映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ウォールフラワー(2012年)

2015-04-19 | 【う】



  ハイスクールで馴染めなかったチャーリーが、アメフト観戦に行った際、思い切って声を掛けた青年とその妹の風変わり兄妹と出会ったことで、世界が広がっていく・・・、という青春もの。  

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 アメリカの、高校生を主人公にした青春絵巻ってのは、必ずと言っていいくらい「スクールカースト」に悩む話ね。古くは『キャリー』しかり、こないだ見た『25年目のキス』しかり。お決まりの、クルマ、プロム、セックス、、、って、やっぱし文化の違いを感じます。

 しかし、アメリカ人にとって、ハイスクール時代ってのは、そんなに重要なポイントを握る時代なんでしょーか。原作が大ベストセラーになった、ってとこを見ると、やっぱそうなのかなぁ。他にも同ジャンルの作品が一杯あるのを見ると、なんか、人生における重大な岐路、みたいな時代に思えるんですけど。私の高校時代なんて、振り返ってもただの通過点ですけど。

 まあ、今の日本でも「スクールカースト」という言葉があるくらいだからなぁ。私が高校生だったのは30年も前だし、何しろ田舎のフツーの学校で、階層も何も、どいつもこいつも芋ばっか、みたいな感じだったから、こういう映画を見ると、どうもしっくりこないというか、異世界のハナシにしか思えないのよねぇ。

 もちろん、なんとなく人の輪に入れない、馴染めない、という人はいたと思うし、さすがにイジメはなかったと思うけれども、からかい・いじりレベルのことなら、日常茶飯事だったんだろうな、きっと。そういうものの延長として見れば良いのよね、こういう映画は。

 本作は、結構いろんなところで高評価されていたみたいで、劇場に行こうかとも思ったけれども、どうもイマイチその気になれず、結局、DVD鑑賞ということに。ま、結果的に、その選択は正解でした。

 チャーリーの救世主となった兄妹、パトリック(エズラ・ミラー)とサム(エマ・ワトソン)は、2人ともすごくイイ子たちです。3人が車に乗って、サムがその荷台で両手を広げて風を受けるシーンは、あの『タイタニック』の、あのシーンみたいで、イマイチ。いや、明らかにオマージュってのなら良いんですけど、どうもそうじゃなさそうで。これ、チャーリーがサムに惚れてしまうシーンなので、重要なんですが、、、。あのポーズにする必要あるのかね、あんなパクリみたいな。もったいない。もうちょっと考えてほしかった。

 あと、お約束みたいに、パトリックはゲイだったり、チャーリーが抱えているトラウマが叔母さんによる性的虐待が原因だったり、パトリックとサムは実は義理の兄妹でステップファミリーだったり、サムはかつて売春まがいのことをしていたり、と、なんつーか、とりあえず、現代を象徴するテーマをあれこれやたらに入れ込んだごった煮的な感じがしたのも、イマイチだなぁ。

 そんなに色々詰め込まなくても、チャーリーの成長物語は描けたと思うのですが。ダメなのかね、そういう刺激のある題材を入れないと。

 まあ、原作が、あの『RENT レント』の脚本家、と言われて納得ですが。私、あの作品、まったくダメだったんで、、、。本作は、『RENT レント』ほどじゃないけれども、やっぱりどうにも入り込めない何かを感じました。

 それは、「生きづらい世の中」に対する恨み節炸裂、みたいな感じです。究極の、他力本願思考。

 このスティーブン・チョボスキーという原作者は、1970年生まれだそうで、ほぼ私と同年代。今の高校生ならともかく、アメリカじゃ、あの頃から高校生はこんなだったのか・・・。ま、10代後半なんて、そんなもんかも知れませんが。なんでもかんでも自分は悪くないんだ、人のせい!! みたいなね。生きづらいから世の中変わってくんないかな~、というグチ垂れ流し的描写は、レントの方がひどかったし。本作ではまだ自力で人生切り開こうという雰囲気はあっただけマシです。

 パトリックを演じていたエズラ・ミュラーが良かった! 彼は『少年は残酷な弓を射る』で初めて見て、なかなか魅力的だったけど、あの役と、パトリックは、あまりにも違い過ぎて、彼の無邪気な笑顔、結構可愛いのねぇ、と思いました。何しろ、『少年は~』では、ほとんどまともに笑わない役だったんで、、、。エマ・ワトソンはやっぱりカワイイ。ステキな大人の女優に脱皮できると良いんですが。チャーリーのローガン・ラーマンは、まあ、カワイイけど、あんましそそられない感じで、この辺も、本作がイマイチと感じた原因かも。

 



生きづらいですか、そーですか。ま、頑張って。




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