goo

「亜米利加応接書」 2

(散歩道のレンゲ畑)

午後、静岡へ駿河古文書会に出かける。先週は総会で、今日が、新年度の初回の講座であった。テーマは「機巧図彙」という江戸時代の柱時計のカラクリを書いた本である。解読は出来ても、意味を理解するのは、自分には難しかった。

********************

「亜米利加応接書」の解読を続ける。

一 三ヶ年以前、サントウィス島も、合衆国の郡に加わりたき旨、申し聞き候えども、断りを以って申し候。
※ サントウィス島 - ハワイのこと。ハワイのアメリカ併合は1898年。

一 これまで一里たりとも、干戈を以って合衆国の郡に入り候儀は、決して御座なく候。
※ 干戈(かんか)- 武器。また、武力。

一 これまで合衆国、他邦と会盟致し候儀もこれ有り候えども、右は干戈を用い候儀にこれ無く、条約を以って相結び候事に御座候。
※ 会盟(かいめい)- 覇者が諸侯を集めて、盟約を結ぶこと。

一 只今申し上げ候儀は、合衆国一体の風義(儀)を御心得までに申し上げ候儀に御座候。
※ 風儀(ふうぎ)- 風習。しきたり。ならわし。

一 五十年已来、西洋は種々変化仕り候儀に御座候。

一 蒸気船発明以来、遠方掛け隔(へだ)て候国々も、極く手近く様相成り申し候。

一 ヱレキトルテレカウフ発明以来、別して遠方の事も、速かに相分かり候様罷り成り候。右器械を用い候えば、江戸表より華盛頓まで、一時の間に応答出来致し候。
※ ヱレキトルテレカウフ - エレキテル(電気)、テレグラフ(電信)。
※ 華盛頓(ワシントン)- 米国首都ワシントン。


一 カルホルニヤより日本へ、十八日にて参り候儀、出来致し候儀、蒸気船発明故の儀に御座候。

一 右蒸気船発明より諸方の交易も弥(いよいよ)盛んに相成り申し候。

一 右様相成り候故、西洋諸州何れも富み候様罷り成り申し候。

一 西洋各国にては、世界中一族に相成り候様、致したき心得にこれ有り、右は蒸気船相用い候故に御座候。

一 右故、遮(さえぎ)って、外と交わりを結ばざる国は、世界一統致し候に差し障り候間、取り除き候心得に御座候。

一 何れの政府にても、一統致し候儀を拒み候は召し捕りこれ有り、右一統致し候に付、二つの願い御座候。
※ 一統(いっとう)- 一つにまとめて、治めること。統一。
※ 権(けん)- 他人を従わせる力。権力。


一 その一は、使節同様の事務宰相ミニストル一名、アゲントを都てに付、置き候様致したき儀にこれ有り候。
※ ミニストル - 公使。
※ アゲント - 領事。


一 一方の願いは、国々のもの勝手に商売致し候儀、相成り候様致したく候。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 「亜米利加応... 女筆「洛陽往... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。