Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

玉肌日記

2011年05月19日 | 玉肌日記
【岩瀬湯本温泉(福島県天栄村)】
湯野上温泉や二岐温泉付近にあるごく小さな温泉宿群。街道沿いながらも目視確認するだに3軒の宿屋しかない温泉宿(しゅく)で、つげ義春氏の作品に出てくる程度に鄙び感が充分(夜には近くの犬が”ワオーーーン”と遠吠えするのがこれまた風情を十二分なほどに盛り上げるほど)なのであるが、今でも茅葺き屋根を残した立派なる宿屋があり、規模は小さいながらも、その一つは築140年程度とのこと。温泉街には共同浴場もあるが、一般の入浴客は受け入れておらず、これはこの地域の家には風呂を作らず、皆この共同浴場に入浴することになっているから、とのこと。湯も共同管理されている模様で、浴槽も湯量に合わせて小さく作られているのがなんとも奥ゆかしいが、湯は極上。多くの入浴客が集うシーズンであったことから、湯は鈍り気味であったものの、葛湯のように微白濁した湯は無臭で中性(ph6.8)、少々の鉄泉味と硫黄泉味がする程度。湯の華は比較的豊富でなかには”おぼろ昆布”様なものも(塩化物泉/含土類石膏食塩泉)。加水なしの源泉掛け流しで源泉温度(48℃程度)のせいか、やや温めなのが好ましいが、時代に迎合せずに露天風呂は一切なく、内湯のみ(露天としてもこの温度では冬期には厳しいだろうと思料)。この内湯も3人程度入れば満員状態だが、規模を拡大せずに湯を中心として生活している習慣を考えれば、訪問客もそれを充分謙虚に享受すべし。文化、温泉ともに素晴らしいの一言。
この記事についてブログを書く
« フォアグラ日記 | トップ | フォアグラ日記 »
最新の画像もっと見る

玉肌日記」カテゴリの最新記事