映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年)

2022-05-18 | 【ま】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv76229/


以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 作家を目指すジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の女上司マーガレットの編集アシスタントとして働いている。

 そんな彼女の仕事は、サリンジャー宛に世界各地から大量に届くファンレターの処理。心揺さぶられる手紙に触れるにつれて、定型文で返事を返すことに気が進まなくなった彼女は、個人的に手紙を返し始めることに。

 偉大な作家の声を借りていくうちに、ジョアンナは、友人や恋人との関係や、自分の将来について見つめ直していく。

=====ここまで。

 
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◆舞台『みんな我が子』の前に時間があったので、、、(言い訳をしたくなる)

 サリンジャー、全然知りませんけど、おまけに、予告編から私とは合わない臭がしたんですけど、同業者が主人公となれば、一応見ておきたいかも、、、と思い劇場まで行ってしまいました。

 ……というのも、その日は午後からアーサー・ミラーの『みんな我が子』を見る予定だったので、午前中が中途半端に時間があるってことで、本作だけが辛うじて時間が合いそうだったのでした。

 『みんな我が子』についての記事を書く予定はないので、サクッと感想を書き留めておきますと、私としては演出に対してものすごく疑問を感じました。堤真一はさすがに上手いけれど、他の役者さんたちの演技は単調に見えたんですよね。感情の盛り上がりをセリフをがなり立てるだけで表現しているというか、、、。

 まあ、私の演劇に対する審美眼など当てになりません。さっき知ったんですけど、関係者にコロナ感染者が出たとかで5月17日(昨日ですね)から22日までの公演が中止になったとのこと、、、。これはファンはさぞやガッカリでしょう。中止にしなきゃいけないのは仕方ないんでしょうが、もう世の中すっかりコロナ前と変わらない状況で、なんだかちぐはぐな感じは否めませんね。もちろん、これは本作関係者の責任では全くありません。役者さんたちも相当ハードな稽古だった様なので、早く再開できるといいですね、、、。

 というわけで、前振りが長くなりましたが、本作の感想です。


◆サリンジャー・ストレンジャー

 「ライ麦畑~」なんて、高校の英語Readerの教材で一部分だけ読まされた記憶があるだけで、内容はほぼ覚えていないんだけど、ゼンゼン面白いと思えなかったのは何となく覚えている、、、。まあ、授業だからねぇ。和訳して文法の説明するくらいのテキトーな授業だったから、、、。サリンジャーがどんな人かなんていう背景の説明も、当然なかった気がする(私が聞いてなかっただけかもだけど)。

 そんなんだから、見ても訳分かんないかもなー、と思って見に行ったけど、サリンジャー関係で分からないということは全くと言っていいくらいなかったです、はい。

 ただ、映画全体としては、イマイチ分かんなかった。

 ストーリー云々以前に、シナリオがマズいと思ったな~。構成がすごく雑というか、ブツ切りで、はぁ?という展開が結構ある。

 主人公のジョアンナは、西海岸に住んでいるんだが、以前住んでいたNYに旅行で来て懐かしくなって居着いてしまい、、、で、仕事を探して、誰もが憧れる名物編集者のアシスタントに収まると、早々に彼氏もできる、、、、とか。

 まあ、それはいいとして、与えられた仕事は、サリンジャー宛に届いたファンレターに定型文章の返事を出すことなんだが、そこから、サリンジャー本人と電話だけの交流が始まったり、上司のプライベートに思わず介入したり、西海岸に置いて来た彼氏が訪ねて来たり、、、、とかエピソードに何の関連性もなく、説明もなく、話がどんどん進み、見ている方は置いてけぼり、、、。

 ジョアンナ自身が作家志望で、結局、書きたい人間は編集者(というか、正確にはエージェントなので、編集者とも違うっぽい)には向いていない、、、とかいう謎の理由で仕事もやめる。

 ……てな具合に、オチまで、え、、、何で??って感じで、着いていけなかった、ごーん、、、、。


◆編集というお仕事

 巷では、『プラダを着た悪魔』の出版業界バージョンだ、、、などとも言われているみたいだが、まあ、全然違いますね。『プラダ~』もさほど好きじゃない(というか、あんまし覚えていない)けど、本作よりは面白かった。バリバリの上司(メリル・ストリープ VS シガニー・ウィーバーでいい勝負のはずなのに)の魅力が段違い。

 シガニー・ウィーバー演ずるマーガレットさまは、確かに厳しい上司ではあるけど、どんくらい有能なのかが描写不足で全く分からん。ジョアンナが少女のころ好きだったという童話作家(だったと思う)が久しぶりに書いた作品を持ち込んで来ても厳しいこと言って追い返す、、、というシーンがあったけど、ああいうのは陳腐っていえば陳腐だしね。まあ、それだけリアルではよくあることだとは思うけど。工夫が感じられない、シナリオに。

 ……とか書いていて思ったのは、編集者(本作はエージェントだけど)の仕事自体が、画にならないのかもなーと。あれはダメ、これもダメ、とか偉そうに言っている人みたいな。

 もちろん、企画力の優れた、本当に素晴らしい編集者も大勢いらっしゃいますが、少なくともマーガレットさまがどれほど素晴らしいのか、本作を見ただけじゃ分からんかった、ということ。

 あと、書きたい人間は出版社は(編集者として)嫌う、みたいなことが言われていたが、そうなの? アメリカでは、ってこと? 編集者上がりの作家は少なくないけど、「自分は(作家としては)書けないから編集者になる」みたいな人も確かにいる。私としては、そっちの方がどうかと思うけど。

 本作がイマイチだった一番の理由は、ヒロインのジョアンナが全然魅力的じゃないってこと。彼氏がいるのに、気ままに居着いたNYでさっさと作家志望の男ドン(ダグラス・ブース)と同棲し、その男も自己チューで自意識ばっかり高いガキんちょなヤツだし。結局、彼女はマーガレットの下でろくに仕事もしていない。サリンジャーにちょっと気に入られたのと、自分が気に入った作家の原稿の出版がマーガレットに許可されたことくらいか。なんかその辺もイマイチよく分からんかった。

 ダグラス・ブース、『メアリーの総て』のパーシーもなかなかのゲスっぷりだったけど、本作でのドンもキャラがサイテーだった。

 とにかく、編集者の端くれとして、編集の仕事の魅力がまっっっっっっっっっったく描かれていなかったことに、私はちょっと自虐的な気分になっている。そんなもんねぇんだよ、と言われた気がしてね、、、がーん。

 

 

 


 

 

 


『ワーキング・ガール』のシガニーねえさんの方がカッコよかったなぁ。

 

 

 

 

 

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