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玉肌日記

2023年09月09日 | 玉肌日記
豊富温泉(北海道天塩郡豊富町)
(2)
宿営地たる温泉旅館の浴室はなかなかお洒落だったので、豊富温泉の本気を見るべく「ふれあいセンター」なる温浴施設へ。こちらの温浴施設、浴室も一般向けと湯治客向けと2つに分かれており、場所・脱衣所が完全に別の構成。閉館間際の時間だったのでどちらに入るか選択を迫られるが、こちとら一般向けを軽く見学したのちに湯治客向けの浴室へ。湯治客でないのに湯治浴場に入ってもよく、①一般浴場と②湯治浴場は加温設定によって区別されている。案内板には①一般浴場は41~42℃の一方、②湯治浴場は38~39℃であり、「男湯は開館後1時間程度は油分多めです」との注記が…。というのも、あまり明示されてはいないがここはアトピー等の皮膚症状に効能がある模様。湯治湯に入っている際にお話しした方によれば、東京から毎週通っている方もいれば、この温泉が効くことで移住された方もあるとのこと。ふと浴室内を見遣るに「原油の使用は湯治風呂のみ!持出厳禁!」と札の下がったシャンプーポンプ様の容器があり、なにやら黒い液体が詰まっている…。これが原油であることは明らか、体に直接塗るものと想像。産出が少なく希少な液体なので中身は確認しなかったが、かつては販売もしていた(現在は販売中止している)模様。体に塗っても未精油なので突如引火や発火することはなさそうだが、大変リアルな湯治状況にこちとら皮膚疾患のない身としてはなんだか申し訳ない気持ちに。この手の温泉にはなにかある種の宗教感が漂う。温泉自体はこちらも混合泉のため基本的に温泉旅館の泉質と同様。保湿効果があり、アトピーや乾癬などの慢性皮膚疾患に効能あり、塩分もあることから温(ぬる)湯でもよく温まる。大正末期に開湯し、石油試掘の際に天然ガスと温泉が噴出したのが始まり。たしかに良質な温泉、さらによい環境であれば症状も改善しそうな気がする。センターの閉館時間が近づいたので宿へと帰るが、さすがに外は激寒で徒歩1分程度だが急に湯冷めて慌てて帰還。ちなみに衣類についた原油臭も洗濯しても数週間は残る。(完)
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