映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ゴーン・ガール(2014年)

2014-12-27 | 【こ】



 5回目の結婚記念日の朝、美人で頭の良い妻が消えた、、、が、どうも何かがヘンである。恰好のワイドショーネタとなり、夫はメディアの餌食になるが、、、。

 《本作をまだ見ていない方で今後本作を見る予定のある方は、ネタバレを知らない方が絶対によろしいと思いますので、拙ブログに限らず、あらゆる本作品に関するネタバレ情報には接することなく劇場へ行かれることをお勧めします》

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 以下、ネタバレバレなので、悪しからず。

 結論から言いますと、本作は“ただ見るだけ”の映画です。いや、面白いですよ、見ている間はそれなりに。でも、見た後、何かが心に残る、そういう奥行きのある作品ではない、ということです。だからこそ、ネタバレ、ストーリーは知らずに見るべき作品なのです。キャッチーなコピーは、もうほとんど詐欺に近いです。

 妻であるエイミーの失踪ですが、冒頭からエイミーの意思によるものを匂わせる描写で、夫のニックにはエイミー殺人容疑がかかりますが、観客は全然そんなのに惑わされることはないのです。これは、監督が、そういう意図で作っているのか、あるいは、途中までは本当は観客を惑わせたかったのか、その辺が分かりません。もし、後者だとしたら、完全にその意図は外れてしまっていると思います。

 そして、案の定のエイミーの独白による失踪の真相。意外性は全くなく、ただただ、何でそんなメンドクサイことするの? という疑問に観客の興味は収斂されていきます。

 でもって、その答えが、「エイミーはサイコパス」。、、、え゛~~~っ!!! なにそれ。、、、ガックシ。

 サイコパスなら、何だってアリじゃん。・・・一応、彼女の母親による「完璧なエイミー」像を押し付けるという、いわゆる“母娘葛藤説”がエイミーの人格形成に影響を与えた、という描写がありますが、あんまし意味がないような。だって、サイコパスですよ? 「完璧なエイミー」を演じるために、ニックにあのような半ばギャグとしか思えない不条理を押し付けるなんて、ちょっと説明としてはムリがあり過ぎで、それこそ、サイコパスくらいのパンチがないとダメでしょう。

 本作を見ていて、私は2つの過去の出来事を思い出していました。1つは、「若人あきら失踪事件」。もう1つは、松田聖子と神田正輝の自宅前でのオメデタ会見。「若人あきら失踪事件」の真相など知りませんし興味もありませんが、あの時のメディアの馬鹿騒ぎっぷりが、本作のそれと見事にダブりました。そして、オメデタ会見では、神田正輝が聖子ちゃんの腰を後ろ手でさすりながら(冷え防止のため、だとか、、、)の会見が印象的で、その何とも言えない空気感が見ている者たちをいたたまれなくした感じが、本作の終盤の妊娠会見と、これまた見事にダブりました。どちらも古い話なんで、お若い方はご存じないと思いますが・・・。

 所詮、ワイドショーなんてそんなもん、と思って、どの視聴者も8割引きくらいで見てくれれば良いですけど、世の中の視聴者にはメディアの情報を鵜呑みにしてしまう全くの善人も大勢いらっしゃって、だからこそ、洋の東西を問わず、時代を問わず、似たようなことが起きている訳ですね。

 夫婦の在り方に限らず、一個人、家族、会社、果ては国家であれ、虚像と実像は外からは見分けがつかない、っていう警鐘だと思わなければ、このギャグみたいな不条理なオチは、救いがなさ過ぎます。イメージってのは非常に厄介です。

 というわけで、ネタバレしちゃったら、ほとんどどーでも良い映画であります。こういう作品は、映画としては決して質が良いとは言えません。消費されるだけの作品です。、、、残念。

 さらに残念なのは、妻役のロザムンド・パイクですが熱演で頑張っており、また確かに紛れもない美女なのですが、脱いだ後姿(というか、上半身ですな)が写るシーンがあって、その体がちょっと寸胴といいますかガッチリした感じで、かなり興醒めでした。やはりああいうシーンでの裸身は、細くくびれていてほしい。美女ならばなおのこと。

 余談ですが、ベン・アフレックのあのムキムキのゴツ過ぎる体に、少々、生理的嫌悪感を抱いてしまいました。まあ、凡庸以下の男っていう設定で、そういう意味ではマッチョは合っていたとは思いますが・・・。おお、、、これも、イメージのなせる業だ!!

 いや、それにしてもあの、肩から胸板に掛けて、マッチョ過ぎ、、、。これは、ジェニファー・ガーナーがマイケル・ヴァルタンから鞍替えしたのもムリはない。そりゃ、ベン・アフレックの方が比べ物にならないくらいお似合いです、ゴツ過ぎカップルってことで。



ネタバレ知ってしまえば価値半減の作品。




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