goo

「家忠日記 二」を読む 29




(「石碑を読む」の展示)

午後、金谷宿発表会の準備に夢づくり会館に行く。「古文書に親しむ」では、今年は新たな企画で、3班に分けて、「古文書・絵図に見る金谷宿」「町なかに見る昔の字」「石碑を読む」の三つのテーマで展示を行った。自分たちのグループは「石碑を読む」で、市内の有名な句碑と歌碑を拓本に取って紹介した。どんな形でも、昔の字に触れて読んでもらえればと思う。

グループによる活動など何年ぶりだろうか。定年退職世代で、おそらく職場では先に立って活動していた人たちばかりなのだろう。打ち合わせも中々出来ない中で、それぞれが思い思いに資料を作ってきて、即席でペタペタと張り付けただけなのだが、不思議にストーリーが出来ており、立派な展示物になった。

「家忠日記 ニ」の解読を続ける。

 天正九年(1581)巳十月
同六日 丁酉 雨降り候。家康各国衆に振る舞い候。
同七日 戊戌 同普請候。浜松衆ふる舞い候。
同八日 己亥 同普請候。鵜殿八郎三郎所へふる舞いにて越し候。
同九日 庚子 同普請候。如雲へふる舞いにて越し候。
同十日 辛丑 同普請候。雨降り候。鵜善六所へふる舞いにて越し候。
同十一日壬寅 同普請候。松紀伊守所へ振る舞いにて越し候。
同十二日癸卯 同普請候。浜松衆ふる舞い候。
同十三日甲辰 同普請候。松玄所へふる舞いにて越し候。
同十四日乙巳 普請出来候。


この普請に半月ほど掛っているが、連日、各所から呼ばれての振る舞いで過ぎた。牧野城と違い、家康の居城だから、家臣たちも多く、城下町も出来ていただろうから、こんな結果になったのだろう。ふと、家忠の郎党たちも呼ばれたのだろうかと気になった。

同十五日丙午 深溝へ日がけに帰り候。
同十六日丁未 
同十七日戊申 逆河にてはいたか留り候。
同十八日己酉 会下参り候。卯刻雨降り。林にて水鳥つき候。
同十九日庚戌 
同廿日 辛亥 
同廿一日壬子 会下へ参り候。
同廿二日癸丑 雨降り。苅屋水野惣兵衛殿へ人を越し候。
同廿三日甲寅 
同廿四日乙卯 東条甚太郎煩い、見舞に越し候。
同廿五日丙辰 
同廿六日丁巳 永良へ鷹野に越し候。

同廿七日戊午 文師所へふる舞いにて越し候。
       長池にて白縄引き候。鯉五十弐本取り候。
同廿八日己未 同白縄、鯉十二本取り候。
       松‥‥所にふる舞いにて越し候。
同廿九日庚申 雨降り。野田座頭越し候て、平家語り候。
       鯉、家中親類衆にふる舞い候。


昨日の部分で意味不明とした部分、「座頭」は平家を語る琵琶法師だと判った。「大う春の多て者」平家物語の中の「大渦の立て場」だろうか。壇ノ浦の海戦などでありそうな場面であるが、まだ確認していない。

これで「家忠日記 ニ」は読み終った。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「家忠日記 二... 「家忠日記 三... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。