭きながら着替え、外に出ればこれまた秋風が涼しく、極楽。温泉街を散策しつつ、汗を乾かす。

玉肌日記

2008年10月27日 | 玉肌日記
【熊の湯温泉(長野県下高井郡山ノ内町)】
志賀高原にある熊の湯温泉へ。この付近は大学時代にサークルの合宿で来ていた記憶があるも、一日18時間も練習していて、ほとんど外回りをしたことがなかったのでこの付近の温泉は完全にノーマーク。今回はその湯の色がエメラルド色である熊の湯温泉を訪問することとなったが、この付近は白根火山帯の一角であって、湯も硫黄系。この湯の色を見れば、直感的には東北の国見温泉を思い出すが、成分的にもそれに近いか。温泉街自体はホテルが中心で、明らかに夏は閑散としており、冬はスキー場で賑わうという環境ながら、冬では雪や白銀に隠れて目につかないボロさが夏ではどうしても目につくが、当該温泉ホテルはなかなかに活況。周囲のホテルが同様な湯を持っているかどうかは不明ながら、この湯を目指してくる人は多い模様。早速入浴するが、入浴前の脱衣場で香るのはなんだか変な匂い。一瞬トイレの匂いかとも思うのだが、それは温泉の匂いであって、前述の国見温泉が強烈なサンポール臭がしていたのと同様、ここにも微かなるサンポール臭。温泉の匂いと分かればそれもまた良い匂いと感ずるのは、これまた不思議だが、入ってみればこれまた適温。源泉が熱いので加水をしているというが、湯の色はなかなかに透き通っており、粉末状態の湯の華が湯底に沈殿。手で掻き混ぜてやると水中を舞うのだが、透明度はあまり変わらず。熱過ぎず、温過ぎず、素晴らしい温度調節だが、それ以上に素晴らしいのは内湯。木造の床や湯船等はコールタール色の渋い色になっており、非常に快適であって、申し訳程度にある露天は、その存在が完全に翳む。透明なので油断して長湯をしていると、体からはなかなかに強烈なる硫黄臭。サンポール臭を発しないのは幸いながらも、この匂いはしばらく抜けず。

散財日記

2008年10月22日 | CD批評
ケニー=ギャレット「Sketches Of MD: Live At The Iridium Featuring Pharoah Sanders」
(最近は温泉ネタばかりで辟易している方、お嘆きの方も多いと思いますが、音楽CDもこれまで通り購入、相変わらず散財しております)
ケニー=ギャレットの作品はどれを買っても、これまで外れたことがなく、それがトリオのコルトレーン=カバーであっても、マーカス=ミラーがプロデュースしたエレクトリックなもの、さらにスピリチュアルな内容であっても、なのだが、今回はライブ盤。The Iridiumなるライブハウスはブロードウェイ51st Stなので、タイムズスクエア付近にあり、非常に立地の良いライブハウスでNYにおける六本木ピットインのようなタイプ(開明的?)と思料するが、それほど広くはなく、渋谷エッグマン程度か。NYに住んでいたら、まさに入り浸りになりそうな危険な(これこそ散財)場所ながら、その中規模なライブハウスの雰囲気が伝わってくる内容で、ライブということもあって、吹きまくり。メタルのサウンドが喧しく聴こえるほどに、歳を重ねてラバー派になってしまったが、ラバーの方がダイナミクスや表現力があるのではないか、と思料。曲は比較的最近のアルバムからが多いが、最近のお気に入りなのか、ワウ+ディレイを咬ましたプレイもあり、ちょっと生音派には幻滅。しかし、アウトしていくあのプレイは健在で、そのゆらゆらしたウニウニ感が堪らず。5曲入りでほとんど10分以上の長尺だが、展開があって飽きず、どちらかといえば、クラブー(語尾にかけて上がる方の)で掛かっている(小職行ったことないのであくまで想像ベース)雰囲気で、ミックスのローをリズムが強調されており、かなり現代的だが、演奏がなんだかコルトレーン的だからか、時代に迎合しているような感じはせず。名盤。しかし、フィーチャリングされている”Pharoah Sanders”って誰?(寡聞にして知らず)

玉肌日記

2008年10月20日 | 玉肌日記
【温湯温泉(青森県黒石市)】
温湯(ぬるゆ)なる温泉街が黒石ICを降りたところにあったことから、東京への帰りに立ち寄るも、なかなかにシブい温泉街。というのも、温泉街入口の道路上に掲げてある「温湯温泉」(温湯と温泉の間に温泉マーク)なるレトロな看板にノックアウトされたため、なのだが、そのレトロな看板への期待を裏切らずにシブい温泉街が展開。温湯(ぬるゆ)と聞くと、温泉の湯温が低くて、温いというイメージが与えられがちながらも、この由来は「温もりを長く保つ湯」とのことで、実際に入ってみると、結構熱めな温度。めぼしい温泉を探して、温泉街中を走るも、その中心にかなり立派なる温泉施設「鶴の(名)湯」を発見し、早速入浴。非常に奇麗なる建物で、最近に改装されたと思われるが、この付近の旅館を見ていると、それぞれが温泉を持っておらず、この施設に入りにくる模様で、料金もかなり格安。早速入るに、まずは素晴らしい温泉の甘い匂い。かなり立派なる施設なので、循環系かとも思ったが、源泉掛け流しとのことで、湯量が豊富なのであろう、かなり豪勢なる仕様。温川温泉と同様に温泉は無味無臭であり、無色で湯の華はなし。シャワー等のカラン施設も数も充実しており、かなり立派なる銭湯のイメージで、この格安さ(200円程度だったと記憶)であれば、近所にあれば毎日通いたい内容。あまり長湯すると、この後の東京への激走(650キロ)があるので、後ろ髪引かれる想いで早々に切り上げたが、さすがに名湯たる貫禄充分。
※最後になりましたが、北海道の温泉情報については、北海道札幌在住Mさんより貴重かつご親切なる状況を頂戴しました。この場を借りてお礼申し上げます。

玉肌日記

2008年10月16日 | 玉肌日記
【温川温泉(青森県黒石市)】
温川とかいて”ぬるかわ”と読むが、黒石から十和田湖へ抜ける道沿いにある温泉で、かなり十和田湖に至近。温川山荘なる一軒宿があるのだが、2300キロを爆走(それでも前回比△500キロ)した北海道からの帰りに青森のフェリー乗り場から直行で訪問(東北自動車道黒石ICから20分程度)。建物はかなり年季の入ったシブいものながら、新館もある模様。対岸の駐車場に車を停めて、橋を渡って旅館へと向かう。温泉は内湯と男女混浴の露天風呂だが、まずは露天へ。「露天は~?」とそれが見える筈の窓際から露天風呂を見るも、結構客室から見えてしまう位置が一部あり、リスクを感じるも、気にせずゴー。ロビー脇から階段を降りて行くと、そこに男女別の着替えスペースがあり、其の先は露天風呂。湯底は平面な石で敷き詰められており、水深はあまりないものの、かなり奇麗に作ってある。この露天風呂、「藤助の湯っこ」との名称であり、”(北山)藤助さん(大正12年82歳没)のつくった湯”を宿の人が手作り再現したもの。周囲はブナやカエデの林に覆われ、緑一色。隣を流れる川の音しか聞こえず(一部では川の音がうるさいという人もいるようだが...)。温泉は無味無臭であり、無色。湯の華は極少量の木の破片様があるのみで、湯温は適温。カメムシが異常発生していると聞くが、直接その害を受けることもなく、入浴+森林浴を満喫。なお、青森ヒバで作られている内湯も素晴らしく、甲乙付け難いが、個人的には内湯が好み。吉川英治の定宿とのことで、ここで文豪気分にて日記を執筆。

散財日記

2008年10月14日 | CD批評
鳴瀬喜博「Stimulus」
CD、MD、DAT、カセット大整理の中から出てきたカセット版の「Stimulus」を発見。早速テープがダメにならないうちに、ということでデジタル化。86年程度の作品と思われるが、新譜状態で購入したので、これを聞いていたのは高校生当時だったかと思うとこれまた感慨深いが、演奏は比較的容易なので、その収録曲ほとんどを耳コピした記憶が。今でもフレット上の運指が浮かぶほどに鮮明だが、聞き直してみるとなかなかに新鮮なる内容。ベーシストのソロ作品はあまりにベースにフィーチャーしていて、正直楽曲的には冴えないことが多いので、よほどでないと購入しないのだが、そのような以降の経験則に即しても本作品は楽曲的にはなかなかよろしいと思料。ベース的にはテナーとかピッコロとかいろいろやっているのだが、それが嫌みでないのが良いのだが、名曲はB面(カセットだから...)の一曲目(所謂Bイチ...隠れ名曲が存在する確率が高い位置)にある”Under My Feet”。それまでになんとなく”VOW WOW”なるバンドは、聴き込んだことはないものの、スゴいバンドではないかと思っており、当時これにて確信したことも思い出すが、歌はそのVOW WOWの人見元基。ライブ盤の「うるさくてゴメンねLive」でも収録されており、他ボーカルが歌っているが、失礼ながら雲泥の差。メタル声(VOW WOWはハードロック?)はそれまで完全敬遠だったが、この歌は素晴らしく、そっちの方面も開眼してもよろしいか、と思うほどだが、もうこの類いはクラシックハードロックの域(当方高校生時代にはロック系は皆こんな歌い方だったが)で既に絶滅か(VOW WOWの山本恭司もなかなか好ましい)。他ではギターはCHAR(と斎藤英夫)、ドラムは、そうる透というメンツで豪華ながら、これにTuneのフレットレス(w/ピエゾピックアップ...と音を聞いて勝手に想像)を弾いているのがまた素晴らしいセンス。と思って、人見元基のウィキペディアを調査して見るに、壮絶なる都市伝説(?)の嵐でなかなかに笑える。W大ロッククライミング(音楽サークル)出身のインテリ系シンガー(外大卒)だったか。

玉肌日記

2008年10月08日 | 玉肌日記
【上ノ湯温泉(北海道八雲)】
いわゆる”銀婚湯温泉”であり、北海道南部でも名高いことから早速訪問。海岸から10キロ程度内陸に入るが、旅館自体が広大なる土地を所有しており、散策路の途中には露天風呂がいくつか(訪問時には3つ利用可能)あるというユニークなる宿であって、早速その中の一つの”トチニの湯”へ。かなり恐怖感を覚える吊り橋を渡って川の対面にいく(あまりにも揺れることから、渡り終えた後でも体が大きく揺れている感覚が強く残る)が、徒歩ちょっと、と思ったら結構なる距離。夕暮れの時間帯であったので、薄暗い白樺林はクマ等出没の恐怖を感ずるが、持っているのはタオルと蚊取り線香のみ。10分程度歩いてやっと温泉に到着するが、川岸にあってかなりワイルドかつ開放感のある環境。湯船は丸太を切り抜いたものと枡形のものと2種類あるが、付近に源泉(”川向2号”なる名称)があり、このトチニの湯のみに供給しているというこれまた贅沢なる仕様で、ついては”源泉濃度は銀婚湯No1”とのこと。簡易なる脱衣所で着替えて入浴するも、そういう季節なのかそれとも時間帯なのか、周囲には蚊が多くて閉口(特に血液型がO型の当方に蚊は集まると聞く)。蚊取り線香は宿が貸してくれるものながら、これは必須であって、美味しい人間が入浴するのを待っているかのような蚊の集まり具合だが、丸太風呂に入って川を眺めていると、まさに東京DLにあるスプラッシュ-マウンテンなる遊具と同様で、第三者から見れば、かなり滑稽なる光景と思料(入浴者もやや赤面必至)。それ以外にも館内の温泉は5つある源泉のうち4つからそれぞれ引いており、源泉掛け流し。泉質は塩化物泉系でやや赤褐色の濁り湯。蚊の季節でなければ非常に素晴らしい環境かつ温泉であり、北海道の温泉宿でも常に上位に位置するのが理解。

玉肌日記

2008年10月07日 | 玉肌日記
【八雲温泉(北海道八雲)】
見市温泉からは国道277号線の雲石峠の逆サイドにある温泉。277号線からは数分で施設に到着するも、この施設、町営から民営に変わった模様にて、なんだか半官半民の妙な雰囲気を残している。この付近は塩化物泉(食塩泉)が多く、内容は見市温泉と同様ながら、こちらは露天風呂がよろしい模様で、早速露天へ。こちらも塩分の強い黄土色の湯で満たされているが、どうにも温泉鮮度が低いような気がして、内湯へ。内湯は美人の湯とのことながら、湯的には塩化物泉(食塩泉)で塩味+鉄サビ味。しかし、この濃厚なる黄土色の湯がこれまた効きそう。湯温はやや熱めであり、体を冷ましながら数度に渡って入浴。析出物が多いのか、浴槽ふちから浴場タイルはやや褐色色となっており、ここで体を冷まして再度入浴する人多し。確かに浴後にはかなりの保温感にて、まさに北海道に相応しい温泉と思料。

玉肌日記

2008年10月06日 | 玉肌日記
【見市温泉(北海道熊石)】
見市と書いて”けんいち”と読むが、八雲から熊石に抜ける国道277号線沿いにある一軒宿の温泉。山中にあるのだが、海(日本海)が近く、この道を降りていったところには”あわびの町 熊石”があるとのことで、未訪問ながらもそこの”あわびの湯”なる温泉も非常に気になるところだが、この見市温泉でもアワビフルコースなる宿泊メニュー(しかも値段は13800円!!)があり、大いに心惹かれる。鄙びた感じはあるものの、風呂場はかなり整備されており、清潔。内湯とともに、川沿いに小さいながらの露天風呂。露天風呂は底は浅くコンクリートと思われるが、川音を聞きながら新緑を眺めての入浴は開放感あってグー。内湯対比で比較的温めであり、長湯ができるという案配。ちなみに泉質は塩化物泉系でやや塩味がするも、鉄サビっぽい感じもして、系統としては二股ラヂウム温泉を希釈したような印象(ながら当然に源泉掛け流し)。一方で内湯は熱く、かなりの量の湯の華が沈殿。撹拌すると一気に浴槽内を舞うが、湯の華はまるで鉛筆の削りカスのような具合で、赤い色も混じることから、まさに”赤鉛筆の削りカス”を想像させる。これを浴びるべく浴槽を撹拌し続けていると、それなりの水中運動となり、発汗かつ疲労。しかし、効能書きによれば、湧出時には無色透明であって、含まれる鉄分が空気に触れて酸化することでこの赤褐色になるとのこと。食塩泉系の温泉は体が良く温まるが、ここは源泉温度も高く、60~70℃程度。アワビで温泉、これは都心近郊にあれば定宿必至(しかしコストが13800円とはならないか...泣)。

玉肌日記

2008年10月01日 | 玉肌日記
【奥美利河温泉(北海道今金町)】
美利河と書いて”ぴりか”と読むが、これまた山奥の温泉。この”ぴりか”なる音が非常に印象的であり、なによりその響きのみで訪問を決定。ちなみにピリカはアイヌ語で”美しい”の意で、アイヌ語は非常に音が美しいと思料、漢字の充て方もよろしい。国縫(くんぬい)にある二股ラヂウム温泉から直線距離では3キロ程度と至近ながら、山で隔てられており、それを結ぶ山道もないことから車で街までおりてから南下、そしてまた山道を爆走しなくてはいけない。山を隔てれば泉質も二股温泉のそれとは全く違っており、無色透明無味な単純温泉(正確には弱アルカリ性低張性温泉)。ログハウス風の温泉棟だが、内湯は男女別、大きい露天風呂へは内湯経由で出ることが出来るが、ある程度の壁以上を進んでいくとその先は混浴。男性内湯は窓がなく、照明が一個のみで日中でも暗い雰囲気だが、なんだか湯の流れる音とともに非常に落ち着く。露天は遠目からは緑の湯のようにも見え、当方の後に程なく来たオジさん夫婦(神奈川厚木から来たとのこと)も、写真で緑の湯に見えた(からわざわざ来た)と言ってはいたものの、その緑は、この手の低温なる温泉、しかも露天に繁殖する藻であって、これはここでも同様(そのオジさんも”藻だよ~”と落胆なる様子)。露天では湯槽底の玉石が苔か藻で滑りやすく、水中も藻が多く、透明なる単純温泉だけにそれが一層目立ってやや不気味。湯温は38℃程度と低いが長湯が可能で湯後もあまり疲れないのがよろしい。どこかの温泉の脱衣場に記載掲示されていたが、温泉に1回入浴すると4キロ走ったのと同じ体力消耗をするとのことで、真偽定かでないものの、そうであればここ最近は一日4~5回程度は入浴していることから、20キロも走っている勘定となるのか。内湯には長居したが、湧出量が乏しいのか、投入される湯量は少なく、ややシャビーながら、この山奥にログハウス風建物、そして宿を兼ねた管理人在住ということを考えれば、贅沢は言えないか。