Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

東京タクシー伝(4)

2004年07月30日 | 時事批評
提供系、といえば、ビール等の物品ではないものを得られる場合もあります。情報化社会の昨今、その情報も強力な提供ツールでありましょう。エコノミスト気取りな人には、運転手さんとの会話の中で日本経済の景況感を感じ取るという人もおりますが、そんなのでは他との差別化はできません。もっとコアなツール、それは会社の内部情報であります。前回までに「特定の会社前で待機する」ことについて書きましたが、特定の会社員を乗せていれば、自ずとその会社の状況について詳しくなるものです。しかも恐ろしいのは、その会社員以上にその会社に詳しいという場合です。とある運転手さんの場合、話の中に偉い人の名前が大量に出てくるところを見ると、彼らはすべてお客なのでありましょう。リーク的な情報はさすがにないながらも、会社内の雰囲気、さらには会社としての”勢い”については、内部にいて客観的に感じることのできない社員自身よりも的確に把握しています。その運転手さんは”銀行系専門”らしく、この銀行はどうだ、あの銀行はどうだ、という話を一方的に話します。さらには、90年代以降の都市銀行(いまはこんな言葉使われなくなりましたね~、みな”メガバンク”というのでしょうか?)合併について、かなりの確率でその合併時期や合併相手を当てたというのだから、この極めつけの話を聞くともう満腹でありました。余談までに、この運転手さんは誰にもこの話をしているようで、話の筋道も決まっていることが周囲との会話で判明いたしました。

投機的エフェクタ(7)

2004年07月29日 | 機材マニアック
BOSSのコンパクトエフェクタ史において、そのビンテージマーケットの雌雄を決するのは、スペクトラム(Spectrum=SP-1)とスローギア(Slow Gear=SG-1)と、でありましょう。スタンダールではありませんが、その色もまさに「赤と黒」なのであります。ともに電池ネジが「銀ネジ」(現行は黒ネジ)で、内部のスイッチもスケルトン・スイッチで、マニア心をくすぐります。スペクトラムは、基本的構造はイコライザーながらも、”半ドメ・ワウ”というワウペダルを途中で固定した時に得られるフィルターサウンドを作れることで有名であります。以前に和田アキラがこのようなフィルターサウンドを松岡直也バンドで使用していたのを聴いた高校生な私は、このようなサウンドをどのようにしたら出せるのか夜も悶々としてしまった記憶がありますが、これもスペクトラムを使用すればイッパツであります。ただ、さすがに周囲を見回してもこれを持っている人は見たことがありません。。。。市場実勢では外見がキズありでボロくても5万円程度はするようです。

東京タクシー伝(3)

2004年07月28日 | 時事批評
ジャズタクシーとは言わないまでも、同様の「提供系」タクシーでごく一般的なのが、「乗るとビールが出てくるタクシー」であります。乗って行き先を告げると、それが一定の距離を超えていれば、なのでしょうが、「そこにビールがあるから飲んでよ」。「え、どこですか?」「センターにある肘掛けの中に冷えているからさぁ」という感じです。空けると冷蔵庫になっていて中には冷えたビールとおつまみ。勿論運転手さんは飲みませんが、これで一杯やりながら帰宅するという具合です。「もうビールは沢山...」という方や女性にはウーロン茶やコーヒー、オレンジジュースとバリエーションも豊富です。これで冷えた(もしくは熱々の)おしぼりがあれば完璧ですが、ここまでくれば”走る居酒屋”状態であります。当方が経験しただけでも2回、それも別の運転手の方でしたから、同様のサービスをするタクシーは多いのだと想像します。このようなサービスを気に入ってもらえれば、携帯電話で直接顧客と連絡し、常連としての関係を構築できるのだ、ということであります。顧客の身元という点でも書きましたが、一番恐れるのが、犯罪に巻き込まれること、タクシー強盗でありますから、”流し”を極力やめて特定顧客を獲得することにこのようなサービスを行うことはそれなりの経済合理性があるのであります。

ふとした質問コーナー(2)

2004年07月27日 | 機材マニアック
前回にある程度書きましたが、「一番チラチラ見ている度が高いモノ」は右上にありますチューナーであります。チューナーとは音程(ピッチ)が正しいか、音名とともに音の高低を示すものです。演奏者としては当然でありますが、正しい音程が出ているかどうか、非常に気になるのが通常と考えます。というのも、最近は柑橘系植物名を冠した二人組に代表される「ストリートミュージシャン」が跋扈しており、僕の利用する駅でもギターを鳴らして歌うような若人を良く見かけるのですが、ツカツカと歩み寄って「お前、きちんとチューニングしろ!」と恫喝せずにはいられない輩が非常に多いのです(変なサラリーマンと思われるでしょうから実際はしませんが)。大きく狂っているのならまだしも、微妙にズレたチューニングでコードなんか弾かれた日には脳味噌を掻きむしられるような不快感となるのであります。ウォークマンの音量を上げて足早に通り過ぎるのが賢明であります。閑話休題。というわけで、このような不快感をお客様に与えないよう、細心でチューニングしています。弦楽器の場合、ステージの温度は勿論のこと、押さえる左手の力の変化でも音程はズレて来ますので、注意しております。チューナー等を使用せず、耳でズレが判ればカッコ良いのでしょうが、上手そう君な僕にはそんな実力もなく、悲しいかな、機械頼りなのであります。

投機的エフェクタ(6)

2004年07月26日 | 機材マニアック
高騰率は150%程度と控え目ながらも、今後に期待が持てるのが、BOSSの”Dynamic Filter(FT-2)”であります。これはワウでありますが、BOSSのワウと言えばTouch Wah(TW-1)も所有していたのですが、手放してしまいました(無念だ.....財前教授”白い巨塔”・風に)。FT-2は生産期間が短いためプレミアムがついているようですが、TW-1がタッチワウという、ピッキングの強弱だけでワウをコントロールするのに対して、外部ベダル(Expペダル)を使用することでペダルワウにもなるというスグレモノです。個人的にはワウが大好きながらも(家で弾く時は結構ワウをかけています......笑)、バンドでは使用することが少なくて残念であります。ワウについては、その性質はフィルターということもあるのか、ギタリストの”シンセサイザーのような音を出したい”という動機に対応しようとする製品が多く、結構無茶な製品もあったと記憶しています(高校生の私は当時エレハモから出ていた”マイクロ・ベースシンセサイザ”というエフェクトが欲しくてたまりませんでしたが、高校生には高価[8万円程度だった記憶]で買えませんでした)。現在はまさに”ギターシンセ”なるものが登場し、フィルター等を駆使してシンセ風の音を再現することが徒労ともなる状況でありますから、当時の”無茶という気鋭”感が希薄なものになりつつあるのは残念に思います。人は満たされないことにより、より創意工夫を行う動物でありますが、このような意識の高かったエフェクタ黎明期の70~80年代前半の製品には、非常に「志が高い」、興味深いものが多いのが実情で、これらがビンテージとして取引されるのも非常に納得できると言えましょう。

東京タクシー伝(2)

2004年07月24日 | 時事批評
ではなぜ、個人タクシーがオフィス街に並ぶのか、これについてはいつの間にか馴染みになった運転手の方に質問したことがあるのですが、その方曰く、「駅前では様々な人が乗ってくる可能性があるのに対して、オフィス街はオフィスから帰宅するサラリーマンが中心であることから、犯罪に巻き込まれるリスクが少ない」ということが理由でありました。特定の会社前に並んでいるタクシーも多く、事実当方もこれを利用しているのですが、これであれば完全に顧客の会社を特定することでリスクをヘッジできるということになります。ただ、この場合、その当該企業が残業規制や就業ルール等を変更すれば”待てど来ない”状況にもなり得ますから、ギルド的に個人タクシー乗り場のような場所が自然発生したようであります。閑話休題。そのような個人タクシーでありますが、まさに個人営業主、一国一城の主、ということで、車内にもさまざまなサービスが満載なことが少なくありません。直接体験したわけではありませんが、深夜帰宅の際に皆の恐怖の的となっているのが、「ジャズタクシー」。個人的には一度乗ってみたいのですが、真空管(マッキントッシュだったか)のアンプを積んで大音量でジャズをかけまくって走るというものです。職場で僕の隣に座るK君が深夜残業の帰宅時にヒットしてしまい、ご丁寧にも当タクシーのパンフまで頂戴して、後日僕に報告してくれたのですが、音楽、特にジャズには全く興味のないK君が乗車直後、マスターが「いい音でしょ」といったことに「いい音ですね」と相槌を返したが最期、下車まで大音量でジャズを聴かされたとのことでした。この日の残業は「残って、しかも大ヤラレ」という状況でしたから、かなり意気消沈していたのですが、眠る隙も与えず、最後までガンガンのジャズを聴かされたとのことでした(深夜2時)。

投機的エフェクタ(5)

2004年07月23日 | 機材マニアック
これも高騰率200%以上ですが、BOSSの”Dimension C(DC-2)”であります。いわば”コーラス”でありますが、上品系です。本機の特徴はなんといってもその”潔さ”にありましょう。ボタン4つのみ、ureiコンプ等のお馴染みの同時押し技を使用してもヴァリエーションはそれほど多くありません。ご存知ながら本機はラック版Dimension Dのコンパクト版(これもボタン4つで3Uくらいあるので”ムダ感”は非常にある)ですが、Boss製品のなかでもその外観は異彩を放っております。中古市場では2万円台であり、10数年前に中古で1万円以下で購入したことを考慮すれば破格の高騰であります。本機の後継機種としてDigitai Dimentionがありますが、つまみが「通常」であり、ただのコーラスと成り下がっています。同様の効果は他のコーラス等で作ることができる(ニュアンス的にはTCのChorus+が近いと思われる)ながらも、その外観がプレミアムを生んでいるという希有のケースであるか、と思われます。

ふとした質問コーナー(1)

2004年07月22日 | 機材マニアック
本コーナーは以前頂戴したアンケート中にあったご質問について、ふと思い出し、ふと”お答え”するコーナであります。 今回の質問は...........
「演奏中に下をみて確認しているのは何ですか?」
鋭いご質問ありがとうございます。やはりお客様からはプレイヤーがチラチラ下を見ていれば、何を見ているか気になりますよね。ニュースにおけるアナウンサーがカメラの目線上にあるプロジェクタ上の原稿を読む時に視点が徐々に上下、もしくは左右に変化していて、「ああ、読んでいるんだな」と感じることが多々ありますが、非常に気になるものだろうと容易に想像されます(例示が複雑過ぎましたか....)。「下」にあるのは写真にあるようなペダルであります。これは昔、六本木ピットインで使用していたセット(現状とはちょっと違います)のペダルです。踏むスイッチが6個ついているのがMIDIペダルで、これでエフェクトの種類を変えています。僕はあまりエフェクトの種類を使わない方で、使用しても4種類程度、しかも気分によって、という感じであります。これらの操作に気を取られて演奏を失敗しては困りますので、失敗しそうな時は「踏まない」という豪気かつ瞬時の判断が要求されています(笑)。真ん中の縦長なのがボリュームペダルで音量を調整します。曲の最後にこれを絞ることで静かに音を切る等々で使用していますが、この経験の長さにして、依然として曲が始まったのに上げ忘れたことで音が出ず、狼狽(うろた)えるという失態を時々やってしまいます。右下はエフェクタのOn-Offスイッチです。当時はアンラッチが好きで、踏んだ時のみエフェクトがかかるようにセットしていました。ただ、ソロの間ずっと踏んでいるのがツラいこと、しかも、踏むのを止めてはいけないので、最初に変な体勢で踏むとそのままの変な体勢でソロを弾ききらないといけないこともあって今はラッチにしています(次回に続く)。

東京タクシー伝(1)

2004年07月21日 | 時事批評
山東京伝という人がいたが、ここではタクシーの話。深夜の帰宅ということで、月に一度はタクシーを利用するのですが、タクシーにこんなに個性があるとはこれまで全く認識していませんでした。というのも、短距離の移動には確率的にも大体大手タクシー会社を利用することが多くなってしまうからであります。大手タクシー会社のタクシーのサービスが悪いとは言いませんが、そのタクシーがまさに規格化された「サラリーマン」であるのに対して、個人タクシーは「個人営業主」。個人タクシーに乗らずしてタクシーを語るべからずであります。詳しいことは不明ながら昔読んだ本によると、個人タクシーの免許をとるにはある程度のタクシー歴が必要であり、ベテランが個人タクシーとなるとのことであり、利用者としてもその運転技術や道路状況の把握等、よりよいサービスが得られるのだと確信しております。ということで、深夜残業の帰りには個人タクシーを利用することが殆どであります。どのように個人タクシーを選別するか、という疑問がわきますが、当方の勤務する丸の内近辺では深夜にもなりますと個人タクシーのみが行列する場所が複数あり、そこを利用すれば良いのであります。当方の経験では駅前に大手タクシー会社が、駅より少し離れたオフィス街には個人タクシーが、という棲み分けになっているようであります(続く)。

今日の追悼CD

2004年07月20日 | CD批評
世間的には「幻の指揮者」と言われているよう(ここしばらく人前では演奏しなかった模様)ですが、今日のニュースで指揮者カルロス=クライバーが故人となったことを知りました。この人の指揮で最も良いのは82年録音のバイエルン=オケ、ベートーベン4番であります。ベートーベンの4番は3番(英雄)と5番(運命)に挟まれてマイナー感は否めないものの、曲的にはその2者を上回る出来と考えます。演奏も他の指揮者比で異常に速く、4楽章のファゴットによるテーマ等は演奏者が付いて行けていないスピードながらも、演奏が粗とならず、その勢いを十分引出しており、とてもパッショネイトな演奏でシビれます。これを聴いた84年当時、僕は中学生でありましたが、当時のシビれ具合を今聴いても十分思い出せる、そんな素晴らしい内容です。最も好きだった指揮者の死に合掌。

投機的エフェクタ(4)

2004年07月19日 | 機材マニアック
MXRについてですが、このデザインはエフェクタにおける典型的モデルであり、当初より十分に完成された、洗練したものであります。現在でもかなりの割合のエフェクタがこの”原型”を踏襲しています。コンパクトエフェクタについては、現在発売されているその形状が1)MXRタイプと2)BOSSタイプに大別されると思われますが、そのコンパクトさ、そしてコンパクトであるがために余分な機能(ツマミ)を排除したその「潔さ」等々を鑑みても、高校生時代ならいざ知らず、老成した今となってはダントツにMXRタイプを嗜好するのであります。MXRタイプでは電池交換も裏ブタのネジを外さねばならず、面倒であるのですが、それもまた愛着と思えてくるものです。電池しか使えないという、一見不便にも思えるそれは、電池の(それも交換直後の)方が音質的に優れており、他エフェクタと電源的に競合しないというマニアな思想であり、当時とすれば「非常に先進的」であったと曲解できなくもありません。

投機的エフェクタ(3)

2004年07月16日 | 機材マニアック
価格高騰率200%以上、なのがこれであります。MXRのdyna comp。コンプレッサーであります。購入は85年頃、当時既にビンテージでありました(生産は80年程度)。中古を1.5万円程度で購入したものの、現在の流通価格では4万円以上、とかなり高騰しております。一般にはその文字のロゴについて、筆記体バージョンとブロック体バージョンという2種類あり、筆記体の方が価格が高いことが多いようですが、個人的にはブロック体バージョンがデザイン的に優れていると思います。このコンプの心臓部であるICはCA3080Aというのが使われているようですが、これは現在生産完了しており、クローン等を作るのも難しいようで、これも価格上昇の一要因かも知れません。再発モデルではLEDのインジケータとパワーザプライ用のジャックがついていますが、オリジナルではそんなものありません。つまり、エフェクト(コンプ)がかかっているかどうか、音を聴いて判断するしかない、というまさにプロ仕様(?)なのであります。当方はプロではありませんので、volツマミをまわすことでエフェクトがOnかどうか判断しております(volはOnの時のみ有効)。加えて、意味不明ながらもゴム製のツマミカバーなるものが付属しています。当方の場合、これをvolサイドに付けて困った時の「音量アップ」ツールとして、足先の超高度なテクが必要とされるものの、使用しております(一度、ライブ中に音量が足りなくてこの技を試みたものの、異常に音量が上がりすぎて死んだケースがありました)。高校生の時、若さの戯れで張った「岩井」という千社札シールが中古流通市場での価値を貶めてはいるものの、今でも家宝の一台であります。

本日の発狂購入CDs

2004年07月15日 | CD批評
チックコリア=エレクトリックバンド「To The Stars」
 店内でかかっていたが、昔のエレバンぽい雰囲気ながら、弾きまくり系だったので、つい購入(ギャンバレのスイープフレーズにシンセのユニゾンがあり、無茶な感じで非常にシビレました)。というか、発売が遅れていたので、今日はこれを買いにCD屋に行ったのでした。。。

ペニーグッドウィン「Live」
 前回買ったスタジオ盤が結構良かったので、ライブ盤も購入。ジャケットにヤバいくらい力が 入っていないところが逆に好感。マリーナショウ系。

ボビーコール「A Point of View」
 滅多に試聴はしないが、男性ボーカルということでちょっとリスクを感じたが、一聴して購入。個人的には新ジャンルながら、声に格好良さを感じた。あまり最近の男性ボーカルにはない感覚。声的にはボビーコール”ドウェル”な感じ。

コンピレーション「Jazzeando Cubano Dos」
 コンピもあまり買わないが、上記試聴のついでに聴いて、つい購入。チューチョバルデス(Irakere) 系が入っていることもあり、ちょっとラテンを勉強面でも深入りしてみるつもりでした。

トニーウィリアムス「Believe It」
 ライフタイムだが、ホールズワースが弾いているので買わないわけにはいかない。持ってたっけ?と思いながらも廉価盤だったので、とりあえず購入。最近はこの手の記憶が薄れてきていて老化を感じます。。。(泣)

投機的エフェクタ(2)

2004年07月14日 | 機材マニアック
紹介する前に、掲題を考察するにまず、ビンテージとしての価値を高める必須条件を挙げておきます。勿論、市場経済でありますから、これはエフェクタの価格形成にのみ適用されるものではなく、ごく一般的なものであります。「世の中で流通する数量が少ない」がその第一点でしょう。これはa)生産されてから年数を経ていることにより、現役台数が減少している、か、b)「当初より発売台数が少ないという希少性」に依存します。加えて、商品としての価値と矛盾するようにも思える一点、c)「壊れやすい商品」という場合もあります。これについては修理も可能ながら、世の中には修理不可能な商品もあるから不思議であります。そのコピーを製作させないために、その基盤や電子部品をエポキシで固めてあるようなものがその例です。ちなみに、当方所有のサドウスキー・ベースは当時(製作は89年)そのアクティブサーキットが注目されていたこともあり、基盤と電子部品が全て黒く塗られてエポキシでコーティングされています。このようなものは修理不可能ではないながらも、修理すればその形跡が一目瞭然でありますから、これが価格にも大きく影響します。ビンテージ楽器の売買の際も、「修理跡の有無」情報は要チェックであるようです。

機材について(14)

2004年07月13日 | 機材マニアック
プラグですが、これは前回と同様、スイッチクラフトを使用するのが「上手そう君」的にも合格です。前回とは違うのはホットを接続するピンをそのままでは使用せず、組んだ線と直結できるように曲げることです。こうすることで、線材に全く負荷のかかること無く、組上げることができます。これはケーブルの今後の寿命向上、断線等トラブルの回避といった観点から非常に重要です。つまり、ハンダで止めることなくてもそのままで音が出る程に安定している状態を作ることが重要です。このように組上げることでハンダも少量で済み、その処理も非常に容易になります。ハンダ前の組上げがこのように上手く行けば、もうそのケーブルは完成したも同様といってよいでしょう。正直にゲロするのですが、これは実は自分で考えあげたことではありません。ある完成品のケーブルの接続部をみることで学習していったのですが、これを見ると既製品のケーブルでも結構いい加減にハンダしているものが少なくないことに気が付きます。昔からこれは気になっており、ケーブルを買う際にはプラグ部分を回して外してみて、中がキチンと「良い仕事」(by中島誠之助)がされているかどうかを確認しておりました。さぞかし楽器屋にしてみれば嫌な客でしょう。ケーブルのプラグを外してみて吟味し、その後「チッ」と舌打ちしては元の棚に戻す客なのですから(笑)。