映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

窓 ベッドルームの女(1987年)

2015-07-16 | 【ま】



 テリー(スティーヴ・グッテンバーグ)は、上司の妻・シルヴィア(イザベル・ユペール)と不倫していた。ある晩、テリーの部屋での情事の後、シルヴィアは窓からアパートの前の公園で、やたらと色白でトサカみたいな赤毛の頭をした男が女性・デニス(エリザベス・マクガヴァン)を襲っているのを目撃する。シルヴィアが全裸で窓を開けたことから、その音に反応した犯人が振り返ったため、シルヴィアは犯人の顔をバッチリ見たのだ。そして、犯人もシルヴィアの姿をしっかり見た、そしてデニスを放って逃げた。

 その時、テリーはバスルームにいて、現場を目撃していなかった。シルヴィアに呼ばれ慌てて窓の外を見た時は、女性は近所の人々に助けられているところだった。

 翌日、テリーは、自宅のすぐ近くで女性が殺害される事件が起きていたことを知り、シルヴィアが見た男と同一犯ではないかと疑う。シルヴィアも、自身が目撃者であるのに、不倫故にだんまりを決め込むのは人として許されないのではないかと葛藤する。そこで、テリーはシルヴィアに成り代わり、目撃者として警察に名乗り出るのだが、、、。

 「窓」というタイトルから、なんとなくヒッチコック作品を意識してる? 筋立ても若干共通事項アリ。

 
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 『ダウントン・アビー』で伯爵夫人コーラを演じているエリザベス・マクガヴァンを見たくて、DVDをレンタルしました~。伯爵夫人を素晴らしく演じている彼女の若かりし頃を見てみたくなったのです。

 この頃、彼女は26歳くらいですね。う~ん、顔がはち切れそうなくらいに張りがあり、美人ですがちょっと個性的な感じです。コーラは本当に品のある優雅な奥様で、実にハマっているのですが、こちらのデニスは気の強いお姉ちゃんでなかなか素敵です。ま、彼女については、後で感想を書きます。

 なんというか、身代り目撃者、なんて破綻するに決まっているのに、テリーは実に安易に名乗り出ちゃうんですよね。まあ、これがないとオハナシにならないので仕方ないんですけれど。当然、彼の証言は、時間がたつにつれて警察に怪しまれ、公判では被告の弁護人にぶった切られ、彼自身が被疑者にさせられてしまいます。バカだよ、テリー。

 でもって、不倫相手のシルヴィアは、超自己チュー女。都合の良い時だけテリーをお遊びの相手にし、自分の身が危うくなればバッサリぶった切る。こういう女だって、最初から分かりそうなもんでしょーよ。バカだよ、テリー。

 結局、あれこれあって、犯人の男に、テリーはシルヴィアの身代り目撃者とバレてしまう。なぜなら、法廷でシルヴィアを見た犯人は、彼女こそが本物の目撃者だと分かったから。あの時、全裸で自分のことを窓から見ていた女・・・。あんなに法廷で証言席から傍聴席にいるシルヴィアと目で会話していたら、バレるに決まってんだろ。でもって、シルヴィアの身が危うくなるの分かるだろ。大バカだよ、テリー。

 案の定、釈放された犯人は、テリーを尾行することでシルヴィアの居場所を突き止め、隙を見て彼女を刺し殺す、、、。嗚呼。

 しかし、殺されかけたデニスは、どっこい強かった。自分が囮になって、赤毛トサカ頭男をおびき出し、容疑者にされかけていたテリーを最終的には救うのです。

 窓からの目撃がストーリーの要になっていることや、女性が囮となって犯人をおびき出すことなんてのは、やはりヒッチコック作品を意識したのかしら。『裏窓』は、正直、ジェームズ・スチュワートがあんまし好きじゃないんで、名作と言われますがそれほど良いと思えないのよね~。確かにサスペンスとしては面白いんですけれど。

 本作も、なかなかスピーディな展開といい、中盤から終盤に掛けてのハラハラ・ドキドキ感はなかなか。ヒッチのより好きかもです、私。

 テリーを演じるスティーヴ・グッテンバーグが、ちょっと抜けてるけど愛嬌のある好青年をうまく演じています。シルヴィアにひどい仕打ちを受けますが、彼自身も言っているけど、それほどシルヴィアを愛していたわけじゃないから、精神的なダメージも小さかったみたいだし。もちろん、タフなデニスという女性の魅力に惹かれたからってのも大きいでしょうし。自分が容疑者扱いされ逃げているとき、デニスが自分の部屋で匿ってくれたのは、きっと彼にとって地獄に神に思えたことでしょう。おまけに、自分から添い寝してくれるというおまけつき。美味し過ぎるぞ、テリー。

 シルヴィアを演じたイザベル・ユペールは、本作では彼女の持ち味である毒気をあんまし発揮していませんでしたね~。あれじゃ、ただのヤな女。顔までなんだかアメリカ風になっていたように見えたのは私だけ? 全裸で窓から犯人を見下ろすシーンはゾクッとしますけれど。結構あっけなく殺されちゃいましたしね。

 そして、エリザベス・マクガヴァンです。コーラ役でも、ややベース型の顔だな~、とは思っていましたが、今は加齢によって適度に頬がこけていい感じになっていたのですね。本作での彼女は、かなり四角い顔です。しかも、終盤、囮になるときはブロンドのズラを被るので、ベース型の顔が強調される感じです。もちろん、美人に違いはないのですよ。ちょっとイメージが違う、ってことです。しかも、伯爵夫人と違って、こっちはとってもアクティブです。

 でも、2つの役に共通しているのは、優しくて強いところでしょうか。デニスも、テリーが容疑者扱いされていても、自分の彼に対する第一印象を信じて、彼を微塵も疑うことなく、彼を助けます。彼女も、テリーがシルヴィアの身代り目撃者であることは早くに見抜きますが、それを過剰に責め立てるでなく、テリーの自主的な行動に任せます。そういう、なんていうか、自分本位でないキャラが素敵だなーと。私がデニスだったら、テリーを責めまくり、本当のことを警察に洗いざらい話せと怒り狂うと思うのです。でもデニスはそうしない。挙句、彼を救うために、自らを危険に晒すという行動にまで出ます。私だったら、絶対しない、そんなこと。でもこのデニスの行動があったからこそ、警察も、真犯人を早くに捕まえることが出来たわけです。

 それが、賢い行動だったとは思えないし、何も囮にならなくても、正規の手続きを踏んでも良いのでは、と思いますが、それじゃあ映画として盛り上がらないもんね。それに、デニスはテリーを好きになっていたわけだし。テリーだって、こんなデニスを好きにならないわけがないでしょ。

 どーでも良いけど、黒人の刑事役の人(カール・ランブリー)どこかで見たことあるな~、と思って検索したら、あのドラマ『エイリアス』に出ていたのね! 『エイリアス』、ヴァルタンが出ているので見たけど、シリーズ1のしかも1話見ただけでドロップアウトしてしまったのでした。ヴァルタンは素晴らしく美しかったのだけど、どうにもジェニファー・ガーナーの顔とストーリーに着いて行けず、、、。ちなみに、被告の弁護人を演じていたのはウォーレス・ショーンで、こちらも『デスパレートな妻たち』にご出演でした。デスパでは破産して奥さんに逃げられた出版エージェントという、かなり情けない役だったけど、本作ではテリーの証言を木端微塵にした敏腕弁護士でした。

 、、、まあ、名作というにはちょっと軽い感じはしますが、そこそこ楽しめる隠れた逸品と言っても良いのでは? 

 





公爵夫人とは全く違うエリザベス・マクガヴァンを見られます。




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