Side Steps' Today

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北海道全線阿房列車(2)

2021年04月24日 | 畸観綺譚
北海道全線阿房列車(2)
この制約の中でJR北海道全線を制覇することを目論むが、ポリシーも重要。特急でガンガン回ればそれは時間短縮にはなるが、景色を眺めるには不都合。よって「特急の使用は必要最低限とし、できるだけ各駅停車を利用する」ことをポリシーとして計画を立案。その計画は順列組合せのパズルのような複雑さになるかと思いきや、あっけなく1時間も経たずに完成したが、そもそも各駅停車のような列車は運行本数が少なく、選択肢自体があまりなく、組合せはかなり限定される。さらに「盲腸線」と言われる、行ったらそのまま帰ってこなくてはならない路線があることに加え、また「景色が見えない日没後には移動しない」ことを前提に、この各停と盲腸線の制約条件を入れればスケジュールは比較的容易に確定する。その一方で、冬の北海道のリスクとしては運休や遅延がある。それによって乗り継ぎができない可能性を考慮し、機動的にその場でスケジュールやコースを変更できるようにする。さらには予備日程の確保をし、フリーきっぷで許される7日間ではなく6日間で回ろうとした結果、このような宿営地になる。初日は夜の航空機で新千歳に入ってそのまま①千歳・泊。その後、②釧路→③旭川→④旭川→⑤苫小牧→⑥函館→⑦札幌、そして新千歳から帰京する具合だが、運休等で宿営地変更のリスクもあるため宿泊さえも当日にオンラインで確保する(よって宿営地もホテル確保が容易な大都市とした)。移動効率を考え、函館イン稚内アウト等のローカル空港を利用することも検討したが、時間の遅い便に対応した上で発着日が多いのは圧倒的に新千歳空港なので、新千歳イン新千歳アウトとする。

【図】北海道の宿泊地をマッピング。万一荒天で足止めを食っても東京に戻れる地方空港があるが、本当の荒天にでもなれば飛行機も飛ばない…。

北海道全線阿房列車(1)

2021年04月17日 | 畸観綺譚
北海道全線阿房列車(1)
ワタクシは「鉄ちゃん」、いわゆる鉄道オタクではない。よって、「乗り鉄」や「撮り鉄」などいずれにも類しない。機動性や融通という観点では自動車が勝るし、雰囲気や景色は航空機が勝る。海は鉄道では進むこともできず、結果、最劣後にあるのが鉄道になるのだが、どうしても鉄道で行ってみたい場所があった。それは冬の北海道。積雪はごく稀という首都圏に住む身としては、積雪環境での車の運転は不安だし、広い北海道を労せずに景色のみを見て過ごすのは列車しかない。しかも、こちらの身をさらに焦燥させるのは徐々に廃止される路線や駅が出てきていること。廃止される前に乗っておきたい、駅で乗降したいという直接の欲求はないが、路線が廃止となれば眺められる景色も少なくなろうし、駅であればそれだけ速度早く流れゆく景色も増えようもの。ついてはこれを機会に現存するJR北海道の全路線を完乗することを計画。北海道自体はこれまでも車でほぼ全周を3回、さらに局地的であれば何回か反復的に訪れたことはあるので、距離感や土地勘はそれなりにある。ただ、車での距離感はイメージできるがダイヤに沿った列車の運行ではどの程度の時間を要するのかもサッパリわからず、まずは時刻表を見ながら検討。その一方で、許される時間は1週間。さらに言えば「北海道フリーパス」などというお得なキップが存在しており、これは連続する7日間でJR北海道の全駅全路線に乗降自由。さらには広い北海道のため特急普通席もフリー、特急指定席は6回まで指定可、というものである。

【写真】実際に使用した「北海道フリーパス」。特急指定席券を発行してもらう都度、★が押印されて回数管理する仕組み。

本自炊惹(ほんぢすいじゃく:本地垂迹) (5)

2021年04月10日 | 文芸批評
裁断済みの本はドキュメントスキャナーで読み込んでいきます。読み込み設定は各自のお好みで良いと思いますが、当方の場合、通常の本の場合はグレーのカラーモードを使用して300dpiで読み込み、PDF化します。白黒だと画面で表示した際に見にくく、挿入写真も酷くなってしまいます。自動判定の機能もありますが、ページごとにモードが変わることでガチャガチャしていてイマイチなので、全てをこの設定で統一してスキャンします。この設定であれば1冊300ページ程度の書籍で容量は60MB程度です(図表や写真によって異なる)。なお、文字検索可能なPDFにもできますが、実際に書籍名以外に文字検索をする機会が乏しいことに加え、OCR(文字認識)の精度も高くないので、単に処理時間とメモリを食うだけ…と思っています。しかし、このスキャンという作業が意外に時間がかかるものです。スペックでは20枚(1分間・両面)ですので、300ページだと全てスキャンするのに7.5分かかる計算ですが、横方向でスキャンすればさらに時間短縮にはなるものの、この際に大敵なのは「紙の重なり」。フィードする際に2枚同時にフィードしたことを検知してスキャナが止まってしまうという事態が意外に発生します。ピンチローラー等の消耗部品の限界が来ているのかもしれませんが、これが発狂です。原因は①静電気、②切断不足のためにノリで2枚ついているのが主な原因ですが、①ではなかなか良策がなく、スキャナの買い替え時かも知れません。ちなみに縦方向でスキャンした方が「紙の重なり」エラーは少ない一方で読み込む時間が要するので悩ましいところです。最後に出来上がったPDFのファイル名を「作者名_書籍名」に変更して完成。さらにファイル名一覧をエクセルにコピペで一括転写することで書籍データベースも同時に完成します。以降はこの書籍データベースを検索することで、同じ本を2度買ってしまうというミスも無くなります。(が、最近はタイトルと表紙絵を変えただけで再出版される書籍も多く、まったく油断はできません…)(完)

マルコーニ・ノブ

2021年04月03日 | 機材マニアック
これほどまでにノブ(Knob)に萌えた(燃えた)のは何時ぶりだったろうか…。前回の萌えはアルコノブ(AlcoKnob)だったのだが、アルコノブが相応の機能性(パッシブギターで良くあるアース・ノイズ等を拾わないアルミ製であること)を持っていたのに対し、今回の萌えは完全なるビジュアルとそのネーム。それはニーヴ(NEVE)のアウトボード等に採用されているマルコーニ(Marconi)ノブ。クラシックな形状かつ、くすんで控えめなトーン(色)がなんとも奥ゆかしい。経年変化で褪色しているような雰囲気が素晴らしいが、マルコーニとは英国の無線電信機器メーカー(伊発明家グリエルモ・マルコーニが創業)でその機器に採用されているノブであることからそう呼ばれている模様。いかにも微調整が効きそうな形状のノブで、矢印の180°逆側にも矢印モドキがあるという非常に特徴的な形状だが、逆側にラインはなく正しい方向を誤認する恐れはなし。クリア(透明)なワッシャーもオシャレ過ぎで卒倒モノ(古いツマミにはここに数字が書かれているものもある)だが、それに惹かれるのは形状もさることながらこれがニーブに採用されているからだろう。このノブをつけただけでコンパクトのエフェクトもなんだか艶やかで太いニーヴ・サウンドになりそうな気がする、というだけでもプラセボ効果として購入する価値があろう。そもそもトランス回路の設計がそのサウンドの心臓部と言われていることを鑑みれば、コンパクトでニーブサウンドというのもなんだかおかしな話ではあるが、プラセボですから…。当方購入時点では1個250円。色は黒・赤・グレーの3色だったが、黒はなんだかニーブ感がなくて一見すると普通の黒いノブのように見えたことから購入は見送り。黒でなく、紺のノブが欲しかった…。この紺もグレーがかった紺であり、大人の色。しかし、いざ手持ち機材に装着となった段でブチ当たるのは(購入以前から気になっていたが)現代的な機材とこのクラシックなノブとのマッチング。最近はノブがある機材さえも少なくなってきているが、ピカピカの機材にこの渋いノブはなかなかマッチングしない。思い悩むに「そもそもピカピカの機材がイケていない!」との思いが強くなり、敢えて塗装を剥ぐ等のレリック加工を施したくなるというほどのツマミ(ノブ)の魔力!おそるべし!

※アルコノブで思い出したが、以前インナーウッドが新宿にあった際、アルコノブを買いに行ったところ、当時出始めのインターネットへの接続設定がわからない!とお嘆きの木内さんに代わって設定を行い、そのお礼としてアルコノブを頂戴したのだった(その節はありがとうございました)。